■日本では既に正月休みも終わり、一昨日もしくは昨日から仕事始めとなっているところが多いのではないでしょうか。ところが、既報のように、ロシアでは元旦から休みに入り、1月7日がロシア正教のクリスマスにあたるため、現在は正月休暇の真っ最中と言ったところです。
↑今年の干支のウサギのサンタ。↑
クリスマスは宗教儀式のため、その当日に友達の間でプレゼントを交わすと都合が悪い為、ロシア人同士は通常、新年である1月1日にプレゼントの交換をします。
↑スーパーのケーキ売り場もこのように大量の品揃え。12月27日ウラジオストクにて。↑
ロシア社会は贈り物が習慣となっていて、誰かを訪ねるときは、必ず何か贈り物を持っていくのが慣わしになっています。それが、缶ジュースでも、一輪の花であっても、構いません。ささやかでいいのです。日本のように、高価な贈り物で見栄を張ることはないのです。
↑レーニン像の前で、正月用の飾り物を売る露店。↑
■さて、ウラジオストクの師走の街の風景は既にお伝え済みですが、クリスマスにはサンタクロースがつきものです。ロシアでもサンタクロースがいますが、欧米とはちょっと趣が異なります。
ロシアのサンタクロースはジェット・マロース(寒波じいさん、あるいは冬将軍という意味)と呼ばれていて、寒い冬の象徴となっています。その孫娘が、スニグラーチカ(雪娘)ですが、こちらは、お爺さんとは違って、人々に暖かいこころを授ける役割を担っており、バランスがとれています。
着ている衣装も、欧米でなじみの赤と白ではなくて、青い衣装がもともと基本でしたが、次第に、欧米風の赤と白が広まってきています。この背景に、ロシアに進出著しいコカコーラのシンボルである赤色の商標が起因しているという情報もあります。一方、ペプシコーラは青色で対抗しているようです。
↑最近のロシアのサンタの一例。ひざに乗っているのが孫娘のスニグラーチカかどうかは未確認です。↑
■ところで、ウラジオストクでは2012年APEC開催に向けて、道路や橋、上下水道などインフラ整備のための大規模公共事業が目白押しであることもこれまで報告してきていますが、この労働需要を満たすために、北朝鮮からたくさんの労働者が出稼ぎに来ています。
↑真っ黒なテープでぐるぐる巻きにされたダンボールなど、夥しい量の荷物が出発ロビー狭しと置かれている。↑
その労働者も、正月を母国で過ごすためか、12月30日のウラジオストク空港の国際線ターミナルでは、たくさんの北朝鮮人らでごったがえしていました。それぞれ5個くらいの荷物を持ってきており、ほとんど段ボールに入れて黒いテープでぐるぐる巻きにしてあり、空港の出発ロビーにある秤で、一人5個程度ずつ、荷物の重量を量っていました。
↑出発ロビーの出発便掲示板。成田行きXF8827便は14:30発だが、その後、航空会社のコード無しの怪しげな1749便が15:50発とあり、その次に、いつもの高麗航空JS272便16:50発に加えて、臨時便らしいJS372便19:30発がある。まだ5時間も8時間も先の出発なのに、出稼ぎ労働者の一団は既に荷物のチェックイン体制にあった。 ↑
それらの荷物がロビーの奥に山と積まれていて、しかも、次々に荷物をもった北朝鮮の労働者らがやってきて、通路をウロウロするので、ロシア人の空港関係者が、通路を荷物でふさがないようにくどくどと注意をしていました。
それでも、久しぶりの一時帰国と思われ、乏しい表情の中にも、嬉しさがにじみ出ている感じでした。
ウラジオストクからピョンヤン行きのフライトは毎週1度、木曜日の午後4時と決まっていますが、12月の30日の2010年平壌行き最終便で大勢里帰りするらしく、高麗航空では臨時便まで出して、対応していました。
しかし、コロナ・ホテル1階にあるカフェ・ピョンヤンの女性従業員は帰国せずに、外貨獲得のために年末年始も頑張るようです。店には、「謹賀新年」とロシア語で書かれた飾りが設えてありました。
↑年末まで営業中のカフェ・ピョンヤンの新年・クリスマス用の内装飾り付け。給仕役の女性従業員は、気が向くとカラオケで歌を歌ってくれる。プロ級の歌声と振り付けアクションに驚かされる。↑
いまごろ、故郷に大量の土産を持って帰れた労働者も、帰れなかったカフェの女性従業員も、それぞれ正月をささやかに祝っていることでしょう。それにしても、昨年の11月23日に、北朝鮮が黄海の南北境界水域に近い韓国の延坪島を砲撃したというのに、北朝鮮の労働者は、まったく何事もなかったかのように、黙々と荷物の重量チェックをしていました。よほど、目いっぱい人と荷物を積んで、ピョンヤンに帰国するのでしょう。あるいは、飛行機が古すぎて所定の性能が出ないので、ギリギリまで重量を量って、軽くしようとしている感じです。
↑ウラジオストク空港で新年を母国で過ごす出稼ぎ労働者らを運ぶ高麗航空のツボレフTu-134B-3型機。就航後半世紀近く経過している代物。↑
↑おそらく定期便は上記のツポレフTu134型機と思われるが、臨時便はもしかしたら、さらに古い形の、このプロペラ機かもしれない。写真は、11月25日にウラジオストク空港に駐機中の高麗航空のイリューシンIL18型機。↑
