■東電グループの関電工を事業主体とする前橋バイオマス発電施設は、群馬県が定めた環境アセスメントを行わないまま、昨年末迄に事実上竣工し、本年2月から本格運転が開始され、4月24日には行政関係者を招いて完成披露式=開所式まで開かれてしまいました。この暴挙を食い止めようと、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起しました。先日6月20日(水)午前10時30分に開かれた第9回弁論準備で、裁判長から被告に対して訴訟指揮がなされました。今回はその指揮に基づき、被告から第7準備書面が8月1日付で送られてきました。
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当会が提出した原告準備書面(8)の求釈明について、群馬県が今回、回答してきましたが、これでは回答になっていないことがおわかりいただけると思います。当会の求釈明の内容は次のブログ記事を御覧下さい。
○2018年6月15日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…6月20日前橋バイオマス補助金返還第9回弁論に向け原告が準備書面(8)提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2669.html
被告群馬県の第7準備書面の内容は次のとおりです。
*****送付書*****PDF ⇒ 201808010_soufusho.pdf
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
ご担当書記官 森山 様
小川 賢 様
羽鳥 昌行 様
平成30年8月1日
前橋市大手町3丁目4番16号
被告訴訟代理人
弁護士 織田 直樹
電話027-235-2040
送 付 書
事件の表示:御 庁 平成28年(行ウ)第27号
事件名 住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求事件
当 事 者:原 告 小川 賢 外1名
被 告 群馬県知事 大澤 正明
下記書類を送付致します。ご査収の程,宜しくお願い申し上げます。
1 第7準備書面 1通(3枚)
2 乙14号証 1通(1枚)
3 乙15号証 1通(11枚)
4 証拠説明書 1通(1枚)
以上
-----------------------------切らずにこのままでお送り下さい--------------------------
受 領 書
上記書類、本日受領致しました。
平成30年8月2日
原告訴訟代理人
小川 賢 印
前橋地方裁判所民事第1部合議係(森山書記官)御中: FAX 027-233-0901
石原・関・猿谷法律事務所(弁護士 織田 直樹)御中:FAX 027-230-9622
*****被告第7準備書面*****PDF ⇒ 201808011_hikoku_dai7_junbi_shomen.pdf
<P1>
平成28年(行ウ)第27号 住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求事件
原 告 小川賢 外1名
被 告 群馬県知事 大澤 正明
第7準備書面
平成30年8月1日
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
被告訴訟代理人弁護士 石 原 栄 一
同 関 夕 三 郎
同 織 田 直 樹
同指定代理人 板 垣 哲 夫
同 笛 木 元 之
同 生 方 宏 久
同 武 藤 淳
同 浅 見 淳
同 石 井 米 吉
第1 争点と証拠について
1 前橋バイオマス燃料と前橋バイオマス発電が別法人であること
(1) 会社の本店所在地や取締役が異なること(甲5,6)
(2) 出資者及び出資比率が異なること(乙14)
(3) 燃料供給契約上(乙15),必ずしも前橋バイオマス燃料が前橋バイオマス発電に全ての燃料を供給しなければならないものではないこと(第5条1項なお
<P2>
書)。
2 放射能汚染対策について
既出の主張及び証拠は次のとおりである。
(1) 廃材利用のおそれがないこと
ア 主張
第5準備書面-第3-1-(1),第6準備書面-第2-1-(1)-ア
イ 証拠
乙7号証
(2) 自主管理基準を設けていること及び当該基準が適正であること
ア 主張
第5準備書面-第3-1-(2),第6準備書面-第2-1 -(1)-イ
イ 証拠
甲52号証,乙8,9号証
第2 求釈明への回答
1 求釈明1について
木質チップを天然乾燥した場合の(湿量)含水率は45%程度であり,人工乾燥した場合の(湿量)含水率は40%程度である(甲64。乙15-別紙1)。そして,前橋バイオマス発電では,天然乾燥した木質チップと人工乾燥した木質チップを併用して燃料として使用するため,平均すると(湿量)含水率は43.125%程度となると想定されている。したがって,(湿量)含水率が36%まで下がることはない。
2 求釈明2について
一般に,燃料の含水率が高いほど,当該燃料の発熱量は低くなるから,燃料使用量は増えることになる。逆に,燃料の含水率が低いほど,当該燃料の発熱量は高くなるから,使用燃料は相対的に減ることになる。
環境配慮計画では,天然乾燥した木質チップの(湿量)含水率を45%と見積もり,他方,排ガス量の計算(乙12)では,天然乾燥による燃料と人工乾燥による燃料を併用した場合における全体の(湿量)含水率として43.125%と見積もったのである。燃料使用量9,770kg/hと9,300kg/hとの差は,この仮定した含水率の差により生じたものである。
また,条例アセスメント実施要件該当性判断においては,本件運用により(乾
<P3>
量)含水率を20%*1)(湿量)含水率は16.667%となる(乙12参照)。として計算できる。そして,仮に(湿量)含水率を45%として排ガス量の計算式(乙12)に当てはめた場合,結局,本件運用により排ガス量は39,200Nm3/h程度となり,40,000Nm3/hを下回り条例アセスメントの対象とならないため,関電工が含水率を偽装する理由はない。
3 求釈明3乃至6について
