入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「冬」(25)

2023年02月02日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 哺乳類全体に占める人間と家畜の割合などを気にするのは、恐らく牧場で働いているからなのは間違いない。しかしそれが96%だと知れば、大概の人が驚くだろう。野生動物はこの地球上にたったの4%パーセントしか存在しない、ということになる(98%という数字さえある)。ある統計によれば、家畜だけの占有率は62%、72億と言われる人間は34%で、ひとつの種としては最多である。次に牛(34%)、そして豚(12%)と続く。
 
 人間の倍近くを占める家畜は、当然われわれのためにのみ存在する。野生の哺乳類がこれだけしか存在しない最大の原因も、これまたわれわれ人間が長い間をかけて殺し続けたからである。
 例えば人類が北アメリカに進出したころにはマンモスやバイソンなどの大型獣がいたらしいが、これらは人類が人口を増やしつつ獲物を求めて南下していったわずか数百年の間に、食べ尽くしたと考えられている。アメリカ原住民の血液型はO型が97%、B型がゼロだったということから、最初に大陸へ移っていった人数はそれほど多くはなく、百人程度だと推定する人もいる。
 この小さな惑星、そしてそこに住む生き物からしたら、人間こそが地球・ガイアを破壊し、生き物を食べ尽くした元凶で、ウイルス以上の極悪非道な病原菌だと見られても仕方がないと思う。

 クジラを殺すな、イルカを守れと、それも結構なことだが、こういう実態をあの人たちはどう考えるのだろう。クジラもイルカも哺乳類であり、豚も、牛も家畜ではあっても同類である。大洋を自由に泳ぎ回るクジラやイルカに比べ、短い一生を不自由な檻の中に閉じ込められて暮らし、挙句に人間に食べられる運命を背負った牛や豚をどう思うのか。
 彼ら彼女らの国の主要産業は牧畜である。だからクジラを殺すのは可哀想でも、家畜はそうではないのか。それとも自国の産業のために犠牲になる家畜への贖罪意識が、ああやって捕鯨に反対し、イルカを守ろうとしているのだろうか。

 もしかすれば牛や豚は、人間のことを銀河系の落ちこぼれだと思っているかも知れない。文明はそこそこ進歩したが、その目指す先は全く不明なまま、取り敢えず便利で快適、利益獲得のために突き進んでいる。争いごとは絶えず、その原因は恐らく万年以上前から本質的には変わっていない。
 今、多様性などということが言われ、評価され、diversityはカタカナ語にもなった。男女という二つの性は、一つになったり三つになったりし始めた。これも多様性らしいが、別な言葉で言えば秩序の崩壊ということではないのか・・・、などと。
 
 え、お前も偽善者だと。法外な出演料を取り、贅沢三昧の暮らしをしているくせに電気料金の値上げを心配するふりをするアイツラのように。ごもっともでござる。
 
 本日はこの辺で。
コメント
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