市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

二度あることは三度・・・ズサン工事で路面陥没させたガスパッチョ東京ガスの前科

2009-09-16 06:05:00 | 東京ガス高圧パイプライン問題
■平成21年9月2日の群馬県の発表によると、県が管理する県道や一部の国道など113路線を対象にした初めての大規模な空洞調査で、30路線の車道と歩道の路面下に合計46カ所で、地中に陥没の危険につながる空洞が見つかりました。県道路管理課では、この46カ所のうち、特に危険度の高い7カ所については、緊急の補修工事を、8月末までに完了したとのことですが、陥没の恐れがある12カ所についても、今年度内を目標に補修を予定しているとのことです。

 この調査は、2007年9月の台風9号通過以降、08年7月まで、群馬県の管理する道路陥没が6件発生して、このうち2008年7月には県道下仁田臼田線でタンクローリーのタイヤが陥没してできた穴にはまるなど、車両を巻き込み事故が2件発生したことがきっかけです。

■群馬県の発表によると、平成19年9月の台風9号通過以降、平成20年7月までの間に陥没した路線は、次のとおりです。県内で道路陥没が6件発生し、うち2件で車両を巻き込む事故が発生したことになっています。
 ・平成19年9月  (主)下仁田上野線
 ・平成19年9月  (国)144号 ※タンクローリーの事故
 ・平成20年6月  (主)富岡神流線
 ・平成20年6月  (一)小平下仁田線
 ・平成20年7月  (主)沼田大間々線
 ・平成20年7月  (主)下仁田臼田線 ※大型トラックの事故

 そこで群馬県の県土整備部道路管理課(〒371-8570 前橋市大手町1-1-1、電話027-226-3598、FAX 027-243-7285、E-mail doukanri@pref.gunma.jp)が、河川の護岸沿いを通る道路や過去に陥没歴がある道路などを中心に、県内の113路線、約92.7キロ(うち車道約85.8km、歩道約6.9km)を対象に今年4月から6月末まで実施したものです。

■対象道路では、地中レーダを積んだ空洞探査車が「異常あり」と判定した場所について、直径5~6センチの穴を開けてカメラを入れて空洞の有無を確認しました。空洞ができる原因は、河川による浸食や水道管、ガス管など地下埋設物の影響とみられます。

 最大規模の空洞が見つかったのは、嬬恋村干俣の県道大前須坂線の路肩部分で、長さ11.2メートル、幅1.1メートル、深さ約1.9メートルにわたって道路の地中が空洞化していた現場です。路線別で最も多かったのは、安中市松井田町の旧国道18号と、前橋市の県道大胡赤城線で、4カ所ずつ見つかりました。

 群馬県では、空洞は当初、護岸に沿った道路で多く見つかると想定していました。ところが、下水道や通信用ケーブルなどを埋設した個所からも、護岸沿いの道路と同程度に空洞が見つかったのです。このことから群馬県は「今後、調査や補修にかかる費用の負担のあり方などを、埋設物を所有する会社などと協議していきたい」としています。

 このニュースをきいて、当会は、珍しく当たり前のコメントをだした群馬県に、耳を疑ってしまいました。

■ところで、思い起こすのは、今年4月16日午前4時50分ごろ発生した、高崎市藤塚町の国道18号が陥没した事故です。明らかに高圧ガス導管敷設工事が原因なのに、東京ガスは事故発生から15日も経過した5月1日、「現場で行っていたガス管敷設のためのシールド工事が原因だった」とする調査結果を公表して、渋々、事故原因が自分のせいであることを認めました。


東京ガスが、県内屈指の交通量の国道18号線に明けた落とし穴。(読売新聞社提供)

 この事故では、長さ約5m、幅約2m、深さ約2mにわたって陥没し、通行中の軽乗用車が脱輪した。事故の後、東京ガスが調査したところ、その付近にも別の大きな陥没箇所が見つかりました。その後、東京ガスは、毎週土曜日に、定期的にトランシットを使って、国道18号のシールド工法で掘削したルート上の路面のレベル測定を続けていますが、これも半年間という期限付きですので、せいぜい10月末までだと思われます。

 東京ガスの高圧ガス導管が、道路占用埋設物として、地区内の生活道路の下を這っている岩野谷地区の沿線住民としては、路面下の空洞問題は深刻です。なにしろ、国道18号で世間を驚かせた大規模な落とし穴を作った前科のある東京ガスのことです。推進工法や開削工法で、埋め戻しに山砂を使用していることから、台風等による大雨で、地下水の流れにより、容易に砂が流亡する可能性があるからです。

 安中市には、東京ガスのガス管埋設による占用で、毎年数十万円の収入が見込まれますが、一箇所でも空洞が見つかり、その補修を行う場合には、それ以上の補修経費が必要になります。まして、生活道路ですから、空洞にタイヤを取られて通行車両の事故が発生したら、たいへんです。

 当会が東京ガスに要望している地元との災害防止協定の締結は、こうした事故が起きないように、東京ガスに予め、安全対策を義務付ける意味で有効だと考えます。しかし、東京ガスは、まったく聞く耳をもってくれません。安中市も岡田市長が、東京ガスとの密約で、住民の意向を無視して、工事許可を出した為、東京ガスにとって不利になるような、災害防止協定締結に向けた行政指導はとても期待できません。

■群馬県は、道路下の空洞問題について、今後次のような取組を行うとしています。

・護岸(河川)沿いの路面下に空洞が確認されることはある程度想定できていたが、占用地下埋設物の影響によると考えられるものも同程度存在することも判明した。
・このため、今後はこれら占用関係者等と協議調整を図り、修繕はもとより調査にかかる費用負担のあり方などについても検討し、その仕組みづくりに取り組みたい。
・また、主要な幹線道路をはじめ緊急輸送道路や観光道路等まで空洞調査の範囲を拡げ、修繕を実施することにより、安全・安心で円滑な道路交通の確保に努めていきたい。

 ここで留意しなければならないのは、東京ガスが、なかなか責任を認めたがらない体質であることです。また、道路の範囲は、国道、県道のみならず、市町村道まで広げるべきです。それには、市町村との緊密な情報交換と連携プレーが欠かせません。東京ガスの高圧ガス導管は、農道まで使って敷設されるからです。

 東京ガスには、ステークホルダーへの積極的な情報開示と、誠実な対応姿勢が求められていますが、さて、実際にはどうなることやら。

【ひらく会・東京ガス高圧導管敷設問題研究班】
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