入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

       牧人の休日(30)

2015年03月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

オリオン星雲(再録)             Photo by かんと氏

 昨日はある本を種に少しだけ、北米大陸の北方に暮らす人々のことや、彼らを支える豊かな湖や森のことに触れてみた。そのあと、ちょっと懐かしくなってパラパラとページをめくっていたら、鉛筆で丸く囲んだ箇所が目に付いた。
 記憶というものは、いい加減なものだ。そこには、原住民の人肉を食べるという衝撃的な話が書かれていたのに、そのことをすっかり忘れてしまっていたのだ。
 この本の舞台はカナダの北緯60度から70度の未開の地だが、食べ物が手に入らず空腹のあまり、身に着けている革製品や靴まで食べる話とともに、仲間を食べてしまう話が登場する。南方系インディアンとあるが、いよいよ飢えが限界を超えると、だれが餌食にされてしまうか分からないという怖ろしい話で、しかもそれは、それほど珍しいことではないとある。
 再び同じ土地に来る確証もなければ、幸運に任せて必要以上に獲れるだけ鹿を捕獲し、余った肉は平気で捨ててしまうかと思えば、極度な飢えに際しては、いよいよとなれば仲間を殺してその肉さえも食べたのだ。イヌイットの部族を大切にする面や、広大な大地を移動していくカリブーの群れのイメージが、こうした当時の過酷な状況を忘れさせ、目をそらせてしまったようだ。
 と言って、彼ら先住民だけを野蛮視するのはいかがなものだろう。極北の探検の歴史の中には、白人とて同じことをした人たちがいた。もっとも彼らは死肉を食べたのであって、殺人までしたわけではない。ただ当時の極地の探検は、それほどに苛烈を極めたのだろう。1845年129名もの隊員を2隻の船に乗せ、一路北西航路を目指した大英帝国のフランクリン隊のことだが、彼らは一名たりとも生還できなかった。その後の幾度もの捜索により、その事実が報告された。





 今日近くの城跡へ行ってみたら、小雨まじりの中こんな花が咲いていた。口直しになりますか。

 時代遅れの山小屋「農協ハウス」の営業に関しましては、2月24日のブログなどをご覧ください。お問い合わせは、JA上伊那東部支所組合員課(直通:0265-94-2473)まで。

 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする