市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【税金無駄遣いの権化】群馬県庁前の広場の再整備について、一太知事に情報開示請求書を提出

2022-09-10 17:43:28 | 県内の税金無駄使い実態


余命3ヶ月半となった「群馬県庁」の館銘。一太知事曰く「広場を活用することで、群馬県の存在感を高められる、群馬県の魅力を発信できる、多くの人たちが集まる場所にする、いろんな独自の面白いアイディアを出していきたい」んだと。

■群馬県庁では、20年近く前に小寺弘之知事が3期目のころ、本来25年間継続して毎年一段ずつ石を積み上げ、完成時には高さ7.5mの巨大なモニュメント21と呼ばれる構造物の建設事業が始まりました。2002年から4年間に8500万円を投じた段階で事業はストップしたものの、その後は県庁の入り口の顔として、ニューイヤー駅伝のスタート場所のシンボルにもなっていました。

 ところが、9月1日の防災の日の午後2時過ぎから始まった定例記者会見で、一太知事が突然発表したのは、このモニュメント21を解体撤去するという、驚くべき税金の無駄遣いでした。

 9月1日の記者発表の際、記者との質疑応答の中で、読売新聞記者から、「再整備事業を実施すると、今『群馬県庁』と書かれている館銘板も撤去することになるが、現在の館銘板は、当時の小寺知事が書かれたものらしいが、新たに館銘板を設置する場合、今度は知事が書くのか?」と質問がありました。

 あまりにも本音を突いた質問だったらしく、一太知事は、ややしどろもどろになりながら「撤去方針は決まった。作者のアーティストには撤去を理解してもらい、大変感謝しているが、館銘板への揮毫の話も含め、どうするかは決まっていない。これから具体的な中身を検討していく」と答えるにとどまりました。

 県民の多くも、同様に感じているらしく、ネットでも、「小寺知事当時の痕跡を消し去りたいんだろうよ」という書き込みが見られます。現職の知事が、以前の知事の痕跡を消したいと思うのは珍しいことではなく、例えば、群馬県庁5階のパブリックスペースに歴代知事の肖像画が掲示されていますが、大澤知事は、前任者の小寺知事の肖像画をずっと掲示していませんでした。また、小寺知事の代まで使っていた知事公舎を壊して駐車場にしたのにもかかわらず、副知事公舎を3000万円以上かけて改修し、愛人と週末を過ごすための妾宅化にしていたのは、今でも県民の間で語り草となっています。

■こうした中、なぜ、一太知事が、20年近く県庁の館銘板として風景に馴染んでいるモニュメントを解体撤去すると、突然発表した背景をヒヤリングする為、当会は、9月9日午後1時45分ごろ、県庁11階の総務部有効活用課を訪れました。ここはかつては、管財課と称していた部署です。

 ここには財産活用係、県庁舎管理係、県庁舎保全係、公用車管理係、長寿命化推進室があり、今回の県庁前広場のモニュメントの解体撤去は、県庁舎保全係が担当しています。さっそく、通路側から声をかけると、女性職員が応対してくれたので、要件を手短に伝えると、吉田章文・県庁舎保全係長が面談に応じていただけました。

 さっそく「今回の補正予算で、県庁前県民広場の再整備は、誰が何の目的で起案したのでしょうか?」「4400万円という予算を目論んでいるようですが、その内訳は?」「整備後、群馬県の魅力を発信できる場所にするそうですが、どのようなイベントなどを想定しているのでしょうか?」など、矢継ぎ早に質問しました。

 すると、吉田係長は顔を曇らせて、「私もよくわかりません」などというだけで、少しも説明をしてもらえる雰囲気ではありませんでした。そのうちに「上にも聞いてきます」と言って、席を外すと、窓際にいる管理職らとなにやら話をしていました。おそらく「オンブズマンだと。説明なんかする必要がないので、適当にあしらってとけや」などと会話しているのかもしれません。まもなく戻ってきた吉田係長に「どうでした」と尋ねたところ、「9月から始まるロングランの議会に諮ることから、まだ、議決を経ていないので、計画として固まっていません」とのことでした。

 しかし「4400万円という補正予算の根拠があるはずだし、解体撤去の方針はすでに庁内で決まっているでしょうから、その過程で、知事に説明した資料もあるはずです。

■15分ほどあれこれモニュメントの解体撤去にかかる情報を質問しましたが、何も説明が聞けませんでした。そのため、どうせ説明責任は果たされないだろうと事前に準備してきた、公文書開示請求書を提示して、内容を見てもらいました。それでも、何もコメントがないため、この内容で開示請求しても大丈夫だと判断し、「これから県庁2階の県民センターでこの開示請求書を提出しておきますので、事前に心構えをしておいてください」と言い残し、2階の県民センターに向かいました。

