くくり罠を仕掛けて3日目、雄鹿がかかる。
鹿は霧の中で、急場を逃れんと必死にもがく。
逃げてにげて、暴れてあばれて、最後には反撃までしてくる鹿。
狩猟する者の本能に火が点き、制圧に集中する。
頭部の狭い限られた部分に鉈の刀背で打ち下ろす。昏倒。
躊躇を振り切り、胸部にナイフを刺し込む。
息絶える鹿の傍らで、血の付いたナイフを鹿の身体にこすり付けて拭う。
風が霧を呼ぶのか、霧が風を招くのか、白い靄の中で時がユックリと過ぎる。
命乞いを拒絶された鹿の血が、雨に濡れた草の上に滲む。
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