↑県庁から見下ろした県民広場(2014年11月当時)↑
■群馬県で最も高い建物(地上33階、高さ153.8m)として1999年に建てられた群馬県庁ですが、東側を向いたこの高層ビルの前に「県民広場」と称する約6,000平方メートルの広さを持つ芝生の広場があります。
この県民広場について、県HPで総務部財産有効活用課が、「県民広場 県民広場を中心とした県庁、昭和庁舎、群馬会館を、一体的に活用し、このエリアから群馬県の元気のみなもとを発信していきます。」と記しています。
県民広場の一角には、ゆるキャラのぐんまちゃんのモニュメントが立っています。
この石像は2014年3月に群馬県石材商組合が創立50周年を記念して約200万円を投じて寄贈したものです。
そして、この広場には、もうひとつのモニュメントが、ぐんまちゃんより10年以上前から設置されています。それが、2002年から2005年にかけて設置された「モニュメント21」と呼ばれる石の構造物です。県庁前の交差点からよく見えるので、皆さんお馴染みのモニュメントです。
20年前に当時の小寺弘之知事のとき、県管財課により建立が開始されたこのモニュメント21は、その後、大澤正明知事の代を経て、現在の山本一太知事になってから3年目となる9月1日に、県資産活用課により突如取り壊される計画が発表されました。メディア各社の報道内容を見てみましょう。
**********毎日新聞 2022年9月1日17:42(最終更新 9月1日 18:43)
「イサム・ノグチ作品に酷似」指摘 群馬県庁前モニュメント、撤去へ
↑「群馬県庁」の銘板が刻まれる「モニュメント21」の正面=前橋市で2022年9月1日午後1時、田所柳子撮影↑
群馬県は、前橋市の県庁前に2005年から未完のまま放置している「モニュメント21」を4400万円かけて撤去し、跡地に芝生を整備する方針を決めた。02年に台座を設置し、毎年御影(みかげ)石を積み上げ25年かけて完成させる予定だったが、当初から「完成予想図が彫刻家、イサム・ノグチの作品に酷似している」「税金の無駄遣い」などと指摘された。建設中止から17年を経て、「事実上使い道がなく、県庁前の有効活用のために撤去する」(県担当者)ことになった。
県によると、モニュメントには、02~05年に計8500万円が投じられた。規模は南北51メートル、東西28メートル、高さ2・2メートルで、現在はコンクリートや御影石でできたほぼ基礎のみの状態で放置されている。
↑市民の抗議を伝える2003年8月28日付毎日新聞群馬版の記事。「モニュメント21」の完成予想図も掲載されている↑
建設開始当初、完成予想図が札幌市にあるイサム・ノグチの作品「ブラック・スライド・マントラ」に酷似していると指摘した市民団体が建設中止を求めた。それでも県は建設を継続したが、00年以降に県内で生まれた子ども全員の名前を刻む当初の予定は個人情報保護の観点から実現しなかった。また、07年に知事が交代したことも重なり、計画は宙に浮いた。県の担当者は建設中止の理由について、「今となってははっきりしないが、複合的な要因ではないか」と話している。
↑イサム・ノグチ「ブラック・スライド・マントラ」↑
モニュメントの正面には、県庁の表玄関を象徴する「群馬県庁」の銘板が刻まれている。県は9月補正予算案に、12月までにモニュメントを撤去し、来年3月までに芝生の整備と新たな銘板の設置をする費用として4400万円を盛り込んだ。御影石などは撤去時に破損するため再利用はできず、廃棄するという。
山本一太知事は1日の記者会見で、「県庁周辺をもっと人が集まる場所にしたい。そのためにモニュメントを撤去し、新たな活用策を考えたい」と語った。【田所柳子】
**********群馬テレビ2022年9月1日(木)19:22
群馬県の9月補正予算案 256億7700万円 原油高騰や物価対策に重点
↑(写真:群馬テレビ)↑
群馬県は1日、256億7700万円余りを増額する9月補正予算案を発表しました。高騰する原油価格や物価対策などを重点的に取り組みます。
「今回提出させていただく補正予算案のキャッチコピーです。物価高騰+未来投資予算とさせていただきました。」(群馬県・山本一太知事)
補正予算額は、256億7700万円で、平成以降最大となった昨年度と比べ379億円減少しました。最も重点を置くのが原油価格・物価高騰対策で、学校や保育所などの光熱費や給食材料費、それに酪農家のエサ代の補助などにあわせて13億8200万円を計上しました。
また、山本知事は、未来への投資にも力を入れるとし、Gメッセ群馬のスタジオ機能の強化などに2900万円、県庁前の県民広場の有効活用を目的にモニュメントの撤去費用などに4400万円を計上しています。
このほか、県内で豚熱・CSFが多発していることから、イノシシの移動を抑えるため河川内の伐採や除草を行う緩衝帯の整備費用など豚熱対策に6億円を計上しました。
一方、財政健全化に向けて、173億7800万円を財政調整基金に積み立て、406億円の残高としました。補正後の予算額は、8487億5400万円となります。
9月補正予算案は、今月20日に開会する県議会第3回定例会で審議されます。
**********朝日新聞デジタル2022年9月2日 21時00分
制作費8500万円で未完のモニュメント 4400万円で撤去へ
↑群馬県庁の前にある「モニュメント21」=2022年9月2日、前橋市大手町1丁目、川村さくら撮影↑
群馬県は制作途中だった県庁前のモニュメントを撤去する。撤去費などとして9月補正予算案に4400万円を計上した。
「群馬県庁」と彫られたモニュメントは2002年に設置され、前橋市出身で東京芸術大名誉教授の池田政治氏が手がけた。基礎部分には中国産の御影石を使い、これまでの制作に8500万円がかかった。
★県内で生まれた子どもの名前を刻むはずが……★
当初の計画では、02年から25年間、毎年石を積み上げ、7・5メートルの高さにまでする予定だった。外壁には県内で生まれた子どもの名前を刻んでいくことになっていた。しかし、実際に石が積まれたのは最初の4年間だけで、名前が刻まれることもなかった。
県の担当者は計画が頓挫したことについて「個人情報の問題やお金がかかることなど複合的な理由だった」と説明。モニュメントを残さずにあえて撤去するのは「相当な面積をとっており、県庁前の広場をスポーツなど多目的に使えるようにするため」という。
山本一太知事は1日の定例会見で、池田氏と直接話して撤去に了承をもらったと述べ、「多くの人が集まるようアイデアを出していきたい」と広場の整備に意欲を示した。
★「みんなの心が政治から離れてしまう」★
設置時に県に建設中止を求めていた「市民オンブズマン群馬」の鈴木庸事務局長は「税金の無駄遣いでとんでもない。県民の意見をもっと聞いて真摯(しんし)に対応してもらわないと、みんなの心が政治から離れてしまう」と話した。(川村さくら)
