■平成18年7月7日に㈱環境資源が群馬県廃棄物リサイクル課で手続申請を行っていた関東でも有数の大規模な管理型一般廃棄物・産業廃棄物最終処分場(場所:安中市大谷字新山1259-2ほか)ですが、7年が経過した平成25年8月19日に、群馬県の大規模土地開発事業の規制等に関する条例に基づく事前協議と、群馬県廃棄物処理施設の事前協議等に関する規程に基づく事前協議を同時に終了し、知事から業者に通知されました。これで、いよいよ安中市の岩野谷地区がサンパイ銀座化の脅威にさらされることが確定したのです。
↑8月19日事前協議が終了した㈱環境資源のサンパイ場だが、群馬県のHPには未だに事前協議書の閲覧中とある。↑
この大規模なサンパイ処分場計画は、一般廃棄物として焼却残さ、不燃性廃棄物、産業廃棄物として燃え殻、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、ゴムくず、金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず、鉱さい、ばいじん、がれき類、動植物性残さ、13号廃棄物が埋め込まれる予定ですが、計画地が岩野谷地区を流れる岩井川の上流の灌漑用の溜池の直ぐ脇に設置されると言う、およそ常識では考えられない計画であることから、地元住民らは、設置反対の運動が粘り強く展開してきています
本来であれば、このような灌漑用溜池の直ぐ脇に数ヘクタールものサンパイ場など作れるはずはありませんが、群馬県の環境行政は、サンパイ業者にOBを天下りさせており、双方の癒着は、この地区で最初に実現したサイボウ環境㈱による管理型一般廃棄物処分場の手続で、遺憾なく発揮されました。その時に暗躍した群馬県の元幹部が、今回の㈱環境資源のサンパイ処分場計画にも、深く関与しています。
■さて、㈱環境資源の、この大規模サンパイ処分場計画は、8月19日に事前協議を終了しましたが、現時点でまだ、群馬県の廃棄物・リサイクル課のホームページには、事前協議書が縦覧中とあります。http://www.gunma-sanpai.jp/gp04/002.htm参照。
このサンパイ処分場計画は、通常の廃棄物処理施設に関する規程による事前協議が今年初めまでに殆ど終了していましたが、3ヘクタール以上の開発面積を有するため、群馬県の大規模開発条例に基づく手続きも必要とされており、そちらの手続の最後の段階として、第1回目の大規模審議会が平成25年6月27日に開催されました。
本来、審議会に諮るということは、当該事務事業の担当職員らがいろいろな関連規則をもとに審査をして、これで基準をクリアしているから問題ないということの確証をもって、専門家の有識者で構成する審議会に審判を仰ぐということです。従って、一発で通らなければ、担当職員らの判断に疑問符が付けられることになるです。
ところが、㈱環境資源のこのサンパイ処分場計画は、1回目の大規模審議会を通過できませんでした。本来なら、初めから計画の見直しを行うべきところですが、驚くべきことに、第2回目の大規模審査会が平成25年7月19日(金)午後2時から県庁で開催され、今度は通過してしまったのでした。
事務事業の担当職員らもいい加減ですが、大規模審議会のメンバーの専門家と称する有識者もデタラメな人物ぞろいと言えます。もっとも、そういう人物でないと、審議会のメンバーに選ばれないわけですが…。
■こうして、大規模審議会は、平成25年8月9日に群馬県知事に対して「大規模土地開発事業計画の協議について」と題する答申書を提出し、それに基づいて群馬県知事は、㈱環境資源に対して、平成25年8月19日付で「大規模土地開発事業計画に係る意見について」と題する通知を出しました。これに合わせて、既に実質的な手続を終えていた群馬県廃棄物処理施設の事前協議等に関する規程に基づく事前協議の終了通知も同日、㈱環境資源に出されて、事前協議が全て終了してしまったのでした。
この知らせを待ちに待っていたのは、他でもない安中市の岡田市長です。
岡田市長は、「これまで庁議で、この環境資源の大規模サンパイ処分場計画には反対を主張してきたので、市としては一貫して反対の立場をはっきりと打ち出している。群馬県知事対しても反対の意見書を出している」と住民に対して胸を張ってきました。
しかし、それは大ウソでした。
■この大規模サンパイ処分場は、前述のとおり、岩野谷地区を流れる岩井川の源流地帯にあり、すぐそばに岩井川沿いの水田灌漑用に溜池が位置しています。
源流地帯に、大規模な管理型のサンパイ処分場を作るわけですから、ゴミに嵩んだ雨水には有害な重金属やダイオキシンなどの化学物質がいろいろ含まれます。これらは、地下に浸透しないように、処分場の底に敷かれた遮水シートで集められ、それを汲みあげて排水処理施設で処理をしてから下流に流します。
しかし、いくら排水処理をしたとしても、住民が主食とする稲を作付けしている水田の灌漑用溜池に処理水を注ぎ込むことはできません。
また、溜池の水はその源流地帯に降り注いだ雨水が流れ込んだものですから、源流地帯に遮水シートで大規模なゴミ処分場が作られれば、そこに降った雨は、溜池に流れ込まなくなるため、溜池の水の確保にも重大な問題が生じます。
■しかし、こうした常識を覆す企みが、群馬県と安中市の環境行政では、簡単に実行されるのです。
サイボウ環境の管理型一般廃棄物最終処分場設置計画のときにも、下流の水田耕作者が水利権を主張して、処理された排水が灌漑用の谷川に流されることに反対をしました。すると、群馬県と安中市は、サイボウ環境の計画を後押しするために、尾根の反対側にある官地の下に、直径20センチ程度のパイプラインをサイボウ環境に敷設することを認めたのでした。
これは、当初の事前協議で許可された計画から大幅に変更されることを意味しましたが、群馬県は「軽微な変更だ」として、そのままあっさりと変更を認めてしまったのでした。
■これと同じことが、今回の環境資源のサンパイ処分場計画でも行われようとしています。
当会の平成25年7月19日のブログ記事
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1081.html#readmore
にも示しましたが、このサンパイ処分場計画の今後の事業開始までに必要な手続は次のとおりです。
**********
大規模事前協議(終了)・廃棄物事前協議(終了)
↓
●森林法の林地開発許可(県)
●廃棄物処理施設設置許可(県)
●廃棄物処理業の許可(県)
●安中市道占用許可(安中市)
●農地法の転用許可(安中市農業委員会)
●安中市道の払下・付替(安中市)
●新山ため池管理者との接続協議(安中市)
↓
工事着工・事業開始
**********
■環境資源のサンパイ処分場から処理水を下流に流すためには、その水を導くための水路なりパイプラインが必要になります。これが確保されない限り、このサンパイ処分場は実現しません。
そのため、現在、市道が溜池の堰堤の脇を通って、サンパイ処分場予定地まで伸びていますが、ここにサイボウ環境の時と同様に、処理水の排水路として、暗渠のためのボックスカルバート構造なり、パイプラインを設置する必要があります。
この設置には、一旦市道を廃止し、官地にして、そうした排水施設が作れるようなお膳立てが必要になります。
この件では、岡田市環境資源の幹部らと、随分前から協議をしているはずです。にもかかわらず、「本件は庁議で反対を決議しているから、安中市としては反対の立場だ」などと二枚舌を使っています。
■昔から廃棄物処理業界との関係を重視してきた岡田市長としては、平成25年8月19日の事前協議の終了は待ちに待った朗報だったことでしょう。
さっそく、現在開会中の安中市議会の9月定例会で、突然、追加議案として、この溜池堰堤を通り、サンパイ処分場予定地に伸びる市道路線の廃止について、提案してきたのです。
群馬県の事前協議が終了して、いよいよ、岡田市長の本領が発揮されるステージが到来したのです。あれほど、「群馬県知事に対して、この問題について公開質問状を出している。安中市のホームページにも掲載してある」と力説していた岡田市長ですが、実際には、業者とちゃっかり処理水の排水施設の設置についてどうしたら便宜供与が図れるかを相談していたのでした。
http://www.city.annaka.gunma.jp/aisatsu/koukaisitumonjo.pdf
■こうして、安中市岩野谷地区には、平成19年4月に稼働を開始したサイボウ環境の一般廃棄物処分場に引き続き、さらに大規模な一般・産業廃棄物最終処分場設置計画が大きく前進してしまいました。この他にも、大和建設の中間処理施設や東邦亜鉛の安定型サンパイ場が稼働しており、さらに直ぐ近くにある富岡市の桑原地区ではアスベストの中間処理施設が事前協議中です。
↑戸田建設・西松建設のJVによるアスベスト中間処理施設設置計画の事前協議も粛々と手続きが進行中。↑
ゴミ処分場は一か所でも造られるとその周辺に次々と作られてしまい、サンパイ銀座化してしまいます。安中市岩野谷地区は、懸念されてきた最悪の事態に向かって、突き進んでいると言えるでしょう。その背景にあるのは、幹部職員OBがサンパイ業界に天下る群馬県の環境行政の体質であり、ゴミ利権に敏感な安中市の環境行政の本質であり、それをリードする安中市長の、平気で住民に対して二枚舌を駆使する本性です。
引き続き、この問題については、掘り下げていきたいと思います。
【ひらく会情報部】
↑8月19日事前協議が終了した㈱環境資源のサンパイ場だが、群馬県のHPには未だに事前協議書の閲覧中とある。↑
この大規模なサンパイ処分場計画は、一般廃棄物として焼却残さ、不燃性廃棄物、産業廃棄物として燃え殻、汚泥、廃プラスチック類、紙くず、木くず、ゴムくず、金属くず、ガラスくず及び陶磁器くず、鉱さい、ばいじん、がれき類、動植物性残さ、13号廃棄物が埋め込まれる予定ですが、計画地が岩野谷地区を流れる岩井川の上流の灌漑用の溜池の直ぐ脇に設置されると言う、およそ常識では考えられない計画であることから、地元住民らは、設置反対の運動が粘り強く展開してきています
本来であれば、このような灌漑用溜池の直ぐ脇に数ヘクタールものサンパイ場など作れるはずはありませんが、群馬県の環境行政は、サンパイ業者にOBを天下りさせており、双方の癒着は、この地区で最初に実現したサイボウ環境㈱による管理型一般廃棄物処分場の手続で、遺憾なく発揮されました。その時に暗躍した群馬県の元幹部が、今回の㈱環境資源のサンパイ処分場計画にも、深く関与しています。
■さて、㈱環境資源の、この大規模サンパイ処分場計画は、8月19日に事前協議を終了しましたが、現時点でまだ、群馬県の廃棄物・リサイクル課のホームページには、事前協議書が縦覧中とあります。http://www.gunma-sanpai.jp/gp04/002.htm参照。
このサンパイ処分場計画は、通常の廃棄物処理施設に関する規程による事前協議が今年初めまでに殆ど終了していましたが、3ヘクタール以上の開発面積を有するため、群馬県の大規模開発条例に基づく手続きも必要とされており、そちらの手続の最後の段階として、第1回目の大規模審議会が平成25年6月27日に開催されました。
本来、審議会に諮るということは、当該事務事業の担当職員らがいろいろな関連規則をもとに審査をして、これで基準をクリアしているから問題ないということの確証をもって、専門家の有識者で構成する審議会に審判を仰ぐということです。従って、一発で通らなければ、担当職員らの判断に疑問符が付けられることになるです。
ところが、㈱環境資源のこのサンパイ処分場計画は、1回目の大規模審議会を通過できませんでした。本来なら、初めから計画の見直しを行うべきところですが、驚くべきことに、第2回目の大規模審査会が平成25年7月19日(金)午後2時から県庁で開催され、今度は通過してしまったのでした。
事務事業の担当職員らもいい加減ですが、大規模審議会のメンバーの専門家と称する有識者もデタラメな人物ぞろいと言えます。もっとも、そういう人物でないと、審議会のメンバーに選ばれないわけですが…。
■こうして、大規模審議会は、平成25年8月9日に群馬県知事に対して「大規模土地開発事業計画の協議について」と題する答申書を提出し、それに基づいて群馬県知事は、㈱環境資源に対して、平成25年8月19日付で「大規模土地開発事業計画に係る意見について」と題する通知を出しました。これに合わせて、既に実質的な手続を終えていた群馬県廃棄物処理施設の事前協議等に関する規程に基づく事前協議の終了通知も同日、㈱環境資源に出されて、事前協議が全て終了してしまったのでした。
この知らせを待ちに待っていたのは、他でもない安中市の岡田市長です。
岡田市長は、「これまで庁議で、この環境資源の大規模サンパイ処分場計画には反対を主張してきたので、市としては一貫して反対の立場をはっきりと打ち出している。群馬県知事対しても反対の意見書を出している」と住民に対して胸を張ってきました。
しかし、それは大ウソでした。
■この大規模サンパイ処分場は、前述のとおり、岩野谷地区を流れる岩井川の源流地帯にあり、すぐそばに岩井川沿いの水田灌漑用に溜池が位置しています。
源流地帯に、大規模な管理型のサンパイ処分場を作るわけですから、ゴミに嵩んだ雨水には有害な重金属やダイオキシンなどの化学物質がいろいろ含まれます。これらは、地下に浸透しないように、処分場の底に敷かれた遮水シートで集められ、それを汲みあげて排水処理施設で処理をしてから下流に流します。
しかし、いくら排水処理をしたとしても、住民が主食とする稲を作付けしている水田の灌漑用溜池に処理水を注ぎ込むことはできません。
また、溜池の水はその源流地帯に降り注いだ雨水が流れ込んだものですから、源流地帯に遮水シートで大規模なゴミ処分場が作られれば、そこに降った雨は、溜池に流れ込まなくなるため、溜池の水の確保にも重大な問題が生じます。
■しかし、こうした常識を覆す企みが、群馬県と安中市の環境行政では、簡単に実行されるのです。
サイボウ環境の管理型一般廃棄物最終処分場設置計画のときにも、下流の水田耕作者が水利権を主張して、処理された排水が灌漑用の谷川に流されることに反対をしました。すると、群馬県と安中市は、サイボウ環境の計画を後押しするために、尾根の反対側にある官地の下に、直径20センチ程度のパイプラインをサイボウ環境に敷設することを認めたのでした。
これは、当初の事前協議で許可された計画から大幅に変更されることを意味しましたが、群馬県は「軽微な変更だ」として、そのままあっさりと変更を認めてしまったのでした。
■これと同じことが、今回の環境資源のサンパイ処分場計画でも行われようとしています。
当会の平成25年7月19日のブログ記事
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1081.html#readmore
にも示しましたが、このサンパイ処分場計画の今後の事業開始までに必要な手続は次のとおりです。
**********
大規模事前協議(終了)・廃棄物事前協議(終了)
↓
●森林法の林地開発許可(県)
●廃棄物処理施設設置許可(県)
●廃棄物処理業の許可(県)
●安中市道占用許可(安中市)
●農地法の転用許可(安中市農業委員会)
●安中市道の払下・付替(安中市)
●新山ため池管理者との接続協議(安中市)
↓
工事着工・事業開始
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■環境資源のサンパイ処分場から処理水を下流に流すためには、その水を導くための水路なりパイプラインが必要になります。これが確保されない限り、このサンパイ処分場は実現しません。
そのため、現在、市道が溜池の堰堤の脇を通って、サンパイ処分場予定地まで伸びていますが、ここにサイボウ環境の時と同様に、処理水の排水路として、暗渠のためのボックスカルバート構造なり、パイプラインを設置する必要があります。
この設置には、一旦市道を廃止し、官地にして、そうした排水施設が作れるようなお膳立てが必要になります。
この件では、岡田市環境資源の幹部らと、随分前から協議をしているはずです。にもかかわらず、「本件は庁議で反対を決議しているから、安中市としては反対の立場だ」などと二枚舌を使っています。
■昔から廃棄物処理業界との関係を重視してきた岡田市長としては、平成25年8月19日の事前協議の終了は待ちに待った朗報だったことでしょう。
さっそく、現在開会中の安中市議会の9月定例会で、突然、追加議案として、この溜池堰堤を通り、サンパイ処分場予定地に伸びる市道路線の廃止について、提案してきたのです。
群馬県の事前協議が終了して、いよいよ、岡田市長の本領が発揮されるステージが到来したのです。あれほど、「群馬県知事に対して、この問題について公開質問状を出している。安中市のホームページにも掲載してある」と力説していた岡田市長ですが、実際には、業者とちゃっかり処理水の排水施設の設置についてどうしたら便宜供与が図れるかを相談していたのでした。
http://www.city.annaka.gunma.jp/aisatsu/koukaisitumonjo.pdf
■こうして、安中市岩野谷地区には、平成19年4月に稼働を開始したサイボウ環境の一般廃棄物処分場に引き続き、さらに大規模な一般・産業廃棄物最終処分場設置計画が大きく前進してしまいました。この他にも、大和建設の中間処理施設や東邦亜鉛の安定型サンパイ場が稼働しており、さらに直ぐ近くにある富岡市の桑原地区ではアスベストの中間処理施設が事前協議中です。
↑戸田建設・西松建設のJVによるアスベスト中間処理施設設置計画の事前協議も粛々と手続きが進行中。↑
ゴミ処分場は一か所でも造られるとその周辺に次々と作られてしまい、サンパイ銀座化してしまいます。安中市岩野谷地区は、懸念されてきた最悪の事態に向かって、突き進んでいると言えるでしょう。その背景にあるのは、幹部職員OBがサンパイ業界に天下る群馬県の環境行政の体質であり、ゴミ利権に敏感な安中市の環境行政の本質であり、それをリードする安中市長の、平気で住民に対して二枚舌を駆使する本性です。
引き続き、この問題については、掘り下げていきたいと思います。
【ひらく会情報部】