地球という惑星が出来てほぼ45億年。
生物が発生したのが20億年前だとされるが、大規模な地殻変動や、小惑星の衝突といった惑星規模の災害を乗り越えて、現在の地球の生態系がある。
その地球に於いて、主に地表で生物が繁栄を謳歌したのは、多くの場合地球が暖かい時期である。地球は暖かい時期と寒い時期が交互に訪れている。ちなみにその判断は北極と南極において恒久的な雪があるかどうかで判別される。
つまり現在の地球は更新世という寒い時期である。より正確には、氷河期と氷河期の合間の期間であり、完新世と呼ばれる間氷期である。この間氷期は過去のデーターから概ね1万年から5万年程度続くとされている。
私が気になるのは、この間氷期がいつ終わるかだ。もっといえば、いつ次の氷河期が到来するのかといった疑問であり、怖れでもある。断言するが、現代の人類の文明社会は氷河期の到来と共に崩壊する。人類を絶滅に追いやりかねないほどのカタストロフィである。
もちろん逆の可能性もある。すなわち更新世が終わり新たな暖かい時期が到来することだ。ただし、この可能性は低い。これは地球という惑星の地軸の傾きと太陽輻射熱の受け方の問題であり、また太陽を回る軌道の問題など宇宙規模での変化が関係するからだ。
ただ地球が暖かい時期になっている方が、地表で棲息する動植物は繁栄する。極地の氷が溶けて海水面が上昇するため沿岸は海に沈むが、降雨量は増えて乾燥地が湿地に変り、植物が大いに繁茂する。必然、草食の生物は増えるし、それを餌とする肉食動物も増える。多くの場合、進化を伴い環境の変化に適応していく。
もっとも適応が難しい、あるいは厳しいと思われるのが我ら人間だ。国境という枠組みの中で互いの生存域を守り、生活してきた人間にとって温暖化は多くの場合、国境の変化を必要とする。その変化は国境紛争であり、多国間の戦争を導く。すなわち時代の覇者の新たな権力争いである。
私は平和な時代に安住するナマケグマである。なるべく現状維持を望むが、間氷期が終わり氷河期の再開の可能性の高さを危惧する。ところが、人間の産業活動により地球の大気温度を上昇させるほどの温室効果ガスを生み出してしまった。
この温室効果ガスは、間氷期を伸ばして氷河期の到来を遅らせている可能性がある。現時点での正しい予測は無理で、想定するしかない。分かっているのは、脱炭素社会なんて軽い目標では、到底人類の文明は守り切れない。
氷河期が到来すれば、壊滅的に農業生産は激減し、陸生生物の大半が絶滅する。一方、温暖化が惑星規模で進む、すなわち冷たい時期が終了して暖かい時期が到来すれば、やはり地上の生態系は劇的に変わる。
後者の可能性は現時点では低い。むしろ氷河期が到来する可能性の方が高い。あまり注目されていないが、近年太陽の黒点が減少している。これは地球上に降り注ぐ太陽の輻射熱が減少する状況を想定すべきだと主張する科学者がいる。
そうなると氷河期の到来を覚悟すべきなのか。
私は以前、気候変動とは緩やかに、しかし断固として進むものだと思い込んでいた。しかし近年の研究では、気候変動は急激に訪れる。日本でいえば江戸時代中期、西欧の17世紀に突如北半球を襲ったパウンダー寒冷期は短期間ではあったが、まったく予兆もなく突然襲来したと言われている。
またヴェルム氷河期を終わらせた温暖化は、突如として訪れて地球全体に広がり、ノアの大洪水の原型になったとの説もある。ちなみに日本列島は泥の中から生まれたとされるが、やはり北半球の氷が急激に溶けたことによる結果なのかと想像できる。似たような伝承は世界各地にあるのが興味深い。
果たして人類を襲う天変地異は温暖化なのか、それとも氷河期なのか。その答えを見ずに人生を終える可能性のほうが高いのですが、それでも興味は尽きませんね。
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