**********上毛新聞2022年9月2日06:00
群馬県庁前の2002年着工の「モニュメント21」を撤去 県9月補正予算案
↑撤去が決まった県庁県民広場の「モニュメント21」↑
群馬県が1日発表した本年度一般会計9月補正予算案には、県庁前の県民広場に設置された巨大な立体作品「モニュメント21」の撤去費用が計上された。広場の有効活用が狙い。約20年にわたって県庁の玄関口で県民に親しまれてきたモニュメントがなくなる。
モニュメントは21世紀の幕開けを記念する事業として、故小寺弘之知事時代の2002年度に建設が始まり、県民広場の南東に弧を描くように配置された。当初は25年かけて徐々に積み上げて高さ7.5メートルの立体作品とし、県内で2000年以降に生まれた子どもの名前を刻んでいく計画だった。
だが、03年の個人情報保護法成立など個人情報の取り扱いが厳しくなる中、反対の意見もあって名前を刻むことは見送られ、建設自体も05年度を最後に中断したままになっていた。
御影石製で現在の大きさは南北に最大51メートル、東西に最大28メートル、高さ最大2.2メートル。広さ3800平方メートルの県民広場のかなりの部分を占めており、広場を有効活用する際の妨げになっているという。
補正予算案には撤去と芝の張り替えの事業費として計4400万円を計上した。デザインした芸術家には撤去の了解を得ており、議会の議決を得られ次第、工事を発注する方針。来年1月に県庁前を発着点に開かれるニューイヤー駅伝に間に合うよう、年内の撤去を目指す。
モニュメントに刻まれた小寺氏揮毫(きごう)の「群馬県庁」の文字も撤去となるため、新たな銘板を設置する。
撤去後の県民広場の活用方法は県民を交えて検討していく。
山本一太知事は1日の会見で「広場の有効活用のためにモニュメントは撤去させてもらうが、県庁内にはたくさんアート作品があるので、それを県民に伝える努力をしていきたい」と述べた。
一方、小寺知事時代の県幹部は「今に続く県の子育て支援推進政策のシンボルで、広場は県民のものという考えの象徴でもあっただけに撤去は残念。寂しく感じる」と話した。
**********東京新聞2022年9月2日 07:40
群馬県庁前モニュメント 年内解体、芝生広場に 生まれた子の名前を刻む構想 「個人情報」で頓挫、17年間放置
↑解体撤去が決まった県庁の銘板を兼ねたモニュメント。奥は県庁舎=前橋市で↑
県庁舎東側にあり、「群馬県庁」と刻まれている銘板を兼ねた御影石造りのモニュメントが年内に解体、撤去されることになった。モニュメントは二〇〇二年度に整備が始まり、県内で生まれた子どもの名前を記しながら二十五年間かけて完成させる構想だったが、「個人情報保護の流れにそぐわない」と三年後の〇五年度に中止。その後の十七年間、放置されていた。(羽物一隆)
モニュメントは、南東向きに「群馬県庁」と掘られた高さ二・二メートルの銘板部分があり、弧を描くように北方向と西方向に壁状に伸びている。当初の構想では徐々に上へ積み上げていき、最終的に高さ七・五メートルになる予定だった。〇五年度までの事業費は計八千五百万円。前橋市出身で東京芸大名誉教授の池田政治さんが「モニュメント21」の名でデザインし、美術作品でもあったため、県は対応を決めかねていた。
しかし、モニュメント自体の老朽化が進み、池田さんの許可も得て撤去を決めた。今後は周辺を含めた約三千八百平方メートルを芝生広場として活用する方針。
県は一日に発表した九月補正予算案で、広場再整備費として四千四百万円を計上。モニュメントの撤去とともに芝生を張り替える。県庁を示す銘板は新たに設置する。県財産有効活用課の担当者は「イベントなどさまざまな用途に活用したい。今後、具体策を検討していく」としている。
**********読売新聞2022年09月02日10:20
8500万円かけた群馬県庁前モニュメント、未完成のまま年内撤去へ…知事の揮毫も
群馬県が1日発表した補正予算案では、「県民広場の再整備事業」(4400万円)の中に、県庁正面にあるモニュメントの撤去が盛り込まれた。
モニュメントは2002~05年度に8500万円をかけて作られ、小寺弘之知事(当時)の揮毫(きごう)による「群馬県庁」の文字が彫られている=写真=。県内で生まれた子供の氏名を刻んだ石材を高さ7・5メートルまで積み上げる計画だったが、費用や個人情報保護の観点から中断されている。
県はモニュメントを年内に撤去する方針。山本知事は記者会見で、撤去の同意を当時の関係者らから得たと明らかにし、再整備事業について「県の存在感を高められ、多くの人が集まる場所にするようにアイデアを出していきたい」と語った。
**********
■以上の報道からうかがえるのは、先々代の知事が、曲がりなりにも、当会を含む県民の反対を押し切って多額の血税を投入して作ったモニュメントを、県財産有効活用課の担当者が「イベントなどさまざまな用途に活用したい。今後、具体策を検討していく」として撤去し、芝生を張り替える計画を山本知事が許可したという経緯です。
行政は継続性をもって事務事業を行わなければなりません。なので、知事が交代しても、後任は前任者の残した遺物を安易に否定することはできません。今回の場合、良くも悪くも県庁の正面のシンボルとして、大金をかけて作られた公的な工作物が、わずか20年で、撤去改廃されることになります。
しかも、県庁前のこの県民広場を「スポーツなどの多目的に使えるように、アイデアを出していきたい」などとして、現時点ではなんのビジョンも計画性もないのに、とりあえず壊して撤去するというのですから、呆れたバカバカしい動機です。
工作物の撤去と芝の張り替えの事業費として補正予算に計4400万円を計上した根拠として、山本知事は「デザインした芸術家には撤去の了解を得ており、議会の議決を得られ次第、工事を発注する。来年1月に県庁前を発着点に開かれるニューイヤー駅伝に間に合うよう、年内の撤去を目指す。」と説明しているようですが、本当に撤去する必要があるのか、説得力に甚だしく欠けた説明です。
先代の大澤知事も、先々代の小寺知事が使っていた知事公舎を壊したのに、愛人を連れ込むために副知事公舎を血税3000万円以上かけてジャグジー風呂や、人目を避けては出入りできるようにリモコンで開閉できるゲートや、外部からの目隠し設備などの整備に費やしました。
これでは、知事が交代するたびに、公金を投入した財産を作っては壊し、作っては壊しで、まるで、どこかの独裁国家のやりようを見せつけられるようです。
石造りの工作物の償却期間は50年と言われています。ですので、モニュメント21も最低50年、否、それ以上に群馬県行政の「負の遺跡」として、末代まで現地に置き続けて欲しいものです。
