入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

       ’16年「春」 (47)

2016年04月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 早い、もう仕事を始めて4日が過ぎる。今日のような天気が続けば、牧草も辺りの自然も、すぐに鮮やかなグリーンに変わるだろう。来週から連休が始まるが、入笠も伊那側、特にここは、他所と比べれば静かなもの。身構えて来訪者を待つ、というようなことはない。
 
 久しぶりに「峠の星を見る者」がやってきて、あれこれとりとめないことを話す。連休が新月になるので、天文ファンの希望もあって今年は早くから営業するようだ。彼曰く「貧乏太り」とやらが大分進んでいたが、元気そうで何よりだった。立場が違うから、必ずしも考えが一致するばかりではないが、頭の中にあることをたまに伝え合うことはいい。
 そういえば、久しぶりに北原のお師匠も電話をしてきた。下にいても入笠や法華道、北原新道のことが気になるらしく、それらの維持や管理について心配していた。もういままでのように草刈りは無理だろうから、今後どうするか対策を練らねばならない。と言って、師独自の「堅固な意思」もおありだろうから、しばらくは様子を見るしかない。

 夕方になって天気が崩れ、雨が降ってきた。頭が痛い。このPCに対する忍耐もいつまで続くか。

 そんなわけですが、山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の営業案内」をご覧ください。

 

 

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       ’16年「春」 (46)

2016年04月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今日の写真は、芝平は山室川の古い堰堤付近に咲き始めた枝垂桜で、今朝上ってくる途中に撮った。まだ少し早い。落葉松の芽吹きも、池の平付近まで進んできたと思っていたら、よく見ればここ入笠でも、日当たりの良い場所は芽吹きが始まっている。本格的なその季節もあとわずかだろう。
 
 昨日の会議で、鹿の姿が減ったと言っておきながら、上に来たら大沢山と小入笠の下でそれぞれ数頭を目撃した。そこで夕方帰り際に、囲い罠を仕掛けておいたら、今朝来ると4頭が入っていた。
 ひと冬の間にどんなことがあったのかは知らないが、この4頭は異常なほど警戒心が強く、ちょっとした物音にも反応して忙しく飛び回っている。こういう姿をもし仲間の鹿が目にすれば、どういったことを考えるのだろうか。「しばらく捕獲はできなくなる」と言う人がいたが、そうでないこともあった。鹿でも、牛でも、犬でも、人と同じように個体の持つ個性というものがある。一概には言えない。10年ずっと鹿を見てきたが、彼ら彼女らはあまり多くを教えてはくれなかった。
 ただ、鹿の頭数が減ったことは間違いないと思う。牧場内を見回っていても、かつてはまるで黒豆でもバラ撒いたかのようにいたる所にあった落し物が、明らかに減っている。

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       ’16年「春」 (45)

2016年04月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  昨夜の雨で、経ヶ岳の雪も大方融けたらしく、遠くからでも、冬の衣を脱ぎ春の装いを始めた様子が感じられる。いや、まだ襦袢姿で、これから衣装選び始めようとしているところ、と言った方がよいかも知れない。そう思って見れば、それとなく艶めかしさまで感じられたりして・・・、クク。

 仕事を始めたばかりのせいか、問題が解決しないせいか、はたまた牧場管理人のぼやきなどあまり意に介してくれないせいか、疲れる。今日、畜産課の会議で、牛の衛生対策や管理方法については専門的な話がいろいろと出たが、もう一つ、施設の維持管理については、みんなの現状把握が充分でないということもあるが、これをあまりやると金銭的な問題を孕む可能性が高いので、軽く流され、いなされた。仕方ない。
 まあ、1年に1度くらいは言わせてもらうが、何しろ酪農は、TPPについでまたしても、頭の痛い難題を抱えてしまった。これまでの、家族中心で行ってきた酪農家にとっては、もし実際に新制度がスタートするとなると、海外でなく、国内で強力な競争相手を持つことになる。
 詳しいことは次の機会に譲るが、酪農についてはPR、つまり消費者に対する啓蒙が少なくて、また上手くない、と思う。例えば、カルシュウムやマグネシュウムを多量に含む牛乳が健康によいことはもちろんだが、認知症の予防にもいいということを「牛乳の可能性」と題して、九州大学の二宮大学院教授が今日の毎日新聞に書いている。あるいはまた、酪農と観光の関係についても、いろいろな努力を海外の例を挙げて説明している記事もあった。まだいくらでも関連する切り抜きの記事が紙袋に放り込んであるが、酪農団体は、もう少し効果のある発信に努力されては如何か。