いずれにしても、これだけたくさんの北朝鮮の人に間近に接する機会というのは、そう沢山はないと思われます。北朝鮮にもクリスマスツリーが飾られて、サンタクロースがプレゼントを持ってやってくるのでしょうか。
【ひらく会情報部】
↑今年の干支のウサギのサンタ。↑
クリスマスは宗教儀式のため、その当日に友達の間でプレゼントを交わすと都合が悪い為、ロシア人同士は通常、新年である1月1日にプレゼントの交換をします。
↑スーパーのケーキ売り場もこのように大量の品揃え。12月27日ウラジオストクにて。↑
ロシア社会は贈り物が習慣となっていて、誰かを訪ねるときは、必ず何か贈り物を持っていくのが慣わしになっています。それが、缶ジュースでも、一輪の花であっても、構いません。ささやかでいいのです。日本のように、高価な贈り物で見栄を張ることはないのです。
↑レーニン像の前で、正月用の飾り物を売る露店。↑
■さて、ウラジオストクの師走の街の風景は既にお伝え済みですが、クリスマスにはサンタクロースがつきものです。ロシアでもサンタクロースがいますが、欧米とはちょっと趣が異なります。
ロシアのサンタクロースはジェット・マロース(寒波じいさん、あるいは冬将軍という意味)と呼ばれていて、寒い冬の象徴となっています。その孫娘が、スニグラーチカ(雪娘)ですが、こちらは、お爺さんとは違って、人々に暖かいこころを授ける役割を担っており、バランスがとれています。
着ている衣装も、欧米でなじみの赤と白ではなくて、青い衣装がもともと基本でしたが、次第に、欧米風の赤と白が広まってきています。この背景に、ロシアに進出著しいコカコーラのシンボルである赤色の商標が起因しているという情報もあります。一方、ペプシコーラは青色で対抗しているようです。
↑最近のロシアのサンタの一例。ひざに乗っているのが孫娘のスニグラーチカかどうかは未確認です。↑
■ところで、ウラジオストクでは2012年APEC開催に向けて、道路や橋、上下水道などインフラ整備のための大規模公共事業が目白押しであることもこれまで報告してきていますが、この労働需要を満たすために、北朝鮮からたくさんの労働者が出稼ぎに来ています。
↑真っ黒なテープでぐるぐる巻きにされたダンボールなど、夥しい量の荷物が出発ロビー狭しと置かれている。↑
その労働者も、正月を母国で過ごすためか、12月30日のウラジオストク空港の国際線ターミナルでは、たくさんの北朝鮮人らでごったがえしていました。それぞれ5個くらいの荷物を持ってきており、ほとんど段ボールに入れて黒いテープでぐるぐる巻きにしてあり、空港の出発ロビーにある秤で、一人5個程度ずつ、荷物の重量を量っていました。
↑出発ロビーの出発便掲示板。成田行きXF8827便は14:30発だが、その後、航空会社のコード無しの怪しげな1749便が15:50発とあり、その次に、いつもの高麗航空JS272便16:50発に加えて、臨時便らしいJS372便19:30発がある。まだ5時間も8時間も先の出発なのに、出稼ぎ労働者の一団は既に荷物のチェックイン体制にあった。 ↑
それらの荷物がロビーの奥に山と積まれていて、しかも、次々に荷物をもった北朝鮮の労働者らがやってきて、通路をウロウロするので、ロシア人の空港関係者が、通路を荷物でふさがないようにくどくどと注意をしていました。
それでも、久しぶりの一時帰国と思われ、乏しい表情の中にも、嬉しさがにじみ出ている感じでした。
ウラジオストクからピョンヤン行きのフライトは毎週1度、木曜日の午後4時と決まっていますが、12月の30日の2010年平壌行き最終便で大勢里帰りするらしく、高麗航空では臨時便まで出して、対応していました。
しかし、コロナ・ホテル1階にあるカフェ・ピョンヤンの女性従業員は帰国せずに、外貨獲得のために年末年始も頑張るようです。店には、「謹賀新年」とロシア語で書かれた飾りが設えてありました。
↑年末まで営業中のカフェ・ピョンヤンの新年・クリスマス用の内装飾り付け。給仕役の女性従業員は、気が向くとカラオケで歌を歌ってくれる。プロ級の歌声と振り付けアクションに驚かされる。↑
いまごろ、故郷に大量の土産を持って帰れた労働者も、帰れなかったカフェの女性従業員も、それぞれ正月をささやかに祝っていることでしょう。それにしても、昨年の11月23日に、北朝鮮が黄海の南北境界水域に近い韓国の延坪島を砲撃したというのに、北朝鮮の労働者は、まったく何事もなかったかのように、黙々と荷物の重量チェックをしていました。よほど、目いっぱい人と荷物を積んで、ピョンヤンに帰国するのでしょう。あるいは、飛行機が古すぎて所定の性能が出ないので、ギリギリまで重量を量って、軽くしようとしている感じです。
↑ウラジオストク空港で新年を母国で過ごす出稼ぎ労働者らを運ぶ高麗航空のツボレフTu-134B-3型機。就航後半世紀近く経過している代物。↑
↑おそらく定期便は上記のツポレフTu134型機と思われるが、臨時便はもしかしたら、さらに古い形の、このプロペラ機かもしれない。写真は、11月25日にウラジオストク空港に駐機中の高麗航空のイリューシンIL18型機。↑
いずれにしても、これだけたくさんの北朝鮮の人に間近に接する機会というのは、そう沢山はないと思われます。北朝鮮にもクリスマスツリーが飾られて、サンタクロースがプレゼントを持ってやってくるのでしょうか。
【ひらく会情報部】