■今年7月8日、「安倍、竹中の次はお前だな、県税私的流用腐れ一太」と山本知事のTwitterに投稿して、なぜかブロックされずに、7月9日に県職員により警察に通報され、同27日までに逮捕された派遣社員のニュースが報じられましたが、山本知事への「県税私的流用」という指摘については、脅迫どころか、正鵠を得た表現だということができます。
実は、上記の毎日新聞や朝日新聞の記事にある通り、市民オンブズマン群馬として、モニュメント21をはじめ県民広場や駐車場にかかる一連の税金の無駄遣いについて、2003年当時、タスクチームを結成して、当時の小寺知事と県管財課に対して、反対意見を再々にわたり提出しました。
あれから20年、繰り返される群馬県行政の税金浪費癖がまたもや県民広場を舞台に繰り返されることに、どうしようもない行政の悪弊を痛感します。さっそく住民監査請求など、必要な対策を取りたいと考えています。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※20年前の当会の活動の模様
**********まど(安中市民通信)第91号2003年7月30日
【行政なんでだろう】
県民広場・駐車場の税金無駄遣い 指摘に慌てた県当局のお粗末対応
★タスク・チームの活動★
今年初めから調査をしてきた県庁前のモニュメント21やそれに伴う県庁前広場のさまざまな施設整備、そして県民駐車場の公金無駄使いの件で、市民オンプズマン群馬の五月例会までに、データの整理が行なわれました。
この問題の調査過程で、群馬県が業者と契約を締結する際の契約書の書き方の不手際も発覚しました。仮契約書を締結する際に、議会の議決によるという、条件付けが為されておらず、最初から、「議会で可決しなかった場合」というのを考慮していないのです。
市民オンプズマン群馬として初めて、タスク・チーム方式で取り組んだこの件は、今年前半の調査活動の集大成と位置付けて、意見書を六月一八日(水)に県知事に提出し、そのあと、記者会見をする予定にしていました。しかし、県知事選挙の直前と言うデリケートなタイミングなので、急違知事選後に提出することに変更しました。
七月六日(日)午後三時に、オンブズマンのタスク・チームの会議を開き、再度意見書の内容を見直しました。同日夜、過去最低の投票率三七・四一%の下で、現職知事が四選されたのを受けて、さっそく行動を開始することにしました。
七月一一日(金)、オンブズマンのタスク・チーム代表らが県庁の秘書課を訪ねて、四選を果した新知事宛に、次の二通の意見書を提出しました。
=====群馬県知事あて意見書(1)=====
平成15年7月11日
群馬県知事 小寺弘之 様
(総務部管財課 )
市民オンブズマン群馬
意見書提出代表者
住所 前橋市池端町
氏名 斎藤秀典
タスク・チーム 斎藤秀典、小川賢ら計四名
意見書
群馬県庁の県民駐車場・県民ひろばの関連事業に関する公金無駄使いの是正措置について
今年3月から、表件にかかる一連の情報公開請求を通じて、開示された情報を分析するとともに、貴殿に疑問点を質問してきました。その結果、税金の「無駄使い」について次のような結論に達しましたので、以前のように一般県民駐車場のような完全無料化、誘導員業務の簡素化とならびに地下駐車場の余剰スペースの県民への開放、さらに 、追加契約で公金支出を余儀なくされた計画変更の責任の所在の明確化と、それにもとづく責任者への損害請求など、是正のための措置を早急にとるよう、ここに強く意見します。
意見の内容
貴殿は、平成13年12月に収容台数752台の「県民駐車場」(立体駐車場)なる施設の供用開始をしましたが、これに伴い、下記の支出を行ったり計画をしたりしています。これらは税金の無駄使いと考えます。
記
(1)建物及び設傭に約60億円もかけた県民駐車揚は、コンピュータを駆使して省力化を図った自動駐車場の筈です。東朋産業に支払われていた以前の駐車場整理委託費は平成12年4月1日から平成13年3月31日までにわたり1680万円。ところが、年々急増し、平成13年4月1日から平成14年2月28日までにわたり、約2300万円を支出し、平成14年1月から平成15年3月31日までにわたり大勢の県民駐車場誘導員に係る契約および同追加契約として、少なくとも約8600万円の支出をしています。
(2)以前は無料だった駐車料金が、県民駐車場の完成後は、月に200万円前後・年間約2453万円もの利用料金を県民から吸上げているにもかかわらす、上記の委託費のたった28%しか賄えない状況にあります。
(3)さらに、県庁舎の地下1、2階には、県民駐車場とは別に収容台数約270台の大型駐車場がちゃんと存在し、公用車専用駐車場などと称して、県職員が無料で独占的に利用し、一般県民が入場できないようにしています。収容台数約117台の県庁北側駐車場も同様です。
(4)さらに、県民駐車場棟の建設工事に関しては、上記(1)の誘導員控室に係る設計変更として、約4300万円の追加費用を発生させています。
(5)県民駐車場完成以前、県民ひろば(約261台収容)や、県庁地下駐車場(約270台収容)や、県庁北側駐車場(約117台)や 、昭和庁舎酉駐車場(約60台)など少なくとも約708台分の駐車場所がありました。県民駐車場の利用状況を見てみると、出入庫時間帯別台数集計から400~600台分の一般来庁者駐車場があれば問題がないことも判っています。通常時は、駐車台数は300台足らずで、常に6割分が無駄になっていることになります。つまり、駐車場を有効利用すれば、これらの税金の無駄使いの必要性は全くないのです。
(6)県債残高約9000億円(ただし一般会計分のみ)という厳しい県財政の現在、県民駐車場・県民ひろば・モニュメント21の関連事業という必要性も費用対効果も成り立たないような無駄な事業に総額62億円を費やし、これを維持することは、「県民に対する損害」ではありませんか。
(7)県民サービス向上のために、以前のように一般県民駐車場の完全無料化の処置を取るよう求めます。
(8)さらに、早急に誘導員業務の簡素化、並びに地下駐車場の余剰スベースの県民への開放、追加契約で公金支出を余儀なくされた計画変更の責任の所在の明確化と、それにもとづく責任者への損害賠償など、是正の為の措置を取るよう求めます。
(9)さらに、上記(1)の委託費の急激な増額の根拠について、納得いく回答を求めます。
(10)この意見書に対して、7月18日(必着)までに知事の回答書を、要求します。
以上
=====群馬県知事あて意見書(2)=====
平成15年7月11日
群馬県知事 小寺弘之 様
(総務部管財課 )
市民オンブズマン群馬
意見書提出代表者
住所 前橋市池端町
氏名 斎藤秀典
タスク・チーム 斎藤秀典、小川賢ら計四名
意見書
群馬県庁のモニュメント21関連事業に関する公金無駄使いの是正措置について
