■自分さえ良ければよいという風潮が今、この国でまかり通っています。安中市岩野谷地区の南部の日刊スポーツゴルフ場計画跡地に建設中の安中ソーラー合同会社のメガソーラー(63.2MW)と、安中市小俣地区のビックカメラのローズベイゴルフ場跡地に建設中のメガソーラー(約80MW)の全貌が、いよいよグーグル・マップ上にも姿を現しはじめてきました。
https://www.google.com/maps/search/%E5%90%89%E4%BA%95/@36.2762435,138.9120567,7408a,35y,38.18t/data=!3m1!1e3?hl=ja
このうち、ローズベイゴルフ場跡地のメガソーラー計画では、2016年9月30日にゴルフ場を閉鎖後、ビックカメラの子会社のビッククリーンエネルギー研究所がゴルフ場跡地を太陽光発電事業として利用し、総発電容量80メガワットという、国内でも有数のメガソーラー発電所が建設中で2019年末に完成する予定です。
〇2018年3月24日:ローズベイカントリー跡地に立つ [風景]↓
https://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24
↑安中市小俣地区のビックカメラによるローズベイカントリーゴルフ場跡地におけるメガソーラー造成現場。↑
ビックカメラは日本の資本で池袋に本社を構えていますが、一方、安中ソーラー合同会社の場合、代表社員であるグレート・ディスカバリー・ホールディングス(GDLH)社は世界的なタックスヘイブン地で知られる米国のデラウェア州のウィルミントン市のSuite 403S, 1013 Center Roadに登記されています。
↑安中市岩野谷地区の安中ソーラー合同会社による日刊スポーツゴルフ場予定跡地におけるメガソーラー造成現場。↑
このデラウェア州のウィルミントン市は人口7万人ですが、中でも有名なのはノースオレンジ通り(North Orange St.)1209の番地にある2階建ての貧相な建物(ビルではない)です。ここに本社を置く企業は、ウォールマート、スターバックス、アップルなど32万社もあり、トランプ大統領の会社もここに本社登録をしています。
なんと米国の上場企業の設立当初の本社の95%は、このウィルミントン市に置かれており、デラウェア州全体の人口も僅か94万人ですが、この州に本店所在地のある企業は118万社に上っています。デラウェア州で2015年に設立登記された会社は17万8000社で、1日あたり500社になる勘定です。同州は設立登記の税や手数料で年間1100億円の収入があり、州民一人当たり年間11万7000円に相当します。
さらに、このGDLH社の職務執行者には2名が連名となっており、そのうちのひとりが山崎亮雄です。この人物は東京赤坂の溜池にある税理士法人赤坂国際会計事務所の代表者ですが、今回の安中市内のメガソーラー計画に際して、地元には一度も顔を出したことがありません。
もうひとりはリュー・シャオ・フィ(劉小飛?)という中国人で、この人物の所在地は香港九龍大角咀海輝道18号一号銀海第07座21楼B室(Flat B, 21/F, Block 7, One Silver Sea, 18 Hoi Fai Rd., Tai Kok Toui, Kowloon Hong Kong)で、もちろんこの御仁も、これまで一度も群馬県には来たことがありません。
こうした中国資本が絡み米国のタックスヘイブン地に登録されているペーパーカンパニーが、関東地方の水源地帯を137ヘクタールも保有すること自体、あってはならないことですが、国も群馬県も安中市もなんの規制も行わず、とうとう今年7月に完成時期を迎えます。
ただし、東電による送電鉄塔の建設が遅れており、現在建設中の送電鉄塔の完成が2019年12月の予定なので、安中ソーラー合同会社のメガソーラーの運転開始は2020年初頭になるとみられます。
↑安中ソーラーのメガソーラー施設のため、東電が送電鉄塔を建設するに際しての2019年3月に地元で回覧した事前告知チラシ。↑
ZIP ⇒ 20190304_annala_solar_kairan_siryou.zip
■こうして、安中ソーラーとビックカメラという国内外の資本によるそれぞれのメガソーラー計画が環境アセスメント手続きも経ずに進められた結果、物凄い自然破壊によって、もともとあった里山の丘陵地帯が、立木もろとも完全に無くなってしまいました。
これた2つのメガソーラー施設は、今から7年前に運転を開始したソフトバンクによる榛東村八州高原内のメガソーラー施設(敷地面積4.93ヘクタール、出力約2.4MW、パネル枚数10,122枚)に比べると、約28倍に相当します。
ともに2020年初頭の運転開始を目指すとみられるこれら2つのメガソーラーは、御覧の鳥、グーグル・マップでも乾燥した土壌が剥き出しになっている様子が確認できるようになりました。
水資地を中国資本に売ることも制限せず、森林はソーラーパネルとゴルフ場になり、資本主義の原理が優先することにより、どこまでも自然を破壊することに対して、全くブレーキを効かせられなかった我が国の行政は、完全に狂っているとしか思えません。
国や自治体は、国土保安のための貴重な水源地でもある里山の山林が、雑種地になったり、大規模な償却資産の設置によって、税収が上がるから、として喜んでいるのでしょうが、その代償は決して小さくありません。
とくに岩野谷地区の安中ソーラーの場合は、中国資本が絡んでおり、隣接するロケット工場で自衛隊向けのミサイルも製造していることから、国防上の観点からも重大問題です。しかし、当会が国家安全保障会議の議長の安倍内閣総理大臣や、防衛相の石破大臣に直訴状を提出し、中国資本の進出を阻止するよう要請しましたが、完全に黙殺されてしまいました。
■一方、自然や景観保護の観点からは、隣の高崎市の場合は、榛名や箕郷の梅林の付近や景観を損ねる地域では、メガソーラーの建設が条例で禁止されていますが、安中市の場合は、市内において、発電出⼒が500キロワット以上の太陽光発電設備の設置にかかる⼟地、家屋、償却資産に対して、前市長が野放図にメガソーラー業者に対して優遇措置を適用し、対象となった設備に係る⼟地、家屋、償却資産の固定資産税・都市計画税について8年間の課税免除を打ち出してしまいました。
このような特例措置はさすがに突出しすぎたため、市長交替後、8年から3年に免税期間を短縮しましたが、それでも3年間の特例措置をとっているのは県内では榛東村しかなく、依然として安中市内でメガソーラー開発ラッシュが続く要因となっています。
また、安中市は2019年4月1日から景観条例策定に向けてようやくスタートを切りました。メガソーラー開発がこれほどまでに進んでしまった状況では時既に遅し、の感があります。
ZIP ⇒ 20190501_kouhou_annaka_keikan_kachidukuri.zip
【ひらく会情報部】