原告らは,関電工の排ガス量計算における(湿量)含水率(43.125%)と,前橋バイオマス燃料の燃料供給計画から計算される(湿量)含水率(42.938%)との整合性を問題としている。
しかし,上記各含水率は異なる算出方法による計算上の含水率であり,完全に一致することまで要求される性質のものではない。
4 求釈明7について
前橋バイオマス木質燃料供給計画(販売)における「未利用材由来の木質バイオマス」のうち,「原木」とは,原木「由来」という意味であり,未利用材原木をチップ化したうえで販売するということである。
5 求釈明8について
バイオマス燃料による施設見学の受入方法についての判断は,同社の補助金受給資格に影響を与えるものではない。
6 求釈明9について
既に述べたとおり,空気比の値「1.3」は,前橋バイオマス発電が燃料のサンプルをボイラーメーカーへ提供した上で,ボイラーメーカーが納入済み先行機の実績およびボイラーの性能・使用目的を考慮した上で算出した値である。この点,空気比を過大にすると排ガスとしてボイラーから持ち去られる熱量が大きくなり,ボイラー効率(熱効率)の低下を招く。また,燃料性状が安定していれば空気比を上げなくとも完全燃焼が可能である。
以上
*****証拠説明書(乙14~15)*****PDF ⇒ 201808012_shouko_setumeisho.pdf
平成28年(行ウ)第27号 住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求事件
原 告 小川賢 外1名
被 告 群馬県知事 大澤 正明
証拠説明書(乙14~15)
平成30年8月1日
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
被告訴訟代理人
弁護士 石原 栄一
弁護士 織田 直樹
●乙号証No.:14
○標目:燃料供給事業者と発電事業者の構成について
○作成年月日(原本・写しの別):平成30年7月(写し)
○作成者:被告
○立証趣旨:・前橋バイオマス燃料と前橋バイオマス発電とは,出資者(構成員)及び出資比率が異なること。
●乙号証No.:15
○標目:前橋バイオマス発電所燃料供給契約書
○作成年月日(原本・写しの別):平成29年12月113日(写し)
○作成者:前橋バイオマス発電、前橋バイオマス燃料
○立証趣旨:・契約上,必ずしも前橋バイオマス燃料が前橋バイオマス発電に全ての燃料を供給しなければならないものではないこと。
以上
*****乙第14号証*****PDF ⇒ 201808013_otsu_no.14_sihon_kousei.pdf
燃料供給事業者と発電事業者の構成について
【燃料供給事業者について】
○事業主体:前橋バイオマス燃料㈱
○構 成 員:㈱トーセン 出資比率65.8% 取締役3名
群馬県森林組合連合会 同 4.6% 取締役1名
群馬県素材生産流通協同組合 同 4.6% 取締役1名
㈱関電工 同25.0% 取締役1名
計6名
【発電事業者について】
○事業主体:前橋バイオマス発電㈱
○構 成 員:㈱関電工 出資比率70.0% 取締役3名
㈱トーセン 同30.0% 取締役1名
計4名
*****乙15号証*****PDF ⇒ 201808014_otsu_no.15_nenryo_kyoukyuu_keiyakusho.pdf
<P1>
前橋バイオマス発電所燃料供給契約書
前橋バイオマス発電株式会社(以下「甲」という。)と前楠バイオマス燃料株式会社(以下「乙」という。)は、市の前橋バイオマス発電所(群馬県前橋市苗ケ品町2550-2他所在。以下「本発電所」という。)への木質パイオマス燃料の供給について以下の通り契約を締結する。
(目的)
第1条 本契約は、甲が本発電所において木質・パイオマス発電事業(以下「本事業」 という。)を行うために使用する木質バイオマス燃料を、乙が甲に対して売渡し、甲がこれを買い受けることを目的とする。
(供給期間)
第2条 本契約に基づく木質バイオマス燃料の供給期間は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2 前項にかかわらず、乙は、前項に定める期間より前の本発電所の試運転に必要な木質バイオマス燃料を、甲に供給するものとする。
(木質バイオマス燃料の定義)
第3条 本契約において、「木質パギオマス燃料」とは、間伐材等由来燃料(第2項で定義)若しくは製材端材由来燃料(第3項で定義)文はその双方をいう。
2 本契約において、「間伐材等由来燃料」とは、森林における立木竹の伐採又は間伐により発生する未利用の水質バイオマス(輸入されたものを除く。)であって、「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」(平成24年6月 林野庁)(以下「ガイドライン」という。)2(1)に規定されるものであり、かつ、ガイドライン3(1)に規定する証明を完全に具備するものをいう。
3 本契約において、「製材端材由来燃料」とは、木質バイオマス又は農産物の収穫に伴って生じるバイオマス(当該農産物に由来するものに限る)であって、ガイドライン2(2)①に規定されるものであり、かつ、ガイドライン3(2)に規定する証明を完全に具備するものをいう。
(木質バイオマス燃料の品質基準及び保在香等添付義務)
第4条 本事業のために乙が甲に供給する木質バイオマス燃料は、別紙1に定める品質基準を概ね満たさなければならない。
2 乙は、甲への木質バイオマス燃料供給に併せ、以下の書類を甲に提出するものとする。
(1)間伐材等由来燃料については、ガイドライン3(1)②に規定する証明書
<P2>
(2)製材端材由米燃料については、ガイドライン3(2)②に規定する証明書
(供給に係る努力義務又は保証)
第5条 乙は、少なくとも別紙1に定める供給量の木質パイオマス燃料を、甲に対して供給期間に亘り継続的に供給することに最大限の努力を払う。なお、乙は、甲が必要とする数量の本質バイオマス燃料を甲に供給できない限り、第三者に対して木質バイオマス燃料又は木質バイオマス燃料を製造するための木材等の原料を供給しないことを約束する。
2 乙は、甲に供給する木質バイオマス燃料を、群馬県において発生したものに限定することを保証する。