今年3月から、表件にかかる一連の情報公開請求を通じて、開示された情報を分析するとともに、その結果、税金の「無駄使い」について次のような結論に達しましたので、モニュメント21事業の即時中止の措置をとるよう、ここに強く意見します。
意見の内容
貴殿は、平成14年からモニュメント21関連事業を行い、これに伴い、下記の支出を行ったり計画をしたりしています。これらは税金の無駄使いと考えます。
記
(1)以前無料だった県庁前の駐車場にかわり、同じ場所を県民ひろばと証して、「21世紀とこれから生まれる子供を祝福する」という趣旨で「モニュメント21」なる建築物をわざわざ25年を費やして作ることを決定しています。これに伴い、県は、県民ひろばにおいて、2億円以上の公金をすでに使い、舗装解体、造成、植栽・移植、機械・電気設傭等、モニュメント21に閲連する諸工事を平成15年3月までに実施しました。これらの工事自体、あきらかな公金の無駄遣いですが、さらに、設計変更や、出来高変更などを理由に、総額約3000万円の公金を追加契約で支出しました。設計変更による金額の削減例は一件もありません。さらに、杜撰な計画による追加契約の責任の所在も問わないままに、公金を垂れながしています。モニュメント21の工事に、14年度だけですでに約5000万円を投じています。これを計画通り毎年25年間続けるのですか。
(2)さらに、平成14年2月26日に21世紀記念モニュメント実施設計業務として、㈱佐藤総合計画に業務委託契約書として409万5千円を投じています。
(3)モニュメント21のような意義の乏しい事業と、それにより派生した不要不急な事業 および追加支出は、「21世紀とこれから生まれる子供を祝福する」ものではなく、「膨大な借金を子どもに負担させる」ものではありませんか。
(4)県債残高約9000億円(ただし一般会計分のみ)という厳しい県財政の現在、県民駐車場・県民ひろば・モニュメント21の関連事業という必要性も費用対効果も成り立たないような無駄な事業に、総額約62億円を費やし、これを継続することは、「県民に対する損害」ではありませんか。
(5)今年度、新たに関連事業として、県議会前に(御影石で出来た約450万円もする)「群馬県議会」という石碑と、モニュメント21に「群馬県庁」という石碑が完成しました。それから、昭和庁舎前にガラス製の碑を建てるそうですね。いったいいつまで公費の垂れ流しを続けるのですか。
(6)モニュメント21は、県民生活に全く不必要かつ無駄な公共事業というのが実体です。県知事の「公共事業は、県民生活に真に必要かどうかを考えて個別に判断する」との選挙の時の主張に照らしても、明らかに矛盾・違背しています。個別に判断した上で、当然、モニュメント21関連事業を白紙撤回すべきではありませんか。
(10)この意見書に対して、7月18日(必着)までに知事の回答書を、要求します。
以上
==========
★非常識な県職員の対応★
こうして「意見書」二通は、市民オンブズマン群馬タスク・チームから七月一一日午前一〇時に秘書課を通して新知事へ提出しました。応対に出たのは、県庁秘書課係長の浅野氏で、オンブズマン三名から「名刺を頂きたい」と申し出ると、ババ抜きのように名刺を三枚、片手で突き出すように差し出しました。
午前一一時に記者会見を行いました。その様子は翌日の新聞各紙で報道されたとおりです。ところが、同日午後四時半頃、県総務部管財課の大島次長が、部下一名を引き連れてタスク・チーム代表者である斎藤氏の店にやってきて、「県民駐車場工事等についての意見書について」と題する群馬県総務部長高木勉の書状を差し出しました。
あまりの突然の来訪にビックリした斎藤氏は「私が出したのは、新知事に対しての意見書です。新知事に対して回答書を要求しているのです。帰ったら、しっかり伝えてください。これは預かっておきますが。」と念を押しました。
=====総務部長からの反論書=====
県民駐車場工事等についての意見書について
本日、「市民オンブズマン群馬」が群馬県庁の県民駐車場、県民ひろば、モニュメント21の整傭に関し、不正確なデータと事実に反する内容により、県民に対しあたかも県が公金の無駄遣いをしているかのような発表をしたことは誠に遺憾である。
これまで、開かれた県庁を目指して県民に気軽に利用してもらえるような施設整備を進めてきた。その結果、新庁舎開設以来現在までに展望ホールには167万人余の方が訪れたほか、業務でも多くの方々が来庁されている。
また、平成14年度には142件の催し物が県民ひろばを中心に開催され、62万人の方々が県庁を訪れた。
このように、県民駐車場や県民広場が多くの県民に利用され、全国的にも例をみない開かれた施設となっていることを正しく評価せず、多くの県民の皆さんに不信感を与えることに関し強く抗議する。
平成15年7月11日
市民オンブズマン群馬
意見書提出代表 斎藤秀典様
群馬県総務部長 高木 勉
==========
★支離滅裂な県の反論★
反論書の中で、総務部長は「不正確なデータと真実に反する内容により」と言っています。つまり県の情報公開で出て来た資料が「不正確でいいかげんな情報公開」と認めていることになります。
★翌七月一二日の新聞報道★
==========読売新聞2003年7月12日
県民駐車場巡り意見書 市民オンブズマン
市民オンブズマン群馬(樋口和彦代表代行)は一ー日、県庁の県民駐車場が有効に使われていないなどとして、小寺知事あてに意見書を提出した。同オンブズマンによると、〈1〉整理業務委託料が、昨年度は六千九百七十万円と、県民駐車場仕様前の約四倍に増えているのに、通常時は六割が空いている〈2〉県民駐車場以外に三か所ある駐車場は、公用車専用として一般県民が使えない――などとして、県民駐車場の誘導業務の簡素化や他の駐車場
の開放などを求めている。県管財課は〈1〉県民駐車場は、収容台数七百二台に対し一日平均千五百台が使用し、稼働率は高い〈2〉県民駐車場以外の駐車場も一般県民に開放しているものがある――などとし、「オンブズマンの指摘は、無駄遣いには当たらない」としている。
==========
★県が緊急記者会見!★
管財課次長が斎藤氏の店を訪れる少し前、群馬県は七月一一日の午後四時、オンブズマンの意見書に対してマスコミだけを対象に約一時間半にわたり緊急記者会見を行いました。
席上、斉藤氏の店に持参した「県民駐車場等についての意見書について」も同時に公表しました。さっそく記者から「不正なデータとは具体的にはどの部分か?」という質問が出ましたが、県からは明確な返答はありませんでした。県は、「これでこの件は終わり」と記者団に向かって発言しました。
=====県の緊急記者会見の資料=====
平成15年7月11日
管財課庁舎管理グループ
内線:21221、2125
