市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

道路は地域住民のものではないのに、道普請を奨励する安中市土木課の見解の不整合

2009-11-03 21:56:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政

■毎年恒例の道普請に関して、市道沿線で、安中市の道路メンテナンスに不公平感があるため、10月5日付けで、安中市長あてに公開質問状を送っていたところ、先日、次の通り回答がありました。
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平成21年10月20日
安中市野殿980番地 小川 質 様
     安中市長 岡田 義弘
公開質問状の回答
 このたびは、地域の道路整備である道普請にご協力をいただきましたことに対して、深く感謝申し上げます。さて、平成21年10月5日付け質問状について、下記の通り回答させていただきます。
    記

1)の質問について【質問内容:道普請の対象となる市道は、道路法に基づく公共物であり、そもそも、道路法は「道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もって、交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを目的」とするものであって、周辺住民の個別的権利や利益を保護するものではなく、不特定多数者の利益を、それが帰属する個人の個別的利益として保護する趣旨でもありません。この観点からすると、道路管理者でもない我々周辺住民が、公共物である道路を草むしりや側溝掃除、不法投棄物清掃作業などを勝手に行うことのできる法的な根拠はないと考えられます。このことについて、貴殿の見解をご教示ください
 道普請は、一般的に昔から慣例により、地域の自主的活動の一環として各自治会等で実施していただいております。この道普請につきましては、行政だけでなく、地域の人たちが、自分たちでできることは、自分たちで行うという積極的な自主的活動であり、国や県も行政と地域住民の連携・協働による道路の緑化や清掃美化活動として高く評価しています。
 安中市においても、地区住民の方により地域周辺道路を自主的に整備していただいておりますことに、深く感謝をするとともに、道路管理費の節減だけではなく、地域のコミュニテイ活動の一環として安全で安心な町づくりに寄与することも期待しています。
 したがいまして、道路法の解釈として、通常行われる道普請に問題があるとは全く考えておりませんので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。


2)の質問について【質問内容:昨日の「道普請」のうち、ヒヤ坂から、北野殿地区内にいたる市道の路肩や法面で、道路管理者である安中市がきちんと整備してある箇所と、整備していない箇所がありました(別紙写真参照)。なぜ、貴殿は、切通しからヒヤ坂の途中の1069-1番地のあたりまではきちんと整備したにもかかわらず、それから上はなぜ整備しないのでしょうか。理由をご教示ください
 小川様の指摘する市が整備している箇所と、整備していない箇所についてですが、土木課で草刈り等の整備をする範囲については、交通安全上の理由で早急に整備が必要な箇所を優先しており、地元または隣接地権者により整備していただける箇所についてはのぞくことがあります。

3)の質問について【質問内容:1069-1番地の直ぐ上は、ゆるくカーブしており、草が路面にはみ出すと、下りの通行車両が、反対側車線にはみ出し、非常に危険です。今後とも、定期的な整備が必要とおもわれますが、いちいち、隣接地権者や周辺住民からの連絡や要請がないと整備しない方針ですか。あるいは、そうした連絡や要請があっても、この箇所は整備しない方針なのですか。貴殿の見解をご教示ください
 交通安全上危険であると思われる箇所につきましては、調査の上、整備範囲を決定させていただいております。従前どおり地元区長及地区住民の要望により、調査し対応をさせていただきたいと思います。
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■質問の1で、安中市に質問した内容は、かつてサイボウ環境㈱による廃棄物処分場への進入道路を、既存の市道の拡幅と、サイボウによる新設道路の寄附採納により、地元の住民の反対を無視して、安中市が強引に市道認定した際、住民訴訟の裁判で、地元住民に対して、安中市が主張した言葉です。

 どうやら安中市は、そのことを既に忘れてしまっている様子です。

 地元の生活道路を道普請という形で維持管理してきた歴史を無視し、廃棄物処分業者が処分場に廃棄物を持ち込むための進入道路の建設許可を優先し、地元住民が反対しても、道路は不特定多数の公共財産であるから、裁判で許可処分の取り消しを主張する資格は、生活道路として道普請をしている地元住民にはなく、道路管理者である安中市の意向のみが法的に有効である、などと、安中市は、答弁書や準備書面で主張していたのです。

■今回の公開質問状への回答を見ると、「道普請は積極的な自主的活動」「国や県も行政と地域住民の連携・協働による道路の緑化や清掃美化活動として高く評価」「住民による地域周辺道路の自主的整備に深く感謝」「道路管理費の節減だけではなく、地域のコミュニテイ活動の一環として安全で安心な町づくりに寄与することを期待」「道路法の解釈として、道普請に問題はない」という内容です。安中市役所のご都合主義には、ほとほとあきれてしまいます。

 また、市が整備している箇所と、整備していない箇所の不公平性について、安中市土木課の見解では、「交通安全上の理由で早急に整備が必要な箇所を優先」「地元または隣接地権者により整備してもらえる箇所は除外する場合がある」などとして、安中市の都合で、一方的に決めている様子がうかがえます。つまり、たとえば、市長にゴマをすれば、優先的にやってくれる可能性があるわけです。

■今回、当会が指摘した箇所は、交通安全上、かなりリスクのあると思われる個所ですが、安中市の回答によると、「調査の上、整備範囲を決定する」「従前どおり地元区長及地区住民の要望により、調査し対応する」ということで、今回の指摘により、来年度以降は、市で整備をすることが期待されます。

【ひらく会情報部】


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