3 乙は、別途甲と協議のうえ、乙の間伐材等の木材及び製材端材受入時の放射線測定方法及び受入基準を定め、当該測定方法により当該受入基準を満たした木質バイオマス燃料のみを甲に供給することを保証する。
4 乙は、前二項の規定に該当しない木質バイオマス燃料を甲に供給しようとする場合は、事前に甲と協議のうえ、甲の書面による承認を得なければならないものとする。
(木質バイオマス燃料の引渡し場所、引渡し手順及び計量等)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<P3>
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
(木質バイオマス燃料にかかる損害の負担)
第7条 木質バイオマス燃料の引渡し前に生じた、当核燃料の滅失、減量、変質その他一切の損害は、甲の責めに帰すべきものを除き乙の負担とする。
2 木質バイオマス燃料の引渡し後に生じた、当核燃料の滅失、減量、変質その他一切の損害のうち、乙の責めに帰すべきものは、乙の負担とする。
(分別管理)
第8条 間伐材等由来燃料と製材端材由来燃料の分別管跨が適切に実施されていなかったことに起因しで、甲が国、電力会社等から充電料金の全部又は一部の返還命令等を受けた場合、乙は、甲に対して当該返還金額全額の補償を行うものとする。
(木質バイオマス燃料の性状等分祈)
第9条 甲は、自らの負担と責任により、別紙1に定める木質バイオマス燃料の区分(以下「木質バイオマス燃料の区分」という。)ごとに、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則第4条の2第2項第8号イに規定されるバイオマス比率を算定するため、含水率(水分率)、低位発熱量等に関する木質バイオマス燃料の性状等の分析(以下「性状分析」という。)を実施するものとする。
2 甲が性状分析を実施するために必要となる木質バイオマス燃料の区分ごとの試料を取得するにあたって、乙は、甲への木質パイオマス燃料の引渡し前に、甲の要請に応じて試料を提供するものとする。
(本発電所の計画運転時間)
第10条 甲は、毎四半期の開始月の前々月10日までにも当該四半期に属する各月ごとの運転計画を作成し、各月ごとの計画運転時間を、乙に報告するものとする。ただし、甲は、本発電所の営業運転開始日から平成30年3月31日までの期間に属する各月ごとの運転計画及び当該各月ごとの計画運転時間については、平成29年12月初日までに乙に報告す
<P4>
るものとする。
2 前項の規定にかかわらず、発電設備の計画外の運転停止が発生した場合又は提出済みの運転計画及び計画運転時間を変更する必要が生じた場合は、甲は速やかに前項により報告済の運転計画及び計画運転時間を修正し、乙に報告するものとする。
(木質パイオマス燃料料金)
第11条 本契約に係る各月ごとの本質バイオマス燃料料金は、木質バイオマス燃料の区分ごとの乙から本発電所への当該月の引渡し量に、第2項に定める木質バイオマス燃料の区分ごとの取引単価を乗じて得た値の合計額とする。なお、木質バイオマス燃料料金の単位は1円とし、その端数は切り捨てるものとする。
2 甲及び乙は、別途協議のうえ、木質バイオマス燃料の区分ごとの取引単価及び当該単価の適用期間を定め、別紙3に定める様式による覚書を締結するものとする。
3 前項に定める覚書において合意された適用期間の満了日の翌日以降の木質バイオマス燃料の区分ごとの取引単価及び当該単価の適用期間の合意が得られない場合は、直前の取引単価を用いて木質バイオマス燃料料金を算定することとし、当該単価の合意が得られた後、遅滞なく、当該単価により計算した木質バイオマス燃料料金と支払済み額との差額を精算するものとする。
4 第1項及び第2項の規定にかかわらず、第2条第2項に規定する本発電所の試運転に必要な木質バイオマス燃料の料金については、甲乙別途協議のうえ決定するものとする。
5 第1項の規定にかかわらず、乙が甲に供給する木質バイオマス燃料の品質が、別紙1に定める品質基準を著しく逸脱した場合は、甲乙協議のうえ、木質バイオマス料金の決定方法を変更することができるものとする。
(支払)
第12条 乙は、各月の木質バイオマス燃料料金に消費税及び地方消持税相当額を加えた額を翌月■日までに請求し、甲は、同月■日(■日が金融機関の休業日の場合は、その翌営業日)までに、乙の指定する口座に支払うものとする。ただし、請求書の受領が■日以降の場合は、誇求書受領後■日以内に支払うものとする。振込手数料は、甲の負担とする。なお、甲は、支払日時点において乙から甲に対する未払金があるときは、その車買を木質バイオマス燃料料金から控除した金額に消費税及び地方消費税相当額を加えた額を支払うことができる。
2 甲は、前項に規定する支払期限までに木質バイオマス燃料料金を支払わなかった場合は、当該料金のほか、支払期限の翌日から支払日まで、当該料金について年率■%(1年を365日とする日割計算)の割合で算出した額(以下「延滞利息」という。)を、当該料金と併せて乙に支払うものとする。なお、延滞利息の単位は1円とし、その端数は切り捨てるものとする。
<P5>
(契約解除)
第13条 甲及び乙は、相手方につき以下のいずれかの事由が生じた場合には、相手方に対する通知により、本契約又はこれに関連して締結された協定等(以下「本契約等」という。)を解除することができるものとする。
(1) 破産手続、民事再生手続、会社更生手続、特別清算若しくはその他の倒産関違法規に基づく手続開始の申立てがなされ、又は解散の決議を行ったとき。
(2) 本契約等に定める債務の履行を60日以上遅滞したとき。
(3) 上記のほか、本契約等若しくは本契約等に基づく取引又はこれらに関する自らに係る適用法令の規定に違反し、相手方から相当の期聞を定めて催告されたにもかかわらず、当該違反行為を改めず、又は止めないとき。
(4) 以下の事由その他その信用が容観的に明らかに低下したと認められる事由が生じたとき。
① 自らが発行し又は引受けた手形又は小切手が不渡りとなったこと。
② 銀行取引停止処分を受けたこと。
③ 国税徴収法による滞納処分を受けたこと。
③ 強制執行を受け、又は競売の申立てを受けたこと。