(参考)
市民オンブズマン群馬の意見について
■県民駐車場の整備について
1 建設の経緯
①県庁舎等(県庁、県議会、駐車場棟)の基本構想及び基本計画は、提案協議方式(コンペ)を実施し、群馬県庁舎建設基本構想提案協議審査会の審議を経て、平成3年10月に決定した。この中で、地下方式と地上駐車場を併せ持つ駐車場棟が、提案されている。
②採用提案に基づき、県庁舎建設委員会、県議会新庁舎建設特別委員会及び群馬県庁舎建設懇談会において基本計画、実施計画の検討を進める中で、地下駐車方式を採用することが決定した。
③地下機械式駐車方式を採用した理由は、次の通りである。
・県庁舎裏側に高層駐車場を建設することは、景観保護上並びに隣接住民対策上好ましくない。できるだけ地下駐車方式を採用するべきである。
・地下駐車場に700台駐車させるには、自走式の場合地下4階となり自走距離が非常に短くなり、実現は無理である。
④平成9年度に機械式駐車システムの導入検討委員会を設置し、8社によるプロポーザルにより現在のシステムを採用した。
2 施設概要
①構造 鉄筋コンクリート造 地下2階、地上2階建て
②規模 建設面積5677・87平方m 延べ床面積12446.30平方m
③駐車台数 702台(機械式648台、自走式34台、2段式20台)
④駐輪台数 自転車1200台、バイク130台
⑤建設工事 12年3月~13年12月
3 建設費
総額 5824百万円
4 年間誘導委託費
14年度 69767千円
5 市民オンブズマン群馬の意見について
①県民駐車場完成以前、708台分の駐車場所があったとい
うが、実際には県庁東側(現県民広場)約210台、昭和庁舎西側約60台、計270台であり、来庁者用駐車場は確保しきれない。当時は利根川の西に駐車場を借用してシャトルバスを運行していた程である。
県庁地下駐車場270台と言っているものについては、議会地下駐車場で(県庁地下に駐車スペースはない)その収容台数は183台である。
「職員が独占的に」と、恰も私有車を通勤用に駐車しているかのような表現をしているが、その分については、公用車117台と県議会議員等58台、公用車予備8台である。
②県民駐車場の練働率が低いとの指摘があるが、一日あたりの最大2597台(回転率3・73)、平均で1500台(回転率2・2強)となっており、駐車場としては高い稼働率である。
③県民駐車場の無料化を求めているが、2時間までは全て無料である。長時間利用については、回転率の向上と目的外使用の防止のため、受益者から若干の負担を頂いているが、公務で来庁する方については2時間を超えても無料としている。
④誘導経費については、来庁者が安全、確実に駐車できるための必要経費である。
■モニュメント21の整傭について
1 概要
①モニュメントは1年1年積み上げるように造っていき、25年という年月をかけて造り上げていくこととしている。造っていく間にも、子供達が遊んだり、来庁者がくつろいだり、イベントに使ったりと、いろいろに楽しみながらモニュメントを使用していくこととしている。
②14年3月県民広場整備計画と合わせて県議会の報道発表を行うとともに県庁玄関ホールでの計画図及び計画の模型の展示、県ホームページヘの掲載などを行い県民にお知らせしてきた。
2 整備費
①14年度 2206万円(日本宝くじ協会助成金)
②23年間同額を要するわけではない。次年度以降は少額となる。
以上
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★県に対して再度要請を決定★
七月二〇日のオンプズマン例会の席上、この問題をタスク・チームで話し合いました。
県当局が自ら作成して開示した公文書を「不正確なデータで事実に反する」と認識していることから、このまま、この問題を放置することはできないため、実務担当責任者の無責任な回答ではなく、新知事から正式回答を求める必要があるので、再度、要請する方針を決めて、二五日に知事宛に次の書状を提出することになりました。
=====意見書への正式回答要請書=====
平成15年7月25日
群馬県知事 小寺弘之 様
市民オンプズマン群馬
7月11日付意見書への正式回答を求める要請書
本状は、平成15年7月11日に、我々が貴殿に対し、県民駐車場・県民ひろば及びモニュメント21に係る公金の無駄遣いについて指摘するとともに、貴殿の見解を求めた意見書に対し、同日、「群馬県総務部長 高木 勉」の名前で、マスコミ各社に発表された、「不正確なデータと事実に反する内容で、あたかも県が公金の無駄遣いをしているかのような発表をしたのは非常に遺憾」という県の発表に厳重に抗議するものです。私たちは、貴殿に対して、意見書を求めたものであり、貴殿に無断で公金の無駄使いを行っている当該部署の責任者の名前だけの回答を求めているのではありません。あらためて、県民の付託をうけた新知事としての貴殿からの回答を要求します。
我々が、7月11日に提出した意見書のデークは、県当局が情報公開条例に基づき公開した書類に基づいているものです。不正確なデータと事実に反する内容と、言われる覚えは全くありません。不正確なデータと事実に反する内容が、いったいどこにあるのでしょうか。貴殿には、我々が指摘した意見書の根拠とした県当局提示の情報のうち、どの部分が「不正確なデータ」で「事実に反する」のか、きちんと特定して説明する責任があります。貴殿の部下である総務部長高木勉が、県民に開示したデータが不正確であり、県民に事実に反する意見を受け付けた、と自ら認識しているなら、総責任者である貴殿には、さらに重大な説明責任があるのではありませんか。県民に開示したデータのどこに間違った情報があるのか、事実に反するデータに基づき意見書を出した県民として、詳しく知りたいので、その根拠となるものを具体的にご提示下さい。なお、その根拠を示した書面は、平成15年7月31日(木)必着で、郵送ないしFAXにてご提示願います。
もし、期日までに根拠を示した書面回答が為されない場合は、上記の県のコメントを貴殿の回答そのものと受け止め、根拠のない無責任な回答をマスコミを通じて、ひろく県民に対し、あたかもオンブズマンがデタラメな意見を吹聴したのかのような発表を行ったことにより、我々オンブズマンの名誉と信頼を傷つけられたと解釈せざるをえません。あらためて、新知事からの回答を要求します。
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★あわてる県職員★
七月二五日午前一一時に、タスク・チーム三名が県庁を訪問し、斎藤代表が「7月11日付意見書への正式回答を求める要請書」を、秘書課職員に渡して、名刺を頂きたいと申し出たところで、浅野秘書係長が再登場し、「私が預かるから」と言って割り込んできたので要請書を県庁秘書課係員の浅野達郎氏に預けました。その際、浅野氏は「今日は知事は県庁にいない」と嘘を言いました。約一〇分後、秘書課へ抗議しましたが、課長以下、職員全員に「……」と無視されました。
数分後、携帯を使おうとした瞬間、浅野氏が再び登場。「電話は、(部屋の)外へ行ってかけて」と追い出される一幕もありました。
★七月二五日の新聞報道★
=========東京新聞2003年7月25日
あらためて知事に回答求める市民団体、きょうにも「無駄遣い」問題で
県庁の立体駐車場など二事業について、市民団体「市民オンブズマン群馬」が「税金の無駄遣い」として、小寺弘之知事に意見書を提出し改善を求めた問題で、市民オンブズマン群馬は二十五日にも、あらためて知事の回答を求める要請書を県に提出する。
オンブズマン群馬は十一日、「立体駐車場と県庁前広場のモニュメント建設は必要のない事業だった」として、知事あてに意見書を提出。県は即日、総務部長名で「不正確なで〇田と事実に反する内容で、非常に遺憾」と抗議。知事の回答は行わないとした。
これに対し、オンブズマン側は、「意見書のデータは、情報公開条例で県が公開した書類に基づいている。どの部分に誤りがあるのか」と抗議、あらためて知事からの回答を要請するという。
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★待たれる、県知事の対応★
このように七月二五日に、知事室秘書課に再度の意見書を提出した時に、浅野係長が横から意見書を奪い取り、最初に応対した職員の「知事は居ますか?」という質問にも「知事は居ません」と平然と噓を言いました。こうした態度は公務員としての職務を全く理解していません。
さらに困るのが、それら一部始終を看過していた上司の対応です。秘書課の課長は、県民に対する公僕としての不手際を自分の部下に何も注意できずに、ただ傍観しているだけでした。秘書課幹部はおそらく県民の為に働くという意識は持ち合わせていないようです。秘書課の自分たちは特権階級だとでも思い上がっているのかもしれません。それらを掌握すべき知事の人事権はいったいどこにいっているのやら、と感じました。憲法一五条には、職員の罷免権は国民にあると定めています。
というわけで、主権者は誰にあるのかを理解してもらうために、さらに活動を進めることにしました。なぜか、県民からの意見書に対して、あのようなトンデモナイ反論をしたのか、県内部の考え方を知る為に、七月二九日に「意見書に対する対応を協議した一切の資料」を情報公開請求することにしました。この結果は来月お楽しみに。
【市民オンブズマン群馬】
**********まど(安中市民通信)第92号2003年8月20日
税金無駄遣いの象徴・モニュメント21
有名芸術家の作品をパクリ 「本物志向」知事の顔にドロ
まど7月号でも報じた通り、県庁内の県民広場で、巨大なモニュメントを今後25年かけて作るという工事が始まりました。
県当局の計画では、モニュメント21の整傭について、「モニュメントは1年1年積み上げるように造っていき、25年という年月をかけて造り上げていくこととしている。造っていく間にも、子供達が遊んだり、来庁者がくつろいだり、イべントに使ったりと、いろいろに楽しみながらモニュメントを使用していく事としている」そうです。
すでに平成14年度事業として完成されたモニュメントの銘板には次のように記されています。「モニュメント21 21世紀を記念して、ここにモニュメントを作ります。群馬の未来への思いを込めて毎年少しずつ積み上げ、25年かけて完成される予定です。高さは7・5mになります。このモニュメントは、毎年広場の利用の少ない時期に短期間で工事を行い、多目的な舞台として活用していきます。2002年12月群馬県」
平成一四年度までに実施されたモニュメント21及びその関連工事概要は、次のようになっています。
▼電光褐示板解体撒去工事
▽契約会社 城田興業㈱(前橋市石倉町)代表取締役社長・城田悦也
▽契約額 241万5千円
▽契約日 01年5月14日
▽工期 01年5月14日~5月31日
▼21世紀記念モニュメント実施設計業務委託
▽請負契約会社 佐藤設計㈱(東京都墨田区)代表取締役・島田孝好
▽契約額 409万5千円
▽契約日 02年2月26日
▽工期 02年4月27日~5月28日
▼モニュメン21建設工事及び歩道整傭工事
▽請負契約会社 阿部建設㈱(前橋市昭和町)代表取締役社長・阿部進一
▽原契約額 3885万円
▽追加工事契約額 1340万8500円
▽契約総額 5225万8500円
▽契約日 02年8月13日
▽工期 02年8月14日~12月20日
▽追加契約
起案 02年11月20日
決裁 11月22日
公印押印 11月25日
▽設計変更
①地盤改良の工法変更
②モニュメント上面表層の仕様変更
③モニュメント周辺表層の仕様変更
④県警排気塔の安全対策の追加
▽設計変更起案説明
①工事着手後に、支持層が深く当初の工法では施工が不可能であることが判明した後、その工法を変更する。
②モニュメント上面表層の降雨や風等による使用時の不具合を改善する為、土舗装から砕石舗装に変更する。
③モニュメント周辺表層の降雨や風等による使用時の不具合を改善する為、土舗装からゴンべ砂(当会注:花崗岩風化砂のこと)舗装に変更する。
④管理上及び県民ひろば利用上、県警排気塔に開閉可能な蓋をする必要があるため追加する。排気塔部は、県警地下駐車場の避難路となっており、配置する蓋は開閉できなければならない。
それにもかかわらず、県当局は、「モニュメント21は、平成14年3月、県民広場整備計画と合わせて県議会の了解を得て報道発表を行うとともに県庁玄関ホールでの計画図及び計画の模型の展示、県ホームページへの掲載を行い県民にお知らせしてきた」「整備費は、平成14年度 2206万円(日本宝くじ協会助成金)。25年間同額を要する訳ではない。次年度以降は少額となる」などと、記者団に発表しましたが、オンブズマン群馬には返事をしません。
さらに、この県民広場の整備に際して解体された電光掲示板が平成6年後半に7961万9千円(消費税込み)で製作及び設置され、電源設備工事が731万3千円(同)、さらに制御用通信ケーブル工事が16万4800円(同)で実施されました。それを7年後の平成13年に前記のように、241万5千円で解体したのです。電光掲示板に総額9千万円近いカネをかけていたのです。恐るべき税金のムダ遣いです。
こうした税金のムダ使いについて、市民オンブズマン群馬では、7月11日に県知事に対して要請書を提出したところ、翌12日付けの上毛新聞を読んだ匿名の投稿者から、次のような指摘がありました。
=====オンプズマンヘの投書=====
