↑NHK前橋放送局「ほっとぐんま630」で9月13日に放送された「県庁モニュメント問題」の一シーン↑
■2022年7月21日の群馬県知事選で初当選した山本一太知事ですが、3年を経過していよいよ本性を現しつつあります。もともと外遊好きであることは、かつてJICA(国際協力機構)に勤務していた当時からの習性ですが、大統領的な権限をもつ知事に就任してからは、コロナの影響で自粛をよくなくされていました。ところが最近の渡航制限緩和に便乗し、チャンス到来とばかりに、さっそく8月2日(火)から6日(土)にかけて、ベトナムのハノイとダナンを訪問し、続いて、9月5日(月)から14日(水)にかけてフィンランドのヘルシンキと米国インディアナ州を巡り、念願の世界一周旅行を果たしました。
そうした中、当会は、9月12日の正午過ぎにNHK前橋放送局の田村華子記者から取材の打診を受けました。目的は、県庁舎前のモニュメントの解体・撤去に関する公費の妥当性について、この問題に取り組んできた市民団体としての見解を聞きたいというものです。
当初は、当会の事務局で取材を受ける予定でしたが、エアコンの修理中だったため、適当な場所が確保できないため、同日の午後4時からNHK前橋放送局内の会議室でカメラ撮りを行うことになりました。
■さっそく、当会の代表と事務局長と現地の前橋放送局前の駐車場で集合し、体温と手指の消毒を済ませた後、午後4時に受付で「田村記者」を尋ねました。ロビーの奥のテーブルについて待っていると、田村記者がやってきて、奥に向かって左手の通路の左側にある会議室に案内されました。
既に女性カメラマンと、男性スタッフが待機していました。取材用の椅子が一つしかなかった為、当会の代表がインタビューを受けることになりました。
男性スタッフに小型のワイヤー付きマイクをワイシャツの裾から通して左側の襟に止めると、さっそく取材開始となりました。
■取材開始前に田村記者から「カメラを意識しないように、自然体で、私の目を見て、普通に会話するイメージでお願いします」と言われたので、田村記者の目をじっと見つめて話すよう心掛けました。しかし、あまりじっと見つめるのも失礼かと思い、視線はカメラの方を向けないように、適宜、身振り手振りにしたてって、方向を変えるようにしました。
田村記者からは数項目の質問がありましたが、その場で、当会の考え方をアドリブで回答しました。事前のリハーサルやシナリオなどまったくなく、ぶっつけ本番でした。
準備作業も入れて20分ほどで取材は終了しました。インタビュー後、ひとしきりこの問題について田村記者と話しました。同記者によると、群馬県の財産有効活用課いわく、「撤去したモニュメントの石はリサイクルせずに、廃棄する」のだそうで、その理由について「石材どうしがセメントで固着されているので、切り離せないため」なんだとか。「SDGsが世界的に叫ばれている今日、群馬県行政は、なんという時代錯誤の感覚を引きずっているのでしょうね」と、同記者とともに嘆息を禁じ得ませんでした。
■そして、NHK前橋放送局からネット記事として、翌日の昼過ぎに発信され、テレビ放映については、同じく9月13日の午後6時半からの「ほっとぐんま」の番組の中で、報じられました。以下のネット記事と、画像を参照ください。
**********NHK News Web 群馬 前橋放送局 2022年09月13日12:52
県庁舎前モニュメント 未完成のまま撤去へ 県の対応に批判も
群馬県庁の庁舎前に20年前から8500万円かけて建設されたモニュメントが、未完成のまま年内に撤去されることになりました。
撤去にはさらに4400万円かかるということで、建設に反対してきた市民団体は県の対応を批判しています。
前橋市大手町の県庁庁舎前にあるモニュメントは、前橋市出身で東京芸術大学の池田政治名誉教授がデザインし、当時の小寺知事が「群馬県庁」と書いた文字が刻まれています。
2002年に始まった建設当初の計画では、25年かけて7.5メートルほどの高さまで石を積み上げ、その石に、県内で生まれた子どもの名前を刻む予定でした。
ただ、県によりますと、個人情報保護や費用面などについての懸念を踏まえて3年後の2005年に建設が中止され、この間、8500万円の費用がかかったということです。
その後、未完成のまま残されてきたモニュメントについて、県は、県庁前の広場の再整備を目的に撤去することを決め、9月の補正予算案に撤去費用として4400万円を計上しました。
撤去は年内に行われる予定です。
建設と撤去に合わせて1億3000万円近い公金を県が投じたことについて前橋市の市民団体「市民オンブズマン群馬」は「税金のむだづかいだったが、建てたからには残しておけばいい」などと県の対応を批判しています。