(5) 反社会的勢力(①暴力団(暴力団員による不当な行為の防止に関する法律(平成3年法律第77号、その後の改正を含み、以下「暴力団員による不当な行為の防止に関する法律」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)、②暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止に関する法律第2条第6号に定める暴力団員をいう。以下同じ。)又は暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、③暴力団準構成員、④暴力団関係企業、⑤総会屋等、⑤社会運動等標傍ゴロ、⑦特殊知能暴力集団等、⑧その他①から⑦までに準じる者、⑨①から③までのいずれかに該当する者(以下「暴力団長等」という。)が経営を支配していると認められる関係を有する者、⑩暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有する者、⑪自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有する者、⑫暴力団員等に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有する者、及び⑬役員又は経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有する者をいう。以下同じ。)となったとき。
(6) 自ら又は第三者を利用して反社会的行為(①暴力的な要求行為、②法的な責任を越えた不当な要求行為、③取引に関して、脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為、③風説を流布し、偽計若しくは威力を用いて取引の相手の信用を段損し、又はその業務を妨害する行為、及び③その他上記①から③までに準ずる行為をいう。以下同じ。)を行ったとき。
<P6>
2 前項に基づき甲又は乙が本契約等を解除した場合、その相手方は、自ら制御できず且つ取引上通常要求される措置によっては予防・回避できない天災・事変等の不可抗力に起因する場合を除き、当該解除により解除者たる甲又は乙に生じた損害を賠償するものとする。
3 甲は、本条第1項に定める場合のほか、乙に対する30日前までの通知により、任意に本契約等を解除することができる。ただし、甲は、乙に対し、自ら制御できず且つ取引上通常要求される措置によっては予防・回避できない天災・事変等の不可抗力に起因する場合を除き、当該解除により乙に生じた損害を賠償するものとする。
(損害賠償)
第11条 甲及び乙は、相手方が本契約に違反したことにより損害を被った場合は、当該績害に係る賠償を相手方に対して請求することができる。ただし、当該違反が不可抗力によるものが明らかな場合は、甲乙別途協議のうえ、その扱いを定めるものとする。
(秘密保持義務)
第15条 甲及び乙は、本契約に関連して知り得た情報について秘密保持義務を負い、相手方の事前の書面による同意がないかぎり(当該同意は不合理に差し控えられないものとする。)、これらの情報を開示し、又は目的外に使用しないものとする。ただし、下記の場合には、この限りでない。
(1) 官公庁、裁判所等の公的機関当該情報についての開示命令を受けた場合
(2) 法令等により開示が必要な場合
(3) 甲及び乙の役員、監査役、従業員、弁護士、公認会計上、税理士等に上記契約を履行する上で必築となる限度にて開示する場合
(4) 公知情報(当該情報受領者の責めに帰すべき事由により公知になった場合を除く。)を開示する場合
(5) 情報受領時に当該情報受領者が秘密保持義務に服することなく悦に入手していた情報を開示する場合
(6) 秘密保持義務に拘束されることのない者から、秘密保持義務を負うことなく適法に入手した情報を開示する場合
(権利義務の譲渡)
第16条 甲及び乙は、相手方の事前の書面による同意がない限り、本契約に規定する自己の権利義務又は契約上の地位を、第三者に対して談渡し、又は担保の用に供することができないものとする。
(完全合意)
第17条 本契約は、本契約に含まれる事項に関する甲乙間の完全な合意を構成し、口頭又
<P7>
は書面を問わず、甲乙間の本契約に規定する事頃に関する事前の合意、表明及び了解に優先するものとする。
(合意管轄)
第18条 本契約に関する訴訟については、東京地方裁判所をもって第一審の専属管轄裁判所とする。
(誠実協議)
第19条 本契約に定めのない事項が発生したとき及び本契約の解釈に疑義が生じたときは、甲乙間の協議により解決するものとする。
(本頁以下余白)
<P8>
以上、本契約締結の証として、本書2通を作成し、甲乙記名捺印の上、各1通を保有する。
平成29年12月13日
甲 群馬県前橋市古市町215番地
前橋バイオマス発電株式会社
代表取締役 野本 健司
乙 群馬県前橋市苗ケ島町2550番2
前橋バイオマス燃料株式会社
代表取締役社長 東泉 清寿
=====別紙1=====
木皆バイオマス燃料の品管基準等
1.木質バイオマス燃料の品質基準
●木質バイオマス燃料:間伐材等由来燃料(プレス脱水処理未実施分)
○含水率(湿量基準含水率):平均45%(40%~50%)
○形状:長辺30~50㎜(最長70㎜未満) 厚さ5㎜(最厚10㎜未満)
○その他:・本事業の実施を阻害する虞のある異物等の混入がないこと。
・木質バイオマス燃料を燃焼した際、有害なガスが箔生する物質の混入がないこと。
●木質バイオマス燃料:間伐材等由来燃料(プレス脱水処理実施分)
○含水率(湿量基準含水率):平均40%
○形状:長辺30~50㎜(最長70㎜未満) 厚さ5㎜(最厚10㎜未満)
○その他:・本事業の実施を阻害する虞のある異物等の混入がないこと。
・木質バイオマス燃料を燃焼した際、有害なガスが箔生する物質の混入がないこと。
●木質バイオマス燃料:製材端材等由来燃料(プレス脱水処理実施分)
○含水率(湿量基準含水率):40%
○形状:長辺30~50㎜(最長70㎜未満) 厚さ5㎜(最厚10㎜未満)
○その他:・本事業の実施を阻害する虞のある異物等の混入がないこと。
・木質バイオマス燃料を燃焼した際、有害なガスが箔生する物質の混入がないこと。
=====別紙2=====
木質バイオマス燃料の引渡し場所等
■■■■■■■■■■(1ページ全面黒塗り地図)■■■■■■■■■■
=====別紙3=====
木質バイオマス燃料の取引単価に関する覚書
前橋バイオマス発電株式会社(以下「甲」という。)と前橋バイオマス燃料株式会社(以下「乙」という。)は、甲乙聞の平成●年●月●付「前僑バイオマス発電所燃料供給契約」第11条第2項の規定に基づき、以下の湿り木質バイオマス燃料の区分ごとの取引単価及び適用期間を定める。
1.木質バイオマス燃料の区分ごとの取引単価
●木質バイオマス燃料:間伐材等由来燃料(プレス脱水処理未実施分)
○取引単価:1トン当たり●●●●円
●木質バイオマス燃料:間伐材等由来燃料(プレス脱水処理実施分)
○取引単価:1トン当たり●●●●円
●木質バイオマス燃料:製材端材等由来燃料(プレス脱水処理実施分)
○取引単価:1トン当たり●●●●円
2.適用期間
平成●年●月●日 から 平成●年●月●日
以上、合意の証として、本書2通を作成し、甲乙記名捺印の上、各1通を保有する。
平成●年●月●日
甲 前橋バイオマス発電株式会社
代表取締役 ●● ●●
乙 前橋バイオマス燃料株式会社
代表取締役社長 ●● ●●
**********
■このうち求釈明について、原告当会の質問(青色)と被告群馬県の回答(赤色)の対比させて並べてみました。
**********
平成30年6月6日付の被告第6準備書面および乙12号証と乙13号証に関して、原告らは次のとおり反論する。
はじめに排ガス量に関する被告の主張およびその裏付けとしている関電工作成の算定式(乙12)に示されている排ガス量に関する不整合性について指摘するとともに、求釈明を行い、次に被告の第6準備書面への反論を述べる。
第1 求釈明
乙12号証の排ガス量の計算式等について、明らかに整合性が欠けているため、原告らは次の求釈明を行う。
1 含水率の前提条件の疑義
関電工が作成した環境配慮計画には、使用燃料として、低位発熱量9,278kJ/㎏、2,216kcal/㎏との説明がある。しかし、全国木材チップ工業連合会が示している方程式に基づき、今回の乙12号証で示された含水率43.125%を用いて再計算してみると、低位発熱量7,669kJ/㎏、1,833kcal/㎏となり、メガジュール値もカロリー値も、含水率を計算すると36%となる。このことにより、関電工は、排ガス量の計算の際に、含水率を数%上乗せし、燃料となる木材の重量を減少させ、環境アセスメントの実施基準である、40,000㎥/h以下になるように偽装した疑いがある。
(参考)低位発熱量の方程式(全国木材チップ工業連合会報告資料より)
低位発熱量(Q)の計算式(カロリー値:kcal/kg)
Q = -55.75M + 4238 = -55.75*43.125+4238 = 1,833 kcal/kg
M : 湿量基準含水率(%):43.125%【乙12号証より】
低位発熱量(Q)の計算式(メガジュール値:MJ/kg)
Q = -0.2326M + 17.7 = -0.2326*43.125+17.7 = 7,669 kJ/kg
M : 湿量基準含水率(%):43.125%【乙12号証より】

上記の方程式から関電工がいう含水率を再計算すると、
① カロリー値計算 2,216=-55.75*X+4238
X=(2,216-4238)/55.75=36.3%(含水率)
② メガジュール値計算9,278=-232.6*X+17.7
X=(9,278-17,700)/232.6=36.2%(含水率)
したがって、関電工の環境配慮計画書に書かれている使用燃料は、低位発熱量をカロリー値及びメガジュール値で分析すると、木質バイオマス発電に使用する木質バイオマスチップの含水率は、両者ともほぼ36%未満を示すことから、排ガス量の計算値で使用した含水率43.125%は、明らかに排ガス量を40,000㎥/h以下にするために偽装した数値の疑いがある。
求釈明1:上記の計算結果が示す含水率の相違による低位発熱量の矛盾について、被告の見解を求めたい。
⇒1 求釈明1について
木質チップを天然乾燥した場合の(湿量)含水率は45%程度であり,人工乾燥した場合の(湿量)含水率は40%程度である(甲64。乙15-別紙1)。そして,前橋バイオマス発電では,天然乾燥した木質チップと人工乾燥した木質チップを併用して燃料として使用するため,平均すると(湿量)含水率は43.125%程度となると想定されている。したがって,(湿量)含水率が36%まで下がることはない。
2 使用燃料の使用量の疑義
(参考:前橋バイオマス 環境配慮計画より)

上記の関電工作成の環境配慮計画書によると、使用燃料の資料量は9,770㎏/hとある。一方、排ガス量の計算値(乙12)で使用した燃料使用量は9,300㎏/hとある。これは排ガス量を減らそうとした偽装値である疑いが濃厚である。
求釈明2:上記の使用燃料の使用量の矛盾について、被告の見解を求めたい。
⇒2 求釈明2について
一般に,燃料の含水率が高いほど,当該燃料の発熱量は低くなるから,燃料使用量は増えることになる。逆に,燃料の含水率が低いほど,当該燃料の発熱量は高くなるから,使用燃料は相対的に減ることになる。
環境配慮計画では,天然乾燥した木質チップの(湿量)含水率を45%と見積もり,他方,排ガス量の計算(乙12)では,天然乾燥による燃料と人工乾燥による燃料を併用した場合における全体の(湿量)含水率として43.125%と見積もったのである。燃料使用量9,770kg/hと9,300kg/hとの差は,この仮定した含水率の差により生じたものである。
また,条例アセスメント実施要件該当性判断においては,本件運用により(乾量)含水率を20%*1)(湿量)含水率は16.667%となる(乙12参照)。として計算できる。そして,仮に(湿量)含水率を45%として排ガス量の計算式(乙12)に当てはめた場合,結局,本件運用により排ガス量は39,200Nm3/h程度となり,40,000Nm3/hを下回り条例アセスメントの対象とならないため,関電工が含水率を偽装する理由はない。
3 前橋バイオマス燃料の木質燃料製造施設で取り扱う木質燃料の使用量と性状の疑義
前記(2)の疑義に関連して、前橋バイオマス燃料が隣接の前橋バイオマス発電に供給する木質燃料について、被告に提出された木質燃料供給計画(仕入れ)及び同(販売)(次ページ参照)(甲25-1)を見ると、次のことが分かる。

