入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「冬」(28)

2023年02月06日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 久しぶりに夕暮れを見ている。空の色がゆっくりと薄れ、それに合わせるようにして一切の音も、色を失いつつある空の中に吸い込まれていくようだ。いつもながら深い平安を感ずる。
 今の自分と同じぐらいの年齢だったと思うが、ある人が都会の夕暮れを見ながら切なそうに顔をゆがめた。そして自分が消えていくようで気が滅入ると言って、同意を求めてきた。不思議なことを言う人もいるもんだと、少し反論した記憶がある。
 牧の朝もいいが、暮れなずむ牧はもっといい。昨年も幾度となく夕暮れの空を見に行ったもので、一人で行くこともあれば、人を誘ったこともあった。あまりに見事な夕焼けに、写真に写すことを諦めたことさえあった。(2月5日記)

 昨日、急に思い立って、夕暮れの仙丈岳を見ようと開田まで車を走らせた。惜しいことに、山が夕焼けに染まる時は過ぎいたが、それでもいつもながらの堂々とした山容は期待を裏切ることなく、左右に延びた雄大な山稜の尽きた辺りに小兵のような里山と、その風景にはそぐわない余分な人の暮らしが見えていた。

 いつも似たような風景を2,3枚撮った。そして振り返ったら、何と「オレも撮れ」と、大きな月が東の山の上からちょうど顔を出したばかりだった。このごろはすっかり夜の散歩を控え、月齢なども気にしてなかったから、いきなり現れたひょっとこ顔の月にはおかしさまで感じて、言われたようにした。
 そういえば、山の端から昇り始めたばかりの月が、なぜあれほど大きく見えるかは、まだよく説明できないらしいことを何かの本で読んだ。そのあやふやな記憶がもし本当になら、大きく見えることに加えて、なぜこんなことが分からないのだろうかと今さらながら不思議に思った次第。

   名月をとってくれろと泣く子かな  一茶

 まぁ、月を眺めているとこの子のような気持が分かる。やたら「吠え」たりせずに、そんな思いで、しばらく次第に縮小していく月を見てから帰ってきた。

 赤羽さん、久しぶり。どうしているかと思っていました。そうですか安気な日々、孫ができたり、夫婦で温泉とは羨ましい限りです。
 ところでご存じでござったか、「大日本湯渡り党」と、その総裁を。そのうち、この大仰な党名及び肩書に恥じぬやう、精進いたす所存でござる。

 本日はこの辺で。
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする