市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

タゴ51億円事件で単独犯とされたタゴが1月9日死去!!…事実を伏せていた安中市の不誠実な体質

2023-03-17 23:28:43 | 土地開発公社51億円横領事件

2022年11月に元職員タゴが安中市土地開発公社に振り込んだ1万円に対して市公社がタゴに送付した領収書と送り状(債務確認書)

■本日の安中市議会全員協議会で安中市が、我が国の地方自治体における空前絶後の51億円巨額詐欺横領事件で単独犯とされた元職員多胡邦夫が、1月9日に死去していたとする報告をしたことが地元紙で先ほど配信されました。

**********上毛新聞2023年3月17日18:30
51億円詐欺事件の元安中市職員死亡 市が議会に報告 債務不履行の可能性も
 群馬県安中市元職員による市土地開発公社を巡る巨額詐欺事件で、元職員が死亡していたことが17日、分かった。公社と元職員の債務残高は約22億円(昨年3月31日時点)。元職員の死亡で、公社への債務が不履行になる可能性がある。市が同日の市議会全員協議会で明らかにした。
 元職員からは複数回にわたり公社名義口座に返済があり、 昨年11月末も1万円入金されたが、翌12月末には返済がなく、返済依頼の郵便を元職員宛に送付した。しかし連絡がなかったため、関係者に電話で確認したところ、元職員は1月9日に死亡していた。
  公社から市に対し、元職員の相続権利者全員の相続放棄を確認した報告があり、市が全協で元職員の死亡や経緯を説明した。
 事件は1995年に発覚。元職員が公文書を偽造するなどして群馬銀行が公社に振り込んだ事業資金などをだまし取り、被害総額は51億円に上った。同行は元金33億8600万円などの返済を求めて提訴し、98年に市と公社が24億5000万円を支払う和解が成立した。
**********

■当会では、昨年12月26日に安中市長に対して、次の内容で情報開示請求をしていました。

*****12/26行政文書開示請求書*****
<開示請求に係る行政文書の内容又は件名>
(1)市土地開発公社(市が連帯保証人)が群銀へ12/23に支払ったことがわかる情報
(2)元職員から市・公社に返済したことが分かる情報(令和3年12月28日以降現在まで)
(3)市・公社が和解20年目以降、群銀とこの件で協議したことがわかる情報
**********

 すると、2023年1月10日付で上記(1)と(2)について、行政文書部分開示決定通知が、上記(3)について行政文書不存在通知が送られてきました。

 そして、2023年1月16日に安中市役所2階の行政課で開示された情報を受け取り、冒頭に示したとおり、昨年12月1日付で元職員タゴ宛に送った「領収書の送付について」と題する文書で、債権元金残高が金22億653万1500円になった旨通知していました。

 ところが、市公社は、2021年12月までは、元職員タゴから基本的に毎月末に1万円の支払いがあるたびに「債務承認書」という文書に押印をさせて、タゴから市公社に提出させていたのに、2022年1月以降、この文書を提出させていないことが判明しました。

2021年12月までは、安中市・公社はタゴに対して都度「領収書と債務承認書」の提出を求めていた。

 しかも、この債務承認書には、2021年12月までは、「残元金」に加えて「平成10年12月9日から完済まで年5分の割合による遅延損害賠償金」の項目があったのに、2022年1月以降、「領収書の送付について」と題する文書には、この「遅延損害賠償金」の項目が見当たりません。

■そこで当会では、1月16日の開示情報の受領の際に、安中市企画経営部秘書政策課の担当者らに、「なぜ、遅延損害賠償金の項目を削除したのか?」と疑問を投げかけて「このタゴ事件にかかる元職員多胡邦夫に対する債権の種別について、債権管理台帳上、公債権なのか私債権なのか?また公債権の場合は、強制徴収公債権なのか、非強制徴収公債権なのか?」と説明を求めました。すると市担当者らは、「後日調べて連絡する」と回答しました。

 その後、さっぱり連絡が来ないため、2月28日朝8時半、別件で安中市役所を訪れた際に、用事を済ませてから朝8時50分ごろ「1月16日の公社から群銀への和解金支払いと元職員からの支払いに係る情報開示を受けたときにお願いした債権の種別等に関する回答依頼について、現状どのようになっているのか?」を聞くために、秘書政策課に立ち寄りました。部課長は不在でしたが、在席していた担当職員から「ちょうど本日回答しようと思っていた」として、回答案をプリントして見せてくれました。しかし、これを受領することで回答とされたくなかったため、「お手数ながらメールで回答をいただきたい」と担当職員に依頼しておきました。

