■安中市の岡田市長が地方議員年金制度の廃止に伴って増えた公費負担の支払いを拒否している問題で、市議会議員共済会(事務局・東京)は先月2月21日に、安中市を相手取り、2011年6月1日施行の改正地方公務員等共済組合法に違反するとして、平成23年(2011年)度の負担金約1億円の支払いを求めて東京地裁に提訴していましたが、市議会議員共済会が、3月27日に東京地裁に取下書を提出したと報じられました。
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安中市の議員年金訴訟を取り下げ 市議会議員共済会
地方議員年金制度の廃止に伴い、安中市が大幅に増額された公費負担の納付を一時拒否し、年金運営をしている市議会議員共済会(東京)から、未納金約1億円の支払いを求める民事訴訟を起こされていた問題で、市議会議員共済会は3月27日、東京地裁に提訴していた訴訟を取り下げる手続を行った。3月22日の市議会本会議で、負担金を議会費として盛り込み議員提出の修正案が賛成多数で可決されたことを受けた措置。
一方、岡田義弘市長は「議会が独自に予算を増額修正できる指導を市議会に対して行わず、しかも市長が議決された予算の執行を拒否していない段階で、提訴したのは乱暴だった」と指摘。共済会側の提訴で市の名誉が傷つけられたなどとして、法的手段を検討する方針を示している。
(2012年3月28日上毛新聞社会面P22)
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■岡田市長が支払いを拒否していた議員年金問題が最終章を迎えています。岡田市長に対して、面と向かって文句の言えない我らが住民代表の市議会議員のお歴々のため、結局、市議会議員共済会におんぶに抱っこしてもらって、あろうことか市議会議員共済会に、議員年金の掛け金未払い問題を提訴してもらう事態となってしまいました。
しかも、最後の最後に、市議会の3月定例会で、3月12日に開かれた総務常任委員会で平成23年度補正予算審議の途中で、議会側から「議員年金納付金を支払うための修正案」が提出され、全会一致で可決されたことを踏まえて、3月22日の本会議で、平成23年度一般会計補正予算案に地方議員年金制度廃止に伴う市負担増分8576万円を増額するなどの修正案が賛成多数で可決されました。
安中市の岡田市長は同日、修正案の可決を受け、同年金を運営する市議会議員共済会(事務局・東京)に平成23年度の未払い分約1億円の振り込み手続をしたと述べました。
■安中市長と安中市議会の間の茶番劇が、これほど日本全国の注目を浴びるとは当会も想像していませんでしたが、最終的に市議会議員共済会が取下手続をしたことで、裁判おたくの岡田市長の負けん気に一気に火がつきました。
当会もかつて、タゴ51億円事件で、単独犯とされたタゴを含めて、他にも、安中市土地開発公社の歴代の理事長、副理事長、理事、監事及び事務局長ら、事件関係者20数名を提訴したことがありますが、土地開発公社は別法人だとする最高裁の判例が足かせとなるということで、訴訟代理人の弁護士から和解を勧められて、取下げに応じたことがあります。
ところが、被告のうち、ただ一人、同公社の理事・監事の経験を持つ岡田市長(当時へ県議)だけが和解に応じず、訴訟を継続し、裁判所の事務官も知らないうちに、裁判長が独断で、勝手に、当会敗訴の判決を出したことがあります。
その後、当会は高裁に控訴し、棄却された為、最高裁に上告しましたが、結局、公社は別法人だという理屈で、棄却されましたが、岡田市長はこのことを今でも得意げに吹聴しており、相手方が取下げ手続をした場合、傘にかかって、取下げに応じず、勝訴を得ようと訴訟を継続するのが常套手段となっています。
■今回、2月21日に市議会議員共済会が東京地裁に提訴しており、取下げたのが3月27日ですから、1ヶ月以上の時間が経過したことになります。
民事訴訟法第261条第2項は「2 訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。(以下略)」と定めています。
また、民事訴訟規則第162条には「訴えの取下げの書面の送達は、取下げをした者から提出された副本によってする。2 訴えの取下げがあった場合において、相手方の同意を要しないときは、裁判所書記官は、訴えの取下げがあった旨を相手方に通知しなければならない。」と定めています。
■訴えの取下げの意義とは、訴訟を提起した後に裁判所に対して訴えの全部もしくは一部を撤回する旨の意思表示をすることで、訴えを取り下げることにより訴訟は終了することになります。
この場合、訴えの取下げの効果としては、民事訴訟法262条によれば、「①取下げにより訴訟は終了し、はじめから訴訟が継続しなかったものとみなされる」「②終局判決があった後に訴えを取り下げた者は同一の訴えを提起することができなくなる」と定めています。また、訴訟提起による時効中断の効果も消滅します。
取下げの方法として、民事訴訟法第261条第3項により、書面でしなければなりませんが、口頭弁論等の期日においては口頭ですることができます。この場合は、調書に記載されます。
原告が訴えを取り上げても、相手方(被告)の同意が必要な場合があります。訴えを取り下げた時点で、被告が既に応訴した場合は、被告にも判決を得る利益が生じているために、原告の一方的な意思だけで訴訟手続きが終了するのは、被告にとって不利益となるためです。この場合に同意を必要とするのは民事訴訟法第261条第2項により、次の場合が定められています。
①被告が準備書面を提出した
②被告が弁論準備手続きでの申述をした
③口頭弁論をした後
また、同法第261条第5項によると、相手方が訴え取下げの送達を受けてから2週間以内に異議を述べないと取下げに同意したものとみなされます。
■こうした法律上の規定から、原告の市議会議員共済会が訴えを取下げたことで、傘にかかって、逆提訴しようといきまいている被告の岡田市長にとって、その望みを実現するには既に、顧問弁護士の渡辺明男氏と相談して、準備書面を提出したかどうかにかかっています。
岡田市長としては、冒頭の上毛新聞記事にあるとおり、「議会が独自に予算を増額修正できる指導を市議会に対して行わず、しかも市長が議決された予算の執行を拒否していない段階で、提訴したのは乱暴だった」として、「共済会側の提訴で市の名誉が傷つけられたことから、法的手段を検討したい」という方針発言が本当であれば、既に答弁書を提出している可能性があります。なぜなら、答弁書は準備書面に他ならないからです。
ただし、原告(=市議会議員共済会)の訴状に対する被告(=安中市長)の最初の準備書面である答弁書で、被告の岡田市長が、本案(原告の請求の当否、すなわち原告の請求を認容すべきか、あるいは棄却すべきか)について、「原告の請求棄却判決を求めるのではなく、訴訟要件が欠けることを理由に訴えの却下判決を求めるものである」という場合は、本案についての準備書面ではないため、被告の岡田市長の訴訟継続の同意は必要ない、とされてしまいます。
■先日、フリマ中止問題をめぐる安中市広報を媒体としたデタラメの情報流布で名誉毀損による損害賠償請求訴訟で、最高裁から棄却通知をもらったばかりの岡田市長としては、今回、訴えを取下げてきた原告の市議会議員共済会を相手取り、鬱憤を晴らすためのリベンジのお膳立てとして絶好の機会だと思ったことでしょう。
しかし、民事訴訟法の裏付けもなく、単に、思いつきで「共済会側の提訴で市の名誉が傷つけられたことから、法的手段を検討したい」などと発言したとなると、これまた、問題です。
■当会としては、岡田市長が緻密な計算により、議員年金の意味を問う為に本気で訴訟継続を行い、たとえ敗訴したとしても、原告の市議会議員共済会に対して、議員年金廃止を隠れ蓑にお手盛り一時金を手厚く増額する愚を明らかにしたり、昨年6月から今年2月までの延滞利息(一説によると約250万円とか)の支払いを拒んだり、なぜ原告が説明責任を果たさない市議会に対して全くアドバイスをしないのか、その理不尽さを明らかにしたりするのであれば、30万円をかけて顧問弁護士を代理人に立てて、訴訟を継続することには反対しません。
この問題については、市区長会の代表や市議会議員OB会の役員らが「裁判を避けて法で決まったものは納付するように」と再三、岡田市長に要請が行われました。
もし、岡田義弘市長が、持論の情報公開と説明責任を果たし、当初の方針からブレずに、なんとしても議員年金問題の不条理を徹底的に法定で明らかにするという、強い意思が本当にあるとするならば、当会は、市議会議員共済会から売られたケンカを岡田市長は買うはずだと考えています。
■タゴ51億円事件で旨い汁を吸った挙句、特権的な議員年金をもらっている退職市議が何人か存在することは紛れもない事実です。現実に、市内で議員年金を受給している市議退職者は70人もいます。
彼らに毎年1億円近い金額を支払うことになると、一人平均130万円近くも血税が注がれることになります。年金は老後の暮らしに最低限の金額があれば十分なはずです。議員は他の年金にも加入できるのですから、その上さらに議員年金を受け取れる特権を持つ必要は有りません。全部、震災で被災した方々への義捐資金や震災復興の為の予算の足しにすべく、全額寄付させるべきです。
