■太田市の清水聖義市長が書いた4月の市長選の当選御礼挨拶文を表紙コラムに掲載し、公選法違反が問われたため、既に8万3500部を印刷して新聞折り込みまで済んでいたものを急遽回収した件で、清水市長は同5月21日に記者会見で「広報紙の廃棄に伴う損失額について『当然、その経費は私が負うつもりだ』と話し、給与を減額して穴埋めする考えを示した。」(上毛新聞)と報じられました。市民オンブズマン群馬では、この広報刷り直しについて、当初は秘書室や広報課を管轄する担当部長の判断で、今年度の広報制作発行に係る予算内でやりくりすると発表していたのに、5月21日の記者会見では一転して自己負担を表明したことから、5月21日の記者会見の正確な発表内容を確認すべく、平成25年6月10日付で同市在住のオンブズマン会員を通じて公文書開示請求をしていました。
ところが、6月13日になって太田市広報課からオンブズマンに電話で「記者会見では文書で発表していない。いろいろな内容の中で、この広報の問題について、自己責任なので返済することにしたと市長が発言したものだ」と言ってきました。
文書がないのであれば不存在通知をくれればよさそうなものですが、太田市の広報課から突然6月18日付で、補正通知が送られてきました。その内容は次のとおりです。
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平成25年6月10日付で提出されました公文書開示請求書について、補正を通知します。
記
1 補正事項
開示の請求に係る公文書の名称又は内容が特定できないため、請求の目的にある「マスコミ発表の確認」について詳細資料を提出してください。
例:○○新聞 ○月○日号 ○○ページ
記事の表題:○○○○○○
記事の文言:本文中○段○○行目 「○○○○○○(具体的な記載の文章)
※複数ある場合は、その全てを記載してください。
2 連絡事項
補正の期間は、この通知の到着日から起算して15日以内とします。
担当:企画部広報課
TEL0276-47-1812(直通)
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■市民オンブズマン群馬が平成25年6月10日付で、太田市長宛に提出していた公文書開示請求書では、次の情報について記載されていました。
<開示の請求に係る公文書の名称又は内容>
広報おおた5月号表紙コラムに太田市長が本年4月14日投開票の市長選の当選御礼挨拶について執筆した印刷物が公選法等の観点から全て廃棄され、修正版を刷りなおした件に関する次の情報。
(1) 太田市長が平成25年5月21日(火)に記者会見をした際、マスコミに発表した発言内容、関連文書、資料等一式。
(2) 本来の広報印刷・配送等にかかる業者との契約の経緯と条件が分かるもの(入札調書、契約書を含む)。
(3) 今回の擦りなおしに係る業者への発注に関する経緯と発注条件がわかるもの。
<請求の目的>
マスコミ発表内容の確認(オンブズマン活動目的)
■なんと開示の請求に係る公文書の名称又は内容が特定できないという理由で、請求目的である「マスコミ発表内容の確認」について、詳細資料を提出しろ、というのです。
オンブズマンの5月21日付公開質問に対して広報課は、5月30日付で「5月21日の記者会見で発表したとおりです」と回答してきたため、この記者会見の内容を確認しようとしたのですが、太田市では開示を先送りするために、このような時間稼ぎ目的の嫌がらせの補正通知を出してきたものとみられます。あるいは記者会見の内容について詳細を公表したくないため、こうした作戦に出て来たのかもしれません。
このため、この機会に、今回の広報私物化事件に関する一連の太田市の対応とマスコミの報道との整合性を補正書をきちっと提出することで確認しておきたいと思います。
【市民オンブズマン群馬からの報告】