 県民センターに提出した文書は以下のとおりです。

*****公文書開示請求書*****
<開示を請求する公文書の内容又は件名>
 9月1日以降のメディア報道によると、「群馬県は制作途中だった県庁前のモニュメントを撤去する。撤去費などとして9月補正予算案に4400万円を計上した」とある。これに関連する次の情報。
①解体撤去の根拠の一つとして、モニュメント自体の老朽化が進んだことを挙げているが、この根拠が分かる情報。
②「池田さんの許可も得て撤去を決めた」という証拠情報。
③既に芝生広場となっているのに「撤去とともに芝生を張り替え、今後は周辺を含めた約三千八百平方メートルを芝生広場として活用する方針」を打ち出した理由や根拠が分かる情報。
④モニュメント撤去費として計上した4400万円の内訳情報。
⑤既に「群馬県庁」と彫られているのに、わざわざ「県庁を示す銘板は新たに設置する」のか、その理由が分かる情報。
⑥もともと賑わいを創出するはずのモニュメントだったはずなのに、なぜ「イベントなどさまざまな用途に活用したい」ために解体・撤去する理由が分かる情報。
⑦「今後、具体策を検討していく」として、具体策も決めない内になぜ撤去しなければならないのか根拠を示す情報。
⑧「これまでの制作に8500万円がかかった」内訳を示す情報。
**********

■14日以内に開示に関する通知があるはずですので、9月26日ごろ、県の対応結果がわかりましたら、ブログでも報告いたします。

 なお、もしかしたら群馬県は、いつものように「本件はまだ議会承認を経ていないことから、成熟した情報ではないため、不開示決定処分とする」などと言い出しかねないため、当会としては、あらかじめ住民監査請求書の作成に着手しておきたいと考えている次第です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※関連情報
**********ANN2022年9月5日12:06
群馬県庁 未完の“巨大モニュメント”撤去へ…費用4400万円 「税金無駄遣い?」声も
 
 群馬県が県庁の前の広場にあるモニュメントを未完成のまま撤去することが分かりました。モニュメントを作るのに8500万円かけて、撤去費用などで、さらに4400万円かけるため、「無駄遣いではないか」と県民から疑問の声が上がっています。


■知事“巨大モニュメント”撤去発表
 およそ20年間、群馬県庁前に鎮座している“巨大なモニュメント”。
 群馬県・山本一太知事:「県民広場、県庁の周辺ですね。ここをもっと人が集まる場所にしたいと考えています。そのために、県民広場に設置されているモニュメントの撤去と、それから芝生の張り替えを考えています」
 山本知事はモニュメントの撤去を発表しました。
■建設~撤去で税金“1億3000万円”
 そもそも、このモニュメントは21世紀の幕開けを記念する事業として、故小寺弘之知事時代の2002年に建設がスタートしました。
 当初は25年をかけて、徐々に石を積み上げ、高さ7.5メートルの立体作品として完成するはずでした。しかし、2005年を最後に工事が中断したままとなっています。
 現在は、コンクリートや御影石でできた、ほぼ基礎のみの状態で放置されています。
 群馬県によると、2002年から2005年の4年間で、合わせて8500万円が投じられたといいます。
 これに今回の撤去などの4400万円がプラスされると、およそ1億3000万円の税金がかかることになります。
 一体なぜ、この計画は頓挫したのでしょうか?
■資料紛失…施工業者もう存在せず
 実は、このモニュメントには子育て支援推進政策の一環として、県内で2000年以降に生まれた子どもの名前を刻んでいく予定でした。
 しかし、2003年、個人情報保護法が成立。個人情報の取り扱いが厳しくなるなか、県民からの反対の声も相次ぎ、子どもの名前を刻むことは見送りとなったのです。
 県庁担当者:「個人情報の取り扱いとともに、お金をかけすぎではないかという話が上がり、中断したと聞いている」
 中断から17年の月日が経ちました。県の担当者に、モニュメントの完成形を聞いてみました。
 県庁担当者:「分かりません。資料が見つからず、データを渡すこともできない。施工業者の名前は分かるが、連絡が取れない」
 県は、設計図などの資料を“紛失”。施工業者を調べてみると、社長が亡くなり、会社はもう存在しないと近隣住民が明かしてくれました。
■“新年駅伝”向け…年内撤去目指す
 撤去に伴い費用がさらにかかることに、県民からは次のような声が聞かれました。
 群馬県民:「(撤去費用)4000万円は高いですよ。もっと色んな方法があるんじゃないかなと思います」「群馬県のシンボルなので、別に撤去しなくてもいいと思う」
 県は、来年1月の元旦、県庁前からスタートするニューイヤー駅伝に間に合うよう、年内の撤去を目指すとしています。
 (「グッド!モーニング」2022年9月5日放送分より)