被告が原告に開示した表は黒塗りだらけのため、分かりやすく表にまとめてみる。
なお、含水率は湿量基準である。また、数字の下線部は黒塗り箇所を原告が連立方程式等を使って得た推定値である。
<購入>
含水率 取扱量(トン) 乾燥重量(トン)
未利用材原木 50% 18,000 ⇒↓ 9,000
未利用材チップ 50% 45,100 ⇒63,100 22,550
製材チップ 60% 21,000 ⇒21,000 8,400
合計 84,100 =84,100 39,950
<販売>
含水率 取扱量(トン) 乾燥重量(トン)
未利用材原木 45% 15,000 ⇒↓ 9,000
未利用材チップ 40% 41,000 ⇒56,000 22,550
製材チップ 40% 14,000 ⇒14,000 8,400
合計 70,000 =70,000 39,950
求釈明3:上記の表、とくに原告の推定値に誤りはないか、被告の確認を求めたい。
求釈明4:関電工は乙12号証で「使用する木質バイオマス燃料の中の全水分量(43.125%:計画値)」であるとしているが、上記の<販売>表では、
湿量基準含水率=(取扱量合計-乾燥重量合計)/取扱量合計
=(70,000-39,950)/70,000
=42.928%
となり、関電工の示す計画値と異なる。この理由について被告の見解を求めたい。
求釈明5:関電工は乙12号証で「燃料消費量(kg/h)」について、「9,300(kg/h)」をベースとして排ガス量を計算している。一方、前橋バイオマス燃料が前橋バイオマス発電に販売する木質燃料は湿量基準含水率平均が42.938%の場合、70,000トンであると計画している。
70,000トンの木質燃料を毎時9,300㎏(=9.3トン)した場合、
70,000/9.3=約7,527時間
約7,527時間/24時間=約314日
約314日/30日=約10.45カ月
となり、年間稼働日数からすると、ほぼ平均週6日稼働という計算になる。一方で、関電工は地元住民説明会において、発電設備は24時間運転を行うとしている。
毎年の定期点検のため1か月の運転休止期間を見込んでも、さらに半月間のアイドル期間が生じる。この矛盾について、被告の見解を求めたい。
求釈明6:仮に、関電工のいう「使用する木質バイオマス燃料の中の全水分量(43.125%:計画値)」が正しい場合、前橋バイオマス燃料の計画する木質燃料供給計画(仕入れ)及び同(販売)との整合性が問われるが、被告の見解を求めたい。
⇒3 求釈明3乃至6について
原告らは,関電工の排ガス量計算における(湿量)含水率(43.125%)と,前橋バイオマス燃料の燃料供給計画から計算される(湿量)含水率(42.938%)との整合性を問題としている。
しかし,上記各含水率は異なる算出方法による計算上の含水率であり,完全に一致することまで要求される性質のものではない。
求釈明7:同じく、前橋バイオマス燃料の計画する木質燃料供給計画(仕入れ)及び同(販売)では、未利用材原木という分類が為されている。これは、購入の場合には、含水率50%の丸太状の状態の「未利用材原木」を指すとみられる。一方、販売の場合は、「未利用材原木」とは、どのような形態をしめすのか、理解に苦しむ。なぜなら、関電工が導入したBFBバブリング流動層(床)ボイラーは、乙13号証48ページの表Ⅲ.2-10に記されているように「燃料形状はコンベヤにて搬送するため、サイズは最大100㎜以下程度にする必要あり」とされているからである。この観点から、全量チップでなければならないはずの<販売>木質燃料に、なぜ「未利用材原木」という記述があるのか、この矛盾について被告の見解を求めたい。
⇒4 求釈明7について
前橋バイオマス木質燃料供給計画(販売)における「未利用材由来の木質バイオマス」のうち,「原木」とは,原木「由来」という意味であり,未利用材原木をチップ化したうえで販売するということである。
求釈明8:前橋バイオマス燃料は、被告の斡旋により、群馬県議らが有権者の住民を伴い6月12日午前10時に施設見学会の開催を現地で予定していた。ところが、当日の朝になって突然キャンセルを県議団や被告に通告してきた。その理由は、前橋バイオマス燃料が、見学予定者名簿の提出を県議団に求めたところ、「提出された名簿に県議でない者がいる」ということだったという。このように住民の代表である県議らの要請に対して、平然と直前に視察を拒否するような不誠実な事業者について、多額の補助金を受け取る資格があるのかどうか、被告の見解を求めたい。
⇒5 求釈明8について
バイオマス燃料による施設見学の受入方法についての判断は,同社の補助金受給資格に影響を与えるものではない。
求釈明9:また、空気比を1.3と仮定して計算している点にも不審が募る。これほど水分量の多いチップを燃焼させるのだから、燃焼に必要な空気量は、1.5を遥かに超える可能性がある。この空気比が最大の争点の一つであり、被告や事業者は、明確な根拠と実測した空気比を示す必要がある。
⇒6 求釈明9について
既に述べたとおり,空気比の値「1.3」は,前橋バイオマス発電が燃料のサンプルをボイラーメーカーへ提供した上で,ボイラーメーカーが納入済み先行機の実績およびボイラーの性能・使用目的を考慮した上で算出した値である。この点,空気比を過大にすると排ガスとしてボイラーから持ち去られる熱量が大きくなり,ボイラー効率(熱効率)の低下を招く。また,燃料性状が安定していれば空気比を上げなくとも完全燃焼が可能である。
**********
■被告群馬県が、まともに回答していないことがよくお分かりいただけると思います。
また、今回、前橋バイオマス発電と前橋バイオマス燃料の資本構成が初めて明らかになりました。関電工は、当会の公開質問状に対して一切回答を拒否しましたが、乙14号証によれば、前橋バイオマス燃料㈱がトーセン主体、前橋バイオマス発電が関電工主体ですが、前橋バイオマス事業全体では、トーセンが65.8%+30%=95.8%、関電工が25.0%+70%=95.0%となり、ほぼ拮抗していることがわかります。
また、取締役も、トーセンが3+1=4名、関電工が1+3=4名で同数となっています。
このことから見ても、まさに関電工がトーセンの松井田バイオマスが頓挫したのを見て、共同事業を持ち掛けた経緯が伺えます。