【ひらく会情報部】
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安中市の議員年金訴訟を取り下げ 市議会議員共済会
地方議員年金制度の廃止に伴い、安中市が大幅に増額された公費負担の納付を一時拒否し、年金運営をしている市議会議員共済会(東京)から、未納金約1億円の支払いを求める民事訴訟を起こされていた問題で、市議会議員共済会は3月27日、東京地裁に提訴していた訴訟を取り下げる手続を行った。3月22日の市議会本会議で、負担金を議会費として盛り込み議員提出の修正案が賛成多数で可決されたことを受けた措置。
一方、岡田義弘市長は「議会が独自に予算を増額修正できる指導を市議会に対して行わず、しかも市長が議決された予算の執行を拒否していない段階で、提訴したのは乱暴だった」と指摘。共済会側の提訴で市の名誉が傷つけられたなどとして、法的手段を検討する方針を示している。
(2012年3月28日上毛新聞社会面P22)
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■岡田市長が支払いを拒否していた議員年金問題が最終章を迎えています。岡田市長に対して、面と向かって文句の言えない我らが住民代表の市議会議員のお歴々のため、結局、市議会議員共済会におんぶに抱っこしてもらって、あろうことか市議会議員共済会に、議員年金の掛け金未払い問題を提訴してもらう事態となってしまいました。
しかも、最後の最後に、市議会の3月定例会で、3月12日に開かれた総務常任委員会で平成23年度補正予算審議の途中で、議会側から「議員年金納付金を支払うための修正案」が提出され、全会一致で可決されたことを踏まえて、3月22日の本会議で、平成23年度一般会計補正予算案に地方議員年金制度廃止に伴う市負担増分8576万円を増額するなどの修正案が賛成多数で可決されました。
安中市の岡田市長は同日、修正案の可決を受け、同年金を運営する市議会議員共済会(事務局・東京)に平成23年度の未払い分約1億円の振り込み手続をしたと述べました。
■安中市長と安中市議会の間の茶番劇が、これほど日本全国の注目を浴びるとは当会も想像していませんでしたが、最終的に市議会議員共済会が取下手続をしたことで、裁判おたくの岡田市長の負けん気に一気に火がつきました。
当会もかつて、タゴ51億円事件で、単独犯とされたタゴを含めて、他にも、安中市土地開発公社の歴代の理事長、副理事長、理事、監事及び事務局長ら、事件関係者20数名を提訴したことがありますが、土地開発公社は別法人だとする最高裁の判例が足かせとなるということで、訴訟代理人の弁護士から和解を勧められて、取下げに応じたことがあります。
ところが、被告のうち、ただ一人、同公社の理事・監事の経験を持つ岡田市長(当時へ県議)だけが和解に応じず、訴訟を継続し、裁判所の事務官も知らないうちに、裁判長が独断で、勝手に、当会敗訴の判決を出したことがあります。
その後、当会は高裁に控訴し、棄却された為、最高裁に上告しましたが、結局、公社は別法人だという理屈で、棄却されましたが、岡田市長はこのことを今でも得意げに吹聴しており、相手方が取下げ手続をした場合、傘にかかって、取下げに応じず、勝訴を得ようと訴訟を継続するのが常套手段となっています。
■今回、2月21日に市議会議員共済会が東京地裁に提訴しており、取下げたのが3月27日ですから、1ヶ月以上の時間が経過したことになります。
民事訴訟法第261条第2項は「2 訴えの取下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。(以下略)」と定めています。
また、民事訴訟規則第162条には「訴えの取下げの書面の送達は、取下げをした者から提出された副本によってする。2 訴えの取下げがあった場合において、相手方の同意を要しないときは、裁判所書記官は、訴えの取下げがあった旨を相手方に通知しなければならない。」と定めています。
■訴えの取下げの意義とは、訴訟を提起した後に裁判所に対して訴えの全部もしくは一部を撤回する旨の意思表示をすることで、訴えを取り下げることにより訴訟は終了することになります。
