Photo by Ume氏
珍しく牛の群れを発見するのに手間取る。たいがいいつもいる放牧地は決まっているが、それがいない。給塩の予定もあり、試しに塩場で笛を吹いてみた。するとしばらくして、眼下のダケカンバの林を横切り、ぞろぞろと列を作ってこちらにむかってくる登ってくる牛たちの姿が見えてきた。多分、下方の川の流れる森の中で涼んでいたのだろう。こちらの姿は見えていないはずだが、どの牛が笛に反応したのだろう。こうなるとまた一段と牛への情が強まる。
マッキー(雄の種牛)がいたころは、この牛が群れを主動していて、頭数は多くても群れを移動させることは楽だった。笛で呼ぶと、遠くの放牧地から咆哮しつつ、木でも踏み倒すのかバリバリと音まで立ててやってきたものだ。この牛がいなくなった2年前から、放牧頭数が激減し、牧場は変わってしまった。時代のせいばかりではないのだ。
和牛65番は、顔相に似合わず優しく、おとなしい。大切に飼育されていたのだろう、人を恐れない。いくらでも身体に触れさせ、逃げない。ただ、塩場でホルスタインに一歩ゆずっているのを目にすると、「しっかりしろ!」と言ってやりたくなる。なんといっても血統卑しからざる純粋和牛、繁殖用として、これからたくさんの子牛を産まなければならない。それにしても、和牛がホルスタインに遠慮している姿を見るのは初めてのことだ。入牧が遅れたせいもあるだろうか。
Ume氏のPHは明日も続きます。ご期待ください。
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