入牧したばかりで、牛はまだ群れをつくれないでいる。
その待望の牛たち、昨日の入牧頭数をここに書くのはかなり抵抗がある。すでに地元紙などでは報じられているので知っている人もいるだろうが、たったの14頭である。この後、途中入牧の予定もあるが、これでは牧場経営は成り立たない。
さりとて、この牛たちを観光目的に利用するにも、いまのままでは無理だ。昨年は、大型囲い罠もその一部に入る第4牧区(まき牛牧区)に牛を置いたら、大分好評だった。しかし、今年は草の状態などを判断して、やはり第1牧区に上げることにした。観光も大事だが、今はまず牛のことを優先的に考えるしかない。
昨日は何回も、牛のいる第1牧区に上がった。入牧したばかりの牛は興奮しているから、脱柵の心配が絶えない。それもあって、牛を追い立て水場まで連れていくことは止めておいた。
そしてきょう、牛は4群に分かれていたが、比較的落ち着いていた。人懐っこい牛が2頭でいて近付いてきたが、後で調べたらこの牛たちの蓄主は同じではなかった。普通、群れを形成する場合には、同じ蓄主の牛同士が集まる傾向にあるのだが、この2頭を惹き付けた理由は何だったのだろうか。
まだ本家・御所平には行ってないだろうと思いながら下りていくと、草地が急に沢に向かって落ちていく御所平の北方の小高い丘に3頭がいた。移動の距離に驚いた。この牛たちはすでに水場も分かっただろうからいいが、さて、残りの牛たちはどうだろう。
第3牧区の見回りを終えて、富士見側の交通規制をやっている場所に行ってみら、そこでもまた驚いた。老若男女、平日だというのに、上がってくる人の列が絶えない。あのたくさんの人、人、人・・・、たどり着いた頂上に居場所はあるのだろうか。それに対してここ伊那側はいつもと変わらず平穏でセミの声しかしない。悪いがここは、あんなふうにだけはなって欲しくない。
それにしても、富士見の観光に携る人々は熱心だ。新しい印刷物の誤りを指摘したら翌日すぐ、担当者がやってきた。3名も! 良い機会だからと、本当の「御所平」も案内しておいた。この場所も含め、伊那側の「法華道」は整備されている。どちらの登路も、個人(北原のお師匠、種平小屋夫妻)の努力だが。
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