好天はきょうだけのようだが、夏の高原に相応しい気候になった。風が草を揺らし、草の原が波のうねりのようになって、低い方から高い方へと移動していく。大きくて深い夏の青空に薄い雲が広がり、いつになく引き立て役にになって見えている。
昨日、帰る前にもう一度雷電様に上っていけば、6頭の牛はそこからそれほど遠くない場所に移動していた。木に吊るした鉱塩にも、木の根元に置いた塩にも、期待したような格別の変化はなかった。そのあと念のため御所平にいた牛の群れに塩を持っていくと、3番と4番の若い牛(ホルスタイン)が近寄ってきて、「なんだぁ」といったふうにしきりと容器の縁を舐め、関心を見せ、そのうち舐め始めた。しかし、他の牛はどこ吹く風だ。
そしてきょう、群れの中に容器ごと塩を置いて、少し離れて様子を伺った。すると、5番が来て、10番が来て、というように何頭かが反応したが、それはケーキを喜ぶ子供のようにはとても見えなかった。普通なら奪い合いが始まる。塩化ナトリュウムは取り敢えず足りていると思うも、しばらくは牛さまのお給仕役をさせられそうだ。
雷電様の近くに置いた鉱塩は撤収し、鹿を誘引させないため、土の上に撒いた塩はその上に岩と石を置いてきた。その後ふと振り返ると、100メートルと離れていない牧柵に何かが見えた。鹿だった。柵を飛び越えようとして、足をからませてしまったのだろう。たまにこういうことはある。あるがしかし、その対処については逃がしたか、殺したか、放置したか・・・、本日ここでは明らかにしないでおきたい。
いつも通信ありがとうございます。そうです、大方の牛舎ではこれを置いて、牛がいつでも好きなようにミネラルを摂取できるようにしてます。牛は鹿と同じ偶蹄類で、両方とも塩は大好物です。人間で言えば、正しく酒に反応する紳士、淑女のようなものです。
きょうは撮影の下見の立ち合いのなどもあって忙しく、この独り言は家のPCを使い、小酌の助けというか、その影響を受けながら呟きました。
ボツボツ予約が入り始めました。お早めに。FAXでも予約や問い合わせに対応できるようになりました。ご利用ください。 入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。