この場合、訴えの取下げの効果としては、民事訴訟法262条によれば、「①取下げにより訴訟は終了し、はじめから訴訟が継続しなかったものとみなされる」「②終局判決があった後に訴えを取り下げた者は同一の訴えを提起することができなくなる」と定めています。また、訴訟提起による時効中断の効果も消滅します。
取下げの方法として、民事訴訟法第261条第3項により、書面でしなければなりませんが、口頭弁論等の期日においては口頭ですることができます。この場合は、調書に記載されます。
原告が訴えを取り上げても、相手方(被告)の同意が必要な場合があります。訴えを取り下げた時点で、被告が既に応訴した場合は、被告にも判決を得る利益が生じているために、原告の一方的な意思だけで訴訟手続きが終了するのは、被告にとって不利益となるためです。この場合に同意を必要とするのは民事訴訟法第261条第2項により、次の場合が定められています。
①被告が準備書面を提出した
②被告が弁論準備手続きでの申述をした
③口頭弁論をした後
また、同法第261条第5項によると、相手方が訴え取下げの送達を受けてから2週間以内に異議を述べないと取下げに同意したものとみなされます。
■こうした法律上の規定から、原告の市議会議員共済会が訴えを取下げたことで、傘にかかって、逆提訴しようといきまいている被告の岡田市長にとって、その望みを実現するには既に、顧問弁護士の渡辺明男氏と相談して、準備書面を提出したかどうかにかかっています。
岡田市長としては、冒頭の上毛新聞記事にあるとおり、「議会が独自に予算を増額修正できる指導を市議会に対して行わず、しかも市長が議決された予算の執行を拒否していない段階で、提訴したのは乱暴だった」として、「共済会側の提訴で市の名誉が傷つけられたことから、法的手段を検討したい」という方針発言が本当であれば、既に答弁書を提出している可能性があります。なぜなら、答弁書は準備書面に他ならないからです。
ただし、原告(=市議会議員共済会)の訴状に対する被告(=安中市長)の最初の準備書面である答弁書で、被告の岡田市長が、本案(原告の請求の当否、すなわち原告の請求を認容すべきか、あるいは棄却すべきか)について、「原告の請求棄却判決を求めるのではなく、訴訟要件が欠けることを理由に訴えの却下判決を求めるものである」という場合は、本案についての準備書面ではないため、被告の岡田市長の訴訟継続の同意は必要ない、とされてしまいます。
■先日、フリマ中止問題をめぐる安中市広報を媒体としたデタラメの情報流布で名誉毀損による損害賠償請求訴訟で、最高裁から棄却通知をもらったばかりの岡田市長としては、今回、訴えを取下げてきた原告の市議会議員共済会を相手取り、鬱憤を晴らすためのリベンジのお膳立てとして絶好の機会だと思ったことでしょう。
しかし、民事訴訟法の裏付けもなく、単に、思いつきで「共済会側の提訴で市の名誉が傷つけられたことから、法的手段を検討したい」などと発言したとなると、これまた、問題です。
■当会としては、岡田市長が緻密な計算により、議員年金の意味を問う為に本気で訴訟継続を行い、たとえ敗訴したとしても、原告の市議会議員共済会に対して、議員年金廃止を隠れ蓑にお手盛り一時金を手厚く増額する愚を明らかにしたり、昨年6月から今年2月までの延滞利息(一説によると約250万円とか)の支払いを拒んだり、なぜ原告が説明責任を果たさない市議会に対して全くアドバイスをしないのか、その理不尽さを明らかにしたりするのであれば、30万円をかけて顧問弁護士を代理人に立てて、訴訟を継続することには反対しません。
この問題については、市区長会の代表や市議会議員OB会の役員らが「裁判を避けて法で決まったものは納付するように」と再三、岡田市長に要請が行われました。
もし、岡田義弘市長が、持論の情報公開と説明責任を果たし、当初の方針からブレずに、なんとしても議員年金問題の不条理を徹底的に法定で明らかにするという、強い意思が本当にあるとするならば、当会は、市議会議員共済会から売られたケンカを岡田市長は買うはずだと考えています。
■タゴ51億円事件で旨い汁を吸った挙句、特権的な議員年金をもらっている退職市議が何人か存在することは紛れもない事実です。現実に、市内で議員年金を受給している市議退職者は70人もいます。
彼らに毎年1億円近い金額を支払うことになると、一人平均130万円近くも血税が注がれることになります。年金は老後の暮らしに最低限の金額があれば十分なはずです。議員は他の年金にも加入できるのですから、その上さらに議員年金を受け取れる特権を持つ必要は有りません。全部、震災で被災した方々への義捐資金や震災復興の為の予算の足しにすべく、全額寄付させるべきです。
【ひらく会情報部】