一方、県の財産有効活用課は「多くの費用がかかることへの県民の批判があるのは承知している。ただ、今のまま放置すると県庁周辺を有効活用する機会を損失するため、未来への投資だと考えている」と話しています。
モニュメントの撤去について、前橋市の40代の女性は「この形が完成形で建っているのかなと思っていた。作ってしまったものはしかたないけれど、4000万円以上かけて撤去することはもったいないと思う」と話していました。
また、前橋市に住む70代の男性は「なじみがあるし、お金がかかるのならそのまま残しておいた方がいいと思う。このモニュメントを残した上で広場を作ればいいのにと思う」と話していました。
「市民オンブズマン群馬」の小川賢代表は「25年かけて7.5メートルの高さまで建設するといっても、いったいどんなものなのか、トータルでいくらかかるのかもわからなかった。そんなものを県民の意見を聞かずに作るのは不思議で税金のむだづかいだと思っていた」と当時を振り返りました。
一方で撤去については「合わせて1億3000万円近くかかる税金が“無”になってしまうので、“今のまま残しておけば”というのが正直な思いだ」と話しました。
そのうえで今後の広場の活用については「山本知事は記者会見で『これから考える』と発言したが、本末転倒だと思う。県民の意見を聞くことが基本でその意見を最大限反映して、SDGsなどの世界的な潮流ももっと取り入れ県民がきちんと理解できるような説明をして施策に反映してほしい」と注文をつけていました。
山本知事は今月1日の記者会見で「芸術作品自体は価値あるものだと思っている。デザインをした池田先生に、撤去の同意をいただいたことに本当に感謝したい」と述べました。
そのうえで、撤去後の広場のあり方について「広場を活用することで群馬県の存在感を高めて群馬県の魅力を発信できる、そして多くの人が集まる場所になるように、独自のおもしろいアイデアを出しながら議論をしていきたい」と述べました。
さらに、県の財産有効活用課は「広場は、スポーツやイベントなど幅広い用途に使えるように民間の知恵なども借りながら、にぎわいが創出できるような場を作っていきたい」と話しています。
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■当会では9月9日付で群馬県知事あてに次の内容の公文書開示請求書を提出しており、早ければ、9月23日ごろ、開示に関する何らかの連絡があるはずです。
*****開示を請求している内容*****
①解体撤去の根拠の一つとして、モニュメント自体の老朽化が進んだことを挙げているが、この根拠が分かる情報。
②「池田さんの許可も得て撤去を決めた」という証拠情報。
③既に芝生広場となっているのに「撤去とともに芝生を張り替え、今後は周辺を含めた約三千八百平方メートルを芝生広場として活用する方針」を打ち出した理由や根拠が分かる情報。
④モニュメント撤去費として計上した4400万円の内訳情報。
⑤既に「群馬県庁」と彫られているのに、わざわざ「県庁を示す銘板は新たに設置する」のか、その理由が分かる情報。
⑥もともと賑わいを創出するはずのモニュメントだったはずなのに、なぜ「イベントなどさまざまな用途に活用したい」ために解体・撤去する理由が分かる情報。
⑦「今後、具体策を検討していく」として、具体策も決めない内になぜ撤去しなければならないのか根拠を示す情報。
⑧「これまでの制作に8500万円がかかった」内訳を示す情報。
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■実は、群馬県行政の無駄遣いは上記の平成14年3月に発表された県民広場整備計画に伴うモニュメント21だけではありません。当時、この県民広場の整備に際して、平成6年後半に7961万9千円(消費税込み)の公費をかけて製作・設置された電光掲示板と、それに伴う電源設備工事に731万3千円(同)、さらに制御用通信ケーブル工事に16万4800円(同)の血税が投じられていましたが、それらを僅か7年後の平成13年に241万5千円かけて解体したのでした。
この電光掲示板にかかる一連の設置・解体・撤去に総額8720万円近いカネをかけていたのです。恐るべき税金のムダ遣いの連鎖が、知事が変わるたびに、相も変わらず繰り返されているのです。なんとかこの負の連鎖を断ち切らないと、群馬県行政の無駄遣い体質は、この先もずっと続くことでしょう。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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