モニュメントはそれが広場を利用する県民にとって本当に有効であり、なお且つ誇りに思えるになるのであれば、ある程度のお金をかける事は許容されてしかるべきでしょう。
けれども『モニュメント21』は、貴団体が指摘されているコスト面以外に、その造形的独創性においても問題あると思います。というのは、『モニュメント21』は著名な彫刻家であり、現在でいう環境クリエーターでもあった故イサム・ノグチ氏が世界を旅する中で創り出した彫刻遊具「スライド・マントラ」シリーズのうちの2種類を組み合わせて、多少アレンジを加えただけ(幅を広げたり、スロープを階段に変えたり)のように見えるからです。先人のコンセプトや考え方を参考にするのは構わないと思いますが、造形そのものを借りてきてしまうのはいかがなものでしょうか(資料添付)。
小寺知事は常々、「本物を県民に…。」という発言をされていますが、あろう事か「まがい物」同然のものをお膝元に設置しようとしているのです。これでは県民の誇りになる筈がありません。県立館林美術館でのフランソワ・ポンポン死後鋳造作品の問題とともに、当の県本人が本物に対してあまりにも無知であるという矛盾を露呈していると思います。 一愛県民
参考書籍 PLAY MOUNTAIN ISAMU NOGUCHI + LOUS KAHN
★県庁の赤っ恥モニュメント★
参考書籍を見ると、まさに指摘通りの「パクリ」モニュメントであることが一目瞭然です。このようなモニュメントをつくるために、わざわざ62億円以上もかけて県民駐車場や県民広場をつくって、県庁前にスペースを設けたのではたまったものではありません。
このデザインは、群馬県庁舎等アートプロデューサーという肩書きをもらった東京藝術大学教授の池田政治氏が行ったようですが(後段の参考資料参照)、なぜ、あたかもオリジナルのようなふれ込みで、高い費用と時間をかけたのでしょうか。芸術肌の小寺知事は、これを知ったら、どういう反応を採るのか非常に関心が持たれます。
市民オンブズマン群馬では、これ以上、群馬県の恥を晒さないように、計頭の即時中止を小寺知事に要求していくことにしています。
【市民オンブズマン群馬】
※参考資料
*****平成12年6月5日策定*****
県庁舎関連「ひろば」整傭・利活用基本構想(中間報告)について
基本構想目次
II 利活用のコンセプトとその方向
4 県民広場
(1)施設の現況
政治・行政機能と交流・文化機能を有する県庁舎・昭和庁舎の立地する敷地は、それら両機能の補助的機能として外来者駐車場の側面を持っています。
一方で、県民広場は、県民が自由に出入りできる集いや憩いの「ひろば」としての側面を持っており、イベント等の場としての活用が始まっています。
面積 8,350㎡(議会議事堂前1,800㎡、県庁舎・昭和庁舎前4,500㎡)
駐車台数 約261台(駐車棟完成まで、当面仮舗装)
県庁の敷地面積 54,449㎡
(2)利活用のコンセプト
県民相互の出会いの場 県民参加の場
・出会いを生み出すための様々な試みを行う拠点
・県民が親しみと安らぎを持てる空間
・多様な県民活動の担い手に機会を提供
・担い手発掘・育成の場
▼交流の場作りの拡がり
▼利活用の報告
・県民相互の出会いの場を創造するため、当面はイベント会場とします。
・県庁舎関連「ひろば」への来訪者が憩える、植栽なども考慮します。
・県民主導の利活用を促進し、主体性・自主性・想像力を損なわない範囲で担い手育成に必要な支援を検討していきます。
・様々な仕掛けを工夫し、多くの県民に参加を促し、自主的な活動の経験を積み重ねていきます。
・県民の暮らしにまつわる様々な活動の実験の場でもあり、日常的な利活用も試みます(ラジオ体操など)。
(3)段階的な利活用
ア 駐車場棟完成までの利活用
平成13年12月の駐車場棟完成までの間、県民広場は駐車場としての利用が必要なため、イベント会場としての利用は、土・日曜日・祝日等に制限されますが、積極的に利活用を進めます。
イ 国民文化祭までの利用
前記2(3)イと同様とします。
=====県庁県民駐車場=====
■構造 鉄筋コンクリート造り、地上・地下各2階建て
■収容台数 752台
■利用時間 午前8時~午後10時30分(入庫は午後9時30分まで)
■利用方法 入口で交付される駐車券により、入庫・清算・出庫します。
■利用料金 2時間まで無料。以降30分ごとに100円。
■その他 駐車場では、係員の誘導があります。自転車・バイク置き場は、駐車場内にあります(無料)。
■問い合わせ先 県庁管財課
=====県民広場=====
【構想】
県民駐車場の完成に伴い、県民広場を「誰もがいつでも憩える広場」に整備します。
【基本的考え方】
ア 県民意見の取り入れ
平成8年度から行ってきた県民意見を取り入れた計画としました。
【県民のみなさんから寄せられたご意見】
◆県民 一般県民、市民団体、都市計画家、イベント活動家等
◆手法
○意見交換会、シンポジウム、ワークショップ等
○県民広場における各種イベントの実践
上州の夏祭り
動物ふれあいフェスティバル
国際交流まつり
収穫感謝祭 以上
◆主な意見
多目的広場 芝生広場 木蔭が欲しい 電気給排水施設 常設ステージ
ベンチ 最小限度の設備 空間が欲しい など
イ 開かれた県庁
官庁街の中に開かれた空間を確保することにより品格を表現し、多目的利用が可能な広場空間を創出しました。
※県民広場 上品でシンプルなデザインを心がけ、誰もがいつでも立ち入れる芝生広場としました。
※議会前広揚 昭和庁舎前にあった貴重品である多行松と芝生というシンプルな組み合わせにより、静かで落ち着いた風景を作り出します。
※県議会南 各種記念樹を配置した記念樹庭園とします。
注・通常、「県民広場」とは昭和庁舎及び県議会前の広場を併せた広場を指します。上記は便宜上書き分けてあります。
=====モニュメント21=====
【構想】
21世紀を記念して、県民広場に25年をかけてモニュメントをつくります。子どもの誕生を祝福し群馬の未来への思いを込めて少しずつ造りあげていきます。
【基本的考え方】
○毎年毎年1段(16センチ)ずつ積み上げていき、25年後に完成させます。
○毎年、群馬県で生まれた子どもの名前を、モニュメントに配した美術陶板に記載しますが、その方法等については、現在検討中です。
○建設の途中でも、常に多目的な活用ができる舞台にします。
【デザイン】
群馬県庁舎等アートプロデューサー 東京藝術大学 教授 池田政治
【完成予想図】 略
【25年間の建設過程想定図】 略
■問い合わせ先
総務部管財課 企画部企画課
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**********まど(安中市民通信)第93号2003年9月20日
税金ムダ遣いの象徴・モニュメント21
知事に直接回答を再要請 無視できず、県が反応?
