もうそろそろ牧草地にグリーンの色が欲しい。薄く水彩絵の具で塗ってやりたいくらいだが、きょうの写真は、前々回に行ったとき撮ったものだと思う。あれから1週間以上経つから、ミズナラの大木や草地も、もう少し春めいた雰囲気に変わっているはずだと期待したい。
昨夜は雨が降っていた。いつものように炬燵に入り、あまり進まない本のページを催促されるように3,4枚とめくっては中断して、本の内容とはまったく関係のないことを考えるともなく考えた。夜の雨は酔いの名残も手伝って、妙にまた人の気を落着かせ、何事か思索めいたことを強いるようだった。
昨年の秋、Y君が馬を引き、M君が一緒になって20名ばかりの小学生の団体を引率し、駒ケ根から「石堂越え」を通り入笠まで来たことがあった。牧場のキャンプ場が3泊目になるかなり長い道のりだったが、全員が無事走破して、翌日終了点である入笠山の山頂で喜びの歓声を上げた。
このことは当ブログでも取り上げた。その際、この少年たちの中には学校生活に苦労している子もいたようで、こちらのちょっとした言葉遣いでその子を傷つけてしまった。
つい「バカ」と言ってしまったのだが、結果、「刺し違えたい」と思うほどまでに相手を怒らせたことを、後で当人が書いた手記を読んで知った。同時にまた、この子が実にしっかりとした文章でことの顛末を詳述していて、そのことにも大いに感心させられた。それだけに、甘えたことばかり言っていてはもったいないし、強い子になってほしいという意味のことをブログに書いた。
しかし、こういう子供たちに対しては、精神的な面だけを問題にしてみても、必ずしも解決しないということをこのごろになって知った。風邪や腹痛、頭痛や盲腸のように立派な、と言ってはなんだが、それは病気なんだと、だから単に精神的弱さを責めたり、鼓舞してみても効果のない場合があり、ただしそれゆえに、適切な診察治療を受けることができれば充分に克服できる問題でもあるのだと。もちろん、複雑な要因がからんでいるのだろうから、過剰ではない周囲の理解も必要だと、反省もこめてそう思う。
さてその後、あの少年は元気にしているだろうか。あの「馬っこウオーク」を思い出すこともあるだろうが、まだ”じいちゃん”を殺したいほど憎んでいるのかと、聞いてみたいものだ。
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