**********群馬県2022年9月1日
第19回定例記者会見要旨(9月1日)
■日時  令和4年9月1日(木)午後2時5分~2時58分
■会場  記者会見室
■出席者  県:知事、副知事ほか
     記者:記者クラブ所属記者等 20人
■記録作成 メディアプロモーション課(報道係)
 

令和4年9月1日定例記者会見動画(You Tube:外部リンク)。得意げにパネルを掲げる一太知事
https://www.youtube.com/watch?v=ZI5msx_9d0w&feature=youtu.be
※モニター資料(PDFファイル:1MB)
https://www.pref.gunma.jp/contents/100256587.pdf
 

<発表項目>
1.はじめに
2.新型コロナウイルス感染症対策本部会議の結果について
3.令和4年度9月補正予算案について
4.トップITアスリート研修への協力
5.「旧統一教会」主催イベント等への県の後援
6.直滑降ストリームの告知
<記者発表21:18~22:00>
 次に、「県庁前の県民広場の再整備」です。
 県庁周辺の県民広場を、もっと人が集まる場所にしたいと考えています。そのために、県民広場に今設置されているモニュメントの撤去と、それから芝生の張り替えを考えています。あわせて県民広場の新たな活用策を検討してまいります。
 他にも、ここに掲げたような事業にいち早く取り組むことで、さらなる群馬県の発展につなげていきたいと思います。
 予算額としては、1億4,285万円を計上させていただきました。
<質疑応答35:44~>
●県民広場のモニュメント撤去について
(上毛新聞宮村記者)
 県民広場のモニュメント撤去の関係なんですけれども、当初の構想からちょっと頓挫して、20年にわたり設置されてきたわけですけれども、改めまして撤去に対する思いと今後どうしていきたいかについて伺えればと思います。
(知事)
 このモニュメントは、小寺元知事の時に制作が始まって、途中で大澤前知事に代わられたと。大澤前知事の時代にも撤去の議論があったようなんですけれども、まず、芸術作品自体にはもちろん価値があるものだと思っているんです。
 その上で、今回は、この芸術作品を手がけられたアーティスト、東京芸術大学の名誉教授である先生としっかりお会いしました。それで、いろいろお話をした結果、群馬県が目指しているものとか、時代の流れみたいな中で、この撤去についてご同意をいただきました。このことを、まず本当に感謝したいと思っています。
 群馬県は、小寺元知事の時代に、結構いろいろなアートを導入しているんですよね。こういうことについては、もうちょっと県民の人たちにお知らせしたいということを先生にも申し上げました。
 ちょうど県庁に入るところに、鶴舞う形の群馬県の噴水みたいなモニュメントがあるじゃないですか。これは私が知事になる前は、水も止まっていたんですね。芸術作品自体が、やっぱり噴水があることを想定して作られているので、そういう点を考慮して水を出すようにしました。そのことは評価していただいているし、改めてその先生と一緒に、今群馬県庁内にあるアートを拝見したんですけれども、これはもう群馬県にとってはアセット(財産)なので、これはもうちょっと県民の皆さまに、伝える努力はしたいと(思っています)。
 ただ、今あるモニュメント自体は、ちょっと撤去させていただいて、一部を移転させていただくような形で、広場を有効活用をするような状況を作りたいと思っています。
(上毛新聞宮村記者)
 有効活用については、どういうふうにするか、方向性みたいなものがあるんでしょうか。
(知事)
 それは、これからいろいろ議論しようと思うんですけれども、やっぱりいつも言っているように、広場を活用することによって、群馬県の存在感を高められる、群馬県の魅力を発信できる、それから多くの人たちが集まる、そういう場所にするように、いろんな独自の面白いアイディアを出していきたいと思います。
<質疑応答44:23~>
●県民広場の再整備について
(読売新聞鷹尾記者)
 補正予算についてちょっと細かい質問なんですけれども、先ほど話題に出た、県民広場再整備についてですね、再整備事業を実施すると、今「群馬県庁」と書かれている館銘板というんですかね、あれも撤去することになると思います。館銘板は、当時の小寺知事が書かれたものらしいんですけれども、新たに館銘板を設置するとなると、今度は知事が書かれるということになるんでしょうか。
(知事)
 まず、撤去するという大きな方針は決まりました。これを作られたアーティストの方に本当にご理解いただいて、大変感謝しているんですが、それは決まったんですけど、今の話を含めてどうするかというのは、これから具体的な中身を検討していきたいと思っています。まだ決まっていません。
**********


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