さらに今回は、前橋バイオマス燃料と前橋バイオマス発電との間の燃料供給契約書も一部黒塗りですが、かなり明らかになりました。
これを見ると、木質バイオマス燃料の区分として、間伐材等由来燃料では①プレス脱水処理未実施分(40~50%、平均45%)、②プレス脱水処理実施分(40%)、そして製材端材等由来燃料では③プレス脱水処理実施分(40%)の3種類が明記されていますが、供給量は年間合計8万トンを基本としているだけで、①②③それぞれの供給量の詳細は「都度協議して決める」としか記載がありません。
となると、当会が懸念している排ガス量が毎時4万ノルマル㎥を超えるのか超えないのか、明白な根拠が存在しないことになります。
にもかかわらず、被告の群馬県は、関電工やトーセンを慮って、勝手に「問題ない」と主張しているため、このような根拠のないあやふやな釈明しかできなかったのだと思われます。
■やはり、きちんと関電工とトーセンに、排ガス量毎時4万立米を超えないとする根拠を示してもらわないと、本当に環境アセスメントの実施が不要なのかどうか、確かめようがありません。
次回9月5日(水)午後4時から前橋地裁で開かれる第10回弁論準備で、このことを裁判長にアピールしたいと思います。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

当会が提出した原告準備書面(8)の求釈明について、群馬県が今回、回答してきましたが、これでは回答になっていないことがおわかりいただけると思います。当会の求釈明の内容は次のブログ記事を御覧下さい。
○2018年6月15日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…6月20日前橋バイオマス補助金返還第9回弁論に向け原告が準備書面(8)提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2669.html
被告群馬県の第7準備書面の内容は次のとおりです。
*****送付書*****PDF ⇒ 201808010_soufusho.pdf
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
ご担当書記官 森山 様
小川 賢 様
羽鳥 昌行 様
平成30年8月1日
前橋市大手町3丁目4番16号
被告訴訟代理人
弁護士 織田 直樹
電話027-235-2040
送 付 書
事件の表示:御 庁 平成28年(行ウ)第27号
事件名 住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求事件
当 事 者:原 告 小川 賢 外1名
被 告 群馬県知事 大澤 正明
下記書類を送付致します。ご査収の程,宜しくお願い申し上げます。
1 第7準備書面 1通(3枚)
2 乙14号証 1通(1枚)
3 乙15号証 1通(11枚)
4 証拠説明書 1通(1枚)
以上
-----------------------------切らずにこのままでお送り下さい--------------------------
受 領 書
上記書類、本日受領致しました。
平成30年8月2日
原告訴訟代理人
小川 賢 印
前橋地方裁判所民事第1部合議係(森山書記官)御中: FAX 027-233-0901
石原・関・猿谷法律事務所(弁護士 織田 直樹)御中:FAX 027-230-9622
*****被告第7準備書面*****PDF ⇒ 201808011_hikoku_dai7_junbi_shomen.pdf
<P1>
平成28年(行ウ)第27号 住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求事件
原 告 小川賢 外1名
被 告 群馬県知事 大澤 正明
第7準備書面
平成30年8月1日
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
被告訴訟代理人弁護士 石 原 栄 一
同 関 夕 三 郎
同 織 田 直 樹
同指定代理人 板 垣 哲 夫
同 笛 木 元 之
同 生 方 宏 久
同 武 藤 淳
同 浅 見 淳
同 石 井 米 吉
第1 争点と証拠について
1 前橋バイオマス燃料と前橋バイオマス発電が別法人であること
(1) 会社の本店所在地や取締役が異なること(甲5,6)
(2) 出資者及び出資比率が異なること(乙14)
(3) 燃料供給契約上(乙15),必ずしも前橋バイオマス燃料が前橋バイオマス発電に全ての燃料を供給しなければならないものではないこと(第5条1項なお
<P2>
書)。
2 放射能汚染対策について
既出の主張及び証拠は次のとおりである。
(1) 廃材利用のおそれがないこと
ア 主張
第5準備書面-第3-1-(1),第6準備書面-第2-1-(1)-ア
イ 証拠
乙7号証
(2) 自主管理基準を設けていること及び当該基準が適正であること
ア 主張
第5準備書面-第3-1-(2),第6準備書面-第2-1 -(1)-イ
イ 証拠
甲52号証,乙8,9号証
第2 求釈明への回答
1 求釈明1について
木質チップを天然乾燥した場合の(湿量)含水率は45%程度であり,人工乾燥した場合の(湿量)含水率は40%程度である(甲64。乙15-別紙1)。そして,前橋バイオマス発電では,天然乾燥した木質チップと人工乾燥した木質チップを併用して燃料として使用するため,平均すると(湿量)含水率は43.125%程度となると想定されている。したがって,(湿量)含水率が36%まで下がることはない。
2 求釈明2について
一般に,燃料の含水率が高いほど,当該燃料の発熱量は低くなるから,燃料使用量は増えることになる。逆に,燃料の含水率が低いほど,当該燃料の発熱量は高くなるから,使用燃料は相対的に減ることになる。
環境配慮計画では,天然乾燥した木質チップの(湿量)含水率を45%と見積もり,他方,排ガス量の計算(乙12)では,天然乾燥による燃料と人工乾燥による燃料を併用した場合における全体の(湿量)含水率として43.125%と見積もったのである。燃料使用量9,770kg/hと9,300kg/hとの差は,この仮定した含水率の差により生じたものである。
