■今年2月から事実上の商業運転を続けている前橋バイオマス発電施設に併設されている前橋バイオマス燃料㈱の木質燃料製造施設に配置されているチッパー、トレーラー、脱水機機器類について、7月19日付の公開質問状を地元住民が群馬県環境森林部林業振興課に提出していたことは、次のブログで報告したとおりです。
●2018年7月28日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…公有物を屁とも思わぬ関電工の横暴を地元住民らが行政にアピール↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2709.html
この度、群馬県から8月3日付けの回答書が届きました。内容は回答拒否同然です。
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まずは、地元住民が県に提出した公開質問状を見てみましょう。ご覧のとおり、住民の皆さんの不安や懸念が公開質問のかたちにまとめられています。
*****公開質問状*****PDF ⇒ 20180719jibpfgpj1.pdf
2018年7月19日
〒370-0
前橋市大手町1-1-1
群馬県知事 大澤正明様
(実施機関:環境森林部林業振興課)
(市民団体・住所・団体・代表者名・連絡先)
赤城山の自然と環境を守る会
前橋市鼻毛石町1991-9
野原 潤一
公 開 質 問 状
件名:前橋バイオマス燃料保有のチッパー、トレーラー、脱水機の使用状況について
拝啓 県内の林業振興と環境保全に日夜、奮闘賜り厚く御礼申し上げます。
さて、今年の2月から事実上の商業運転に入っていると思われる前橋バイオマス発電施設に併設されている前橋バイオマス燃料㈱の木質燃料製造施設に配置されている表件の機器類について、次の質問があります。
誠に勝手ながら、2018年7月27日(金)必着で、文書でご回答くださるようよろしくお願い申し上げます。
質問1:
当該外国製チッパーとボルボ製トレーラー(ローダークレーン付き)が、鼻毛石町の施設に見当たりませんが、どこに存在するのか、事業者から都度報告を受けて把握していますか?
質問2:
あるいは自らそれらの所在を定期的に確認すべく、事業者に報告指示をしていますか?
質問3:
当方の調査によると、チッパーについては6月ごろは鼻毛石町の施設内で稼働していたようです。赤城ビュータウンの田村眼科別荘の上に行くと音が聞こえたので、そのように推測できました。また、間伐材も頻繁に搬入されているのが地元住民によって目撃されています。しかし、7月7日時点で、同燃料会社の作業員の話によると「チッパーは川場村に運んである。川場村の土場で稼働している」とのことです。川場村にはトーセンとみなかみ森林組合の貯木場があるので、そこで稼働していると推定されますが、補助金で購入したチッパーを別の場所で稼働させることについて、問題はないのでしょうか?
質問4:
問題がない場合、その理由をご教示ください。
質問5:
ボルボ製のトレーラーについても、稼働場所(川場村なのか、県内なのか、県外なのか)や、使用方法(チッパーの牽引のみか、それとも、間伐材の運搬にも使っているのか)、および、管理者(前橋バイオマス燃料の社員が運転しているのか)についても、把握していますか?
質問6:
把握していない場合、事業者に報告を求めていただけますか?
質問7:
もともと鼻毛石町の施設構内ではなく、川場村の土場のようにほかの場所でチッパーが使われているとすると、仮にその機械を操作している人が、例えば前橋バイオマス燃料の社員ではなく、出資者であるトーセンの社員である場合に、前橋バイオマス燃料㈱が補助金で得た機械を別法人であるトーセンが無断で使用していることになりませんか?
質問8:
この場合に、問題はありませんか?
質問9:
貴殿は脱水機について昨年夏の補助金支払いの際に、従前に運転を確認したと思いますが、現在、どのような状況になっているのか、その後確認していますか?
質問10:
確認していなければ、今すぐ、事業者に確認を求めていただけますか?
敬具
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■今回、群馬県環境森林部林業振興課長の名義で送られてきた回答書は、次の内容です。
*****公開質問への回答書*****
(公印省略)
林振第30260-10号
平成30年8月3日
赤城山の自然と環境を守る会
野原 潤 様
群馬県環境森林部
林業振興課長 桑原 雅美
公開質問状について(回答)
平素、群馬県行政推進のため、ご協力いただき、誠にありがとうございます。
平成30年7月19日付けで送付のありました公開質問状「前橋バイオマス燃料保有のチッパー、トレーラー、脱水機の使用状況について」は、個別事業者の事業活動に関する情報となりますので、回答は差し控えさせていただきます。
なお、補助事業で整備した施設については、群馬県補助金等に関する規則や補助金交付要綱等に従い、補助金交付の目的が達成され、林業の振興につながるよう、補助事業者を指導しております。
担当:群馬県環境森林部林業振興課
TEL:027-226-3241
FAX:027-223-0151
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■この回答書から、群馬県が関電工とトーセンらのバイオマス発電にかかる亡国事業に対して、特別の配慮をあたえていることが改めてハッキリしました。
補助金の適正な使用を確認しているのであれば、きちんと住民の質問に答えられるはずなのに、それができないのは補助金が不適正に使われていることを自ら認めていることになります。
国や県から血税である補助金が支給されているのに、納税者である住民の皆さんに確認結果も示さず、さらには適法かどうかの判断もしないのが、群馬県の行政です。
このようにひどい行政に、税金や、緑の県民税、さらには緑の羽根募金などを使う資格はありません。引き続き、当会が地元住民団体とともに係争中の行政訴訟を通じて、群馬県行政の住民軽視の体たらくを追及してまいります。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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