 簡単な依頼について回答するだけなのになぜ1か月半も要したのか、安中市役所の対応にはいつも落胆させられるところですが、安中市から3月1日に次のメール回答がありました。

*****3/1安中市からのメール回答*****
From: 山村 浩正
Date: 2023年3月1日(水) 15:33
Subject: ご依頼いただきましたメールを送付いたします。
To: <ogawakenpg@gmail.com>

=======================================
個人情報保護の観点から、宛先を1件ずつ送信しています。
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小川 賢 様

お世話になります。
先日ご来庁いただきました際にご依頼いただきましたメールを送付させていただきます。
以下秘書政策課からの文書となります。

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小川様

日頃から本市行政運営に賜ります多大なるご支援とご協力に深く感謝申し上げます。
先日はご来庁いただき、ありがとうございました。

ご質問いただきました3点について、土地開発公社に確認した内容を回答いたします。
ご連絡が遅くなりまして大変申し訳ございませんでした。

①R4年度より、債務者から債務承認書を何故もらっていないか。
→債務の承認だけでなく、債務の一部弁済も時効の中断事由となります。以前は定期的な返済がなく、提出してもらう必要がありましたが、本人名義の口座から定期的に振込がされるようになり、通帳に記録が残りますので、承認書をもらう必要がなくなったため、とのことでした。

②債権管理台帳で管理をしているか。
→土地開発公社において債権管理台帳は作成していない、とのことでした。債権管理の方法につきましては、今後も校舎(ママ)に対し指導・監督を行います。

③土地開発公社の債権は公債権か私債権か。
→土地開発公社の債権であり、市の債権ではありませんが、分類を行うのであれば性質上は私債権に分類されるものと考えているとのことです。
------------------------------------------------------------------------------------------
以上となります。
ご査収ください。

┏┏┏ 安中市役所 総務部 行政課 文書法規係
┏┏┏ 山村 浩正
┏┏┏ TEL:027-382-1111(内線1044)
┏┏┏ FAX:027-381-0503
**********

■今回の地元紙の報道で、元職員タゴが年明けの1月9日に死去していたことが、遅くとも1月中に安中市では把握していたはずであったことがわかります。にもかかわらず、当会への連絡がずるずると遅くなり、結局3月1日にメールでの正式回答となったわけです。

 あまりにも酷い対応に、怒りを通り越して情けない気持ちです。2022年6月から前任の粟野好映氏にかわり、安中市副市長兼市土地開発公社理事長になった清水昭芳氏や、市企画経営部長の町田氏や、秘書政策課長の田中氏らには、群銀への和解金支払い債務の解消と、元職員タゴからの債権回収の徹底について、強く申し入れ、1952年3月生まれで71歳を迎えるタゴがいつまで元気でいるかわからないので、早期に債務の継承を担保できるような手配をしておくことが何より重要である旨、説いていたところでした。

 そうした最中の今回の仰天ニュースは、当会にとって腰が抜けそうな衝撃です。こうなると一刻も早く群銀への和解金支払いを停止するための交渉を直ちに開始するよう、岩井市長の政治力を期待するほかはありません。

群銀に毎年クリスマスに和解金2000万円を支払っている安中市・公社は、2022年12月23日にも群銀に24回目の支払いを実行した。

【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】

 


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2 コメント

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Unknown (torazo)
2023-03-24 08:10:52
今日の毎日新聞報道で知りました。安中市民として、今も憤っています。いまもこの事件を追及してくださり、ありがとうございます。
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タゴ事件の負の遺産 (ひらく会情報部)
2023-04-02 10:19:39
>>「torazo」さんへ
 コメントをお寄せくださりありがとうございます。
 元職員の死去により、タゴ51億円事件で元職員を取り巻いていた多数の関係者でまだ存命中のかたがたは、これでやっと枕を高くして、タゴがいた高崎市T町の方角に足を向けて寝られることでしょう。
 今後は、タゴの債務を承継させるための対策を怠ってきた安中市・土地開発公社の幹部らの怠慢の責任と、群銀に対してあと78年分残っている和解金返済ローンである15億9千万円を帳消しにする交渉に本腰を入れるよう強く要請してまいります。
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