市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

これでいいのか群馬県環境行政…東邦亜鉛サンパイ場の住民意見書を事業者に送るよう要請状を委員会に提出

2013-05-08 23:17:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

■安中市中宿と野殿地区で重金属を周辺に降り注がせながら電気亜鉛を製造中の東邦亜鉛安中製錬所では、経産省と示し合わせて、自社内にアスベスト投棄可能な鉱山残土置場と称するサンパイ場を造成し、今度は群馬県と示し合わせて事前協議を省略してもらい、後付けで手続をして、平成24年11月26日に首尾よく使用前の完成検査の合格通知を群馬県から入手しました。この手続で、カドミウム等重金属汚染に苦しめられてきた周辺住民らや住民代表である区長が意見書を出しましたが、群馬県は事前協議は不要だから意見書も東邦亜鉛に出す義務はないとして、握り潰したことは当会のブログで報告済みです。

群馬県廃棄物処理施設専門委員会のメンバー6名宛に要請書を郵送。写しを群馬県に。群馬県はなぜ地元住民にここまでさせるのか。

 職員OBの天下り先としてサンパイ業者との癒着に余念のない群馬県環境行政に対して、地元関係住民らが生活環境保全上の観点から作成し提出した意見書を東邦亜鉛にも送付するように当会では、本日、次の直訴状を、群馬県廃棄物処理施設専門委員会の6名のメンバーに郵送しました。併せて、群馬県環境森林部廃棄物・リサイクル課宛に写しを送りました。

