入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

   続 管理人の立場から

2014年08月15日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 入笠も牧場も今、岐路に立っている。巨額の投資をするというなら別だが、そんなことを牧場管理人の身で想定できるわけがない。現状を踏まえた提言を、思い切って組合長に提出してみた。支持されたかは別にして、後に内容は伊那市の側にも伝えられたはずだ。そのことにも触れつつ、

 1)入牧頭数が激減した最大の理由は、種牛(雄の和牛)を失い、自然交配ができなくなったこと。2)放牧料金の設定が固定的で、工夫が足りなかったこと。加えて、畜産農家の置かれている厳しい状況等々がある。
 不採算部門をこれ以上放置できない農協の立場からすれば、閉牧案は当然出てくるだろう。しかしそうなると、これだけの広大な放牧地、のみならず周囲の自然や景観はどうなってしまうのだろう。
 よい種牛を導入し、柔軟に放牧料の見直しを行い、牧場を存続させつつ観光資源として活用していくことが、当面考えられる最も妥当・順当な方法ではないだろうか。
 しかし、農協もまた岐路にある。数百億の年商を維持していかねばならぬJA上伊那にとって、牧場経営にどれほどの魅力があるというのか。否、・・・。牧場から手を引きたくなる気持ちも、また分かる。ジレンマは続く。

 そこで行政の側にもう少し、入笠牧場のことを考えてもらうわけにはいかないだろうか。ここで、JA上伊那が牧場を手放してしまったらどういうことが起こるのか。自然が荒廃するだけではない。この広大な土地が解放される日を、虎視眈々と狙っているのは動物たちだけではない。人もそうだ。バラバラの開発が何をもたらすか、悪い見本には事欠かない。
 
 JA上伊那は牧場をいったん土地の所有者である伊那市に返す。その上で、伊那市から土地の管理委託を受け、引き続き牧場運営および周辺の管理を続ける、ということができないだろうか。これが、牧場と自然を守る道であり、観光資源を生かす道であり、先人の労苦に報いる道だと思うのだが。
 牧場の規模再考、牧場と観光との両立、中でも牧場内の遊歩道と天体観測、富士見町主導の観光客対応VS伊那市・JA上伊那の対応策・・・いろいろ考えられることがありはしまいか。(つづく)

 やってきました五郎丸隊!詳報は明日。
 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては7月9,13日のブログをご覧ください。
 
 
コメント
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