 先週の日曜日の風のせいだろう。今日、ようやく片付けられていたが、この倒木をくぐって二日来た。

 巣鴨韋駄天氏は近いうちに白岩岳を登ろうとしているのかな。Nさん、今度は西穂高ですか!よいパートナーのお蔭です。
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       ’16年「春」 (44)

2016年04月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 安曇野の穂高は、長閑で美しかった。ちょうど桜が満開で、白樺や落葉松、楓など多種多様な木々がまさに芽吹きの時を迎え、さらにいい春の風も吹いていた。伊那からはかなり北のはずだが、常念岳の麓の辺りは標高の関係で入笠やその山麓よりも春の装いは早く、明るい新緑が溢れていた。早くも水の張られた水田もあったのには驚いた。
 その一方、さすがに北アルプス北部の山々はまだかなりの雪を残していて、キラキラと光る青空が見事な演出家となって、その秀麗とも言える峰々を見せつけていた。湯につかり、酒を飲み、贅沢な時を過ごした。

 記念すべき牛守としての本年初日はことのほか忙しく、いつもの年のように水で苦労し、一日経った今日もその苦労は変わらない。シラビソの生い茂る暗い谷を、昨日と今日で何往復したことか。谷川の冷水に手を赤くし、思うようにいかない仕事に思わずぼやいた。昼を過ぎて本格的に雨も降り出し、風まで出てきた。こうなると春の勢いは一瞬の間に萎み、枯草や芽吹きの始まらない周囲の雰囲気は、一気に消沈して見える。
 
 こんなことを書くと、5月の連休を入笠牧場の山小屋やキャンプ場で過ごそうとしている人たちの気持ちまで、萎ませてしまうかも知れないが、大丈夫。そのころになれば木々の芽吹きも始まり、不愛想だった自然が思いっきり元気を取り戻し、躍動するその生命力を恣(ほしいまま)吸収することができます。5月、五月晴れ、澄んだ大気が待ち遠しい。
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       ’16年「春」 (43)

2016年04月19日 | 牧場その日その時


  5か月の休みが今日で終わる。いろいろと思うことはある。
 特に今、過ぎ去ろうとしている平穏だった日々に、強い哀惜を感じている。何か特別なことがあったわけではない。まるで愛犬HALのように、暖かい場所と、美味い物とをほしがり、ただそうやってウロウロと過ごしただけだ。にもかかわらず、二度と手にすることのできない何かをなくしてしまったような喪失感を味わっている。
 たまに炬燵から抜け出し、スキーに行ったり山を歩いた。入笠へも法華道から二度登ったし、今年は雪が少なかったから車でもちょくちょく上がった。懐かしい顔に会うために東京にも二度ばかり行った。しかしそれでも多くの時を、この陋屋の虜囚となって過ごし、呆気ない日を送ることで5か月が過ぎていった。
 この10年、毎日のように牧場に通う日々が「主」であり、長い冬を逼塞して暮らすのが「従」だと思っていた。しかし、その主従の関係もよく分からなくなって、今では背中を丸め、寒さに震えた冬の日々も有り難く、尊く、懐かしく思う気持ちになっている。


    HALも退屈しのぎになってくれた

 写真は清流、山室川。一昨日、入笠からの帰りに撮った。明日からまたこの流れに沿って、四季折々の季節の変化を眺め楽しみにしながら、7か月を行くことになる。
 
 連休の予約はお早目に。山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の営業案内」をご覧ください。
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