**********
                    平成25年5月8日
群馬県廃棄物処理施設専門委員会委員各位
 会長(廃棄物処理)群馬大学理工学部大学院工学研究科 名誉教授
  黒田正和 様
   〒376-0052 群馬県桐生市天神町1-5-1
 副会長(水質地下水)
  群馬県立女子大学 非常勤講師
  磯部明彦 様
   〒370-1193 群馬県佐波郡玉村町上之手1395-1
 委員(廃棄物処理)
  高崎健康福祉大学短期大学部 短期大学部長
  田島貞子 様
   〒370-0033 群馬県高崎市中大類町58-2
 委員(大気質)
  学校法人 若葉幼稚園理事長
  林治稔 様
   〒373-0807 群馬県太田市下小林町677
 委員(騒音振動)
  国立大学法人 群馬大学名誉教授・国立大学法人 群馬大学非常勤講師
  永井健一 様
   〒376-8515 群馬県桐生市天神町 1-5-1.
 委員(そのた(地盤))
  独立行政法人 国立高等専門学校機構 群馬工業高等専門学校環境都市工学科特任教授
  阿部博 様
   〒371-0845 群馬県前橋市鳥羽町580
CC:事務局
  環境森林部廃棄物・リサイクル課
   〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
                    〒379-0114
                    群馬県安中市野殿980
                    小川 賢 (男・61歳)
                    電話 027-382-0468
                    携帯 090-xxxx-xxxx
                    FAX 027-381-0364
                    E-mail ogawakenpg@aol.com
東邦亜鉛㈱産業廃棄物最終処分場に関する住民意見書の取扱いについて(お願い)
 平素より、群馬県の環境行政の監視役としてご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
 私は、東邦亜鉛安中製錬所の主排気塔から南東側300mの地点に在住し、兼業で農業をしております。同製錬所をめぐる公害問題では、幼いころから亜硫酸ガスで苦しめられ、現在でも同製錬所周辺に所有する農地においては、カドミウム等重金属による土壌汚染の対策工事着手の見通しがたっておらず、安心、安全な農作物の生産に支障をきたしております。
 このような最中、東邦亜鉛が所有し稼働中の安中・小名浜・契島の3製錬所が、平成17年に改正された鉱山保安法により長崎県対馬にある対州鉱山所属の山元製錬所から独立製錬所(海外鉱、スクラップ等を原料とし、掘採場を持たない製錬所)に移行することになり、その経過措置の期間中を利用して、同社は安中製錬所の構内に、平成19年4月、旧鉱山保安法に基づき経済産業省に残土置場と称して計画届出をして、平成20年2月に造成工事を完了していました。
 ところが同社は、当該残土置場が完成したあと、鉱山保安法改正の経過措置が終了し、同社安中製錬所が独立製錬所に移行するタイミングを見計らって、今度はそれを産業廃棄物最終処分場として看板を架け替えることにして、群馬県も、自ら定める事前協議を省略することを内諾したのでした。
 そして、この方針に基づき、平成22年12月18日に形式だけの地元説明会を開催し、平成23年4月26日に同社が群馬県知事宛に産廃最終処分場設置許可申請を行い、平成23年夏から秋にかけて同社は㈱環境技研に委託して「地域の生活環境への影響調査」を実施し、平成23年11月に県庁リサイクル課に生活環境影響調査報告書を提出したのでした。
 これを踏まえて、群馬県は平成23年12月27日から年末年始の期間を経て平成24年1月26日まで本件処分場設置計画に係る公告・縦覧をおこない、同2月9日までに意見書の受付を行いました。
 この設置計画に関して生活環境保全上の観点から、私を含めて地元住民としての意見書が平成24年2月9日までに群馬県に提出されました。その際、この問題に関心の深い地元の区長、副区長らも計画書を閲覧し、地元の岩野谷第四区として、同社との間で、処分場に埋め立てられる産業廃棄物の立入りチェックができるよう、災害防止協定の締結を希望する旨、意見書を提出したことを聞きました。
 これらの住民意見書は皆さまで構成される群馬県廃棄物処理施設専門委員会において、平成24年2月16日(木)午後1時から群馬県庁131会議室で開催された平成23年度・第2回会議の席上で協議のための資料として配布されております。
 そして、地元住民らによる意見書の内容がどう反映されたのが不明なまま、平成24年6月8日付で群馬県知事が東邦亜鉛に、埋立面積2,083㎡、埋立容量12,747㎥の産業廃棄物最終処分場設置許可証を交付しました。
 その後、同社は平成24年10月24日付けで産業廃棄物最終処分場に係る使用前検査申請を県に提出し、同年11月15日に西部環境森林事務所の担当者らが使用前検査を行い、同年11月26日に「産業廃棄物最終処分場が廃棄物処理法第15条第2項の申請書に記載した設置に関する計画に適合している」として、群馬県は同社に対して当該施設の適合通知を出し、同社安中製錬所の産業廃棄物最終処分場は使用に供されることになりました。
 ところが、今年2月3日の地元集会で、地元区長や区長代理から、「例の東邦亜鉛のサンパイ場に関する意見書に対するその後の状況が分からない。あれから随分時間が経つが、東邦亜鉛からもなにも連絡がない」と言われてビックリしました。
 さっそく私が同社安中製錬所の総務課の関係者に確認してみたところ、「小川さんの意見書はブログに掲載されているので見ているが、区長さんからの意見書は手元に届いていないのでコメントのしようがない。いずれにしても、住民からの意見書は群馬県から届いていない」と言われました。
 そこで、平成25年4月8日に環境森林部廃棄物・リサイクル課企画指導係の担当係長に経緯を確認したところ、次の経緯が判明しました。
●東邦亜鉛安中製錬所の産業廃棄物最終処分場の設置について、群馬県は通産省の担当部署である関東東北産業保安監督部長と同部鉱害防止課長の名前で出された2通の書状にもとづき、東邦亜鉛のサンパイ場は「鉱山保安法下において設置された本件施設の工事計画届と国の検査結果が送られてきたのと、鉱山保安法の技術基準に適合するよう設置されたもので鉱害防止上も問題ないと、国のお墨付きが出ている。だから一般法に移行後、群馬県において廃棄物処理法に基づく指導監督を行うのだ」と判断し、その過程で“群馬県が定めた事前協議の規程を省略する”という方針を独自に決めていた。
●西部環境森林事務所の縦覧窓口担当者いわく「東邦亜鉛のサンパイ場の事前協議省略を判断したのは県庁リサイクル課だ」とし、県庁リサイクル課の担当者は「事前協議の判断の根拠となったのは国から鉱山保安法できちんと検査済みとの通知があったため、事前協議省略を決めた。その根拠は、東邦亜鉛のサンパイ場は、国又は地方公共団体が廃棄物処理施設の設置等を行う場合に順ずるものだとして、群馬県知事が認めたからだ」とのこと。
●そのため、群馬県環境・リサイクル課の説明によれば「事前協議では、住民の意見書を事業者にも見せるが、今回の東邦亜鉛の処分場申請は、廃棄物処理法に基づく手続で、事前協議を省略したのだから、住民の意見書は、事業者に見せることにはなっていない」という見解だとしている。
 私は、環境・リサイクル課企画指導係の関係者になんども住民意見書の写しを東邦亜鉛安中製錬所に送るよう懇願しましたが、同課では「送付する義務は無い」の一点張りです。
 同社では、「どのような意見書が地元の区長から提出されたのかどうか、分からないのでなんとも言いようが無いが、意見書の内容を見て、なんらかの回答をする用意がある」と私に言いました。
 したがって、群馬県廃棄物処理施設専門委員の皆様におかれましては、次回の会議において、この「住民意見書の写しをすべて事業者である東邦亜鉛安中製錬所に送る」ことについて、委員会からの意見として、ぜひ県側に伝えてくださるよう、強く希望します。
                    以上
**********

■果たして地元関係住民らの声に、専門委員会のメンバーのかたがたが耳を傾けてくれるかどうか、関心をもって注目したいと思います。

【ひらく会情報部】

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ちょっとお出かけ・・・長寿... | トップ | 弁護士から和解を勧められた... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

東邦亜鉛カドミウム公害問題」カテゴリの最新記事