まど8月号で報じたように、県庁内の県民ひろばで、巨大なモニュメントを今後25年かけて作るという工事に関して、コストとデザインの両面で県民から批判が出ています。
市民オンブズマン群馬では、知事にこれ以上税金の無駄使いをしないように強く申し入れるため七月一一日、書面で要請書を出しました。
ところが、県知事は、オンプズマンの要請に対して回答をしないばかりか、県総務部の高木部長が勝手に「県民駐車場工事についての意見書について」と題する書面を作成し、七月一一日午後、オンブズマンに出してきました。
それには「オンブズマン群馬が群馬県庁の県民駐車場、県民広場、モニュメント21の整備に関し、不正確なデータと事実に反する内容により、県民に対しあたかも県が公金の無駄遣いをしているかのような発表をしたことは誠に遺憾である」と記してありました。
オンブズマンは情報公開で入手した県情報をもとに、データを分析して、税金の無駄使いを指摘したのですが、その根拠となる県提供デークの信憑性を、県自身が否定したのです。
このため、七月二五日にあらためて知事に対して回答要請書を出しましたが、未だにナシの礫。また、七月三〇日に、県知事に「七月一一日オンプズマン意見書に対する対応を協議した一切の資料」について情報公開請求したところ、八月一四日に公開されたものは、なんとオンブズマンの意見書と、総務部長の回答書面だけでした。
そうした中、県民から、モニュメント21は、署名な彫刻家の類似作品だという指摘がありました。盗作を県庁の真ん前に展示ずれば、県民の芸術性に疑問符が付いてしまいます。
そこで、八月二七日に、オンブズマンとして、この問題をこのまま放置しておくわけには行かないため、急遽、知事あてに再要請書を提出しました。
=====知事あて再要請書=====
平成15年8月27日
群馬県知事 小寺弘之 様
(総務部管財課 )
市民オンブズマン群馬
意見書提出代表者
住所 前橋市池端町
氏名 斎藤秀典
タスク・チーム 斎藤秀典、小川賢ら計四名
7月11日付意見書への正式回答を求める再要請書
このことについては、平成15年7月25日に貴殿に対して、正式回答を求める要請書を提出したところ、現在に至るまで回答書面をいただいておりません。
これに関連して、7月30日(水)に、貴殿に対して「意見書に対する対応を協議した一切の資料」を情報公開請求したところ、8月14日に当該資料の開示を受けましたが、その内容たるや、なんと「意見書」と「群馬県総務部長の回答」書面のみでした。
その際、貴殿の部下である総務部管財課の職員から「いままで、そちらが情報公開条例で出した資料と、部長が頭の中に入っている事を書き出したので、裏づけ資料など存在しないから出せない」と口頭での発言がありました。しかし、私どもに公開された資料は、あの回答書の情報とは程遠い内容のもので、数値など詳細なデータが不足しており、別の資料を参考にしなければ、あの回答文書作成できないことは明らかです。
平成15年7月11日、私たちが、県民駐車場・県民ひろば及びモニュメントに係る公金の無駄使いについて指摘するとともに、貴殿の見解を求めた意見書に対し、同日午後、「群馬県総務部長 高木 勉」の名前で、「不正確なデータと事実に反する内容で、あたかも県が公金の無駄遣いをしているかのような発表をしたのは非常に遺憾」という回答がありましたが、裏付けのない不正確なデータは、我々オンプズマンではなく、貴殿の部下が出した事を貴殿の部下が自ら認めたことになります。
このように、県職員が、開かれた県政を象徴する情報公開制度を自ら踏みにじったことが明らかになりました。貴殿には、県政の最高責任者として、我々が提言した意見書の内容を、真摯に検討して、すみやかに実行することが求められています。
また、県庁内の県民広場では、昨年度からモニュメント21の建設が25年間の予定で開始されましたが、このグランド・デザインが故イサム・ノグチ氏の彫刻に極めて類似していることが判明しました(添付資料参照)。
このような模倣品を、我々県民の象徴として県庁内に四半世紀もかけて建設し、維持することは、県民の恥にほかなりません。芸術分野に造詣が深く、常々、「本物志向」を標榜している貴殿としては、我々が指撞するまでも無く、このような事業に公金を投じることは耐え難いとお考えでしょう。
県民の血税を62憶円も使って無用な県民駐車場を建設し、その結果、空いたスペースに、このような「パクリ」施設を毎年数千万を投じて25年もかけて整備するような税金のムダ使いは、即刻中止するよう強く要請します。
なお、この要請書に対する貴殿本人の回答を、9月5日(金)必着で、郵送ないしFAXにてご提示願います。
以上
★翌日の新聞報道★
==========東京新聞2003年8月28日
市民団体、知事に回答を再要請 県庁立体駐車場
県庁の立体駐車場など二事業について、「税金の無駄使い」として改善を求め、小寺弘之知事に回答を要請している市民団体「市民オンプズマン群馬」は二七日、改めて知事の回答を求める要請書を県に提出した。
オンプズマンは、先月一一日に意見書を提出。県が総務部長名で「不正確なデータに基づく根拠の無い意見」と回答したため、同月二五日にも知事の回答を求める要請書を出している。
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★県管財課から反応あり★
九月五日期限を目前にした、九月四日午前一一時頃、県管財課の青木氏からオンブズマンに電話がありました。
「県民広場の件で、どうも色々と誤解というか意見の食い違いがあるようなので、そちらと話し合いの場をもちたいのですが、三日間用意したので、八、九、一〇日の三日のうちのどれか、午前中(一〇時過ぎ)で話し合いたいのですが」との話でした。
オンブズマンとして、これ以上、無意味なやりとりは時間の無駄だと判断して返答しないことに決めました。そのかわりに情報公開をきちんとしなかった県知事に対して、異議甲立をすることにしました。
【市民オンブズマン群馬】
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