また,条例アセスメント実施要件該当性判断においては,本件運用により(乾
<P3>
量)含水率を20%*1)(湿量)含水率は16.667%となる(乙12参照)。として計算できる。そして,仮に(湿量)含水率を45%として排ガス量の計算式(乙12)に当てはめた場合,結局,本件運用により排ガス量は39,200Nm3/h程度となり,40,000Nm3/hを下回り条例アセスメントの対象とならないため,関電工が含水率を偽装する理由はない。
3 求釈明3乃至6について
原告らは,関電工の排ガス量計算における(湿量)含水率(43.125%)と,前橋バイオマス燃料の燃料供給計画から計算される(湿量)含水率(42.938%)との整合性を問題としている。
しかし,上記各含水率は異なる算出方法による計算上の含水率であり,完全に一致することまで要求される性質のものではない。
4 求釈明7について
前橋バイオマス木質燃料供給計画(販売)における「未利用材由来の木質バイオマス」のうち,「原木」とは,原木「由来」という意味であり,未利用材原木をチップ化したうえで販売するということである。
5 求釈明8について
バイオマス燃料による施設見学の受入方法についての判断は,同社の補助金受給資格に影響を与えるものではない。
6 求釈明9について
既に述べたとおり,空気比の値「1.3」は,前橋バイオマス発電が燃料のサンプルをボイラーメーカーへ提供した上で,ボイラーメーカーが納入済み先行機の実績およびボイラーの性能・使用目的を考慮した上で算出した値である。この点,空気比を過大にすると排ガスとしてボイラーから持ち去られる熱量が大きくなり,ボイラー効率(熱効率)の低下を招く。また,燃料性状が安定していれば空気比を上げなくとも完全燃焼が可能である。
以上
*****証拠説明書(乙14~15)*****PDF ⇒ 201808012_shouko_setumeisho.pdf
平成28年(行ウ)第27号 住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求事件
原 告 小川賢 外1名
被 告 群馬県知事 大澤 正明
証拠説明書(乙14~15)
平成30年8月1日
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
被告訴訟代理人
弁護士 石原 栄一
弁護士 織田 直樹
●乙号証No.:14
○標目:燃料供給事業者と発電事業者の構成について
○作成年月日(原本・写しの別):平成30年7月(写し)
○作成者:被告
○立証趣旨:・前橋バイオマス燃料と前橋バイオマス発電とは,出資者(構成員)及び出資比率が異なること。
●乙号証No.:15
○標目:前橋バイオマス発電所燃料供給契約書
○作成年月日(原本・写しの別):平成29年12月113日(写し)
○作成者:前橋バイオマス発電、前橋バイオマス燃料
○立証趣旨:・契約上,必ずしも前橋バイオマス燃料が前橋バイオマス発電に全ての燃料を供給しなければならないものではないこと。
以上
*****乙第14号証*****PDF ⇒ 201808013_otsu_no.14_sihon_kousei.pdf
燃料供給事業者と発電事業者の構成について
【燃料供給事業者について】
○事業主体:前橋バイオマス燃料㈱
○構 成 員:㈱トーセン 出資比率65.8% 取締役3名
群馬県森林組合連合会 同 4.6% 取締役1名
群馬県素材生産流通協同組合 同 4.6% 取締役1名
㈱関電工 同25.0% 取締役1名
計6名
【発電事業者について】
○事業主体:前橋バイオマス発電㈱
○構 成 員:㈱関電工 出資比率70.0% 取締役3名
㈱トーセン 同30.0% 取締役1名
計4名
*****乙15号証*****PDF ⇒ 201808014_otsu_no.15_nenryo_kyoukyuu_keiyakusho.pdf
<P1>
前橋バイオマス発電所燃料供給契約書
前橋バイオマス発電株式会社(以下「甲」という。)と前楠バイオマス燃料株式会社(以下「乙」という。)は、市の前橋バイオマス発電所(群馬県前橋市苗ケ品町2550-2他所在。以下「本発電所」という。)への木質パイオマス燃料の供給について以下の通り契約を締結する。
(目的)
第1条 本契約は、甲が本発電所において木質・パイオマス発電事業(以下「本事業」 という。)を行うために使用する木質バイオマス燃料を、乙が甲に対して売渡し、甲がこれを買い受けることを目的とする。
(供給期間)
第2条 本契約に基づく木質バイオマス燃料の供給期間は、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2 前項にかかわらず、乙は、前項に定める期間より前の本発電所の試運転に必要な木質バイオマス燃料を、甲に供給するものとする。
(木質バイオマス燃料の定義)
第3条 本契約において、「木質パギオマス燃料」とは、間伐材等由来燃料(第2項で定義)若しくは製材端材由来燃料(第3項で定義)文はその双方をいう。
2 本契約において、「間伐材等由来燃料」とは、森林における立木竹の伐採又は間伐により発生する未利用の水質バイオマス(輸入されたものを除く。)であって、「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」(平成24年6月 林野庁)(以下「ガイドライン」という。)2(1)に規定されるものであり、かつ、ガイドライン3(1)に規定する証明を完全に具備するものをいう。
3 本契約において、「製材端材由来燃料」とは、木質バイオマス又は農産物の収穫に伴って生じるバイオマス(当該農産物に由来するものに限る)であって、ガイドライン2(2)①に規定されるものであり、かつ、ガイドライン3(2)に規定する証明を完全に具備するものをいう。
(木質バイオマス燃料の品質基準及び保在香等添付義務)
第4条 本事業のために乙が甲に供給する木質バイオマス燃料は、別紙1に定める品質基準を概ね満たさなければならない。
2 乙は、甲への木質バイオマス燃料供給に併せ、以下の書類を甲に提出するものとする。
(1)間伐材等由来燃料については、ガイドライン3(1)②に規定する証明書
<P2>
(2)製材端材由米燃料については、ガイドライン3(2)②に規定する証明書
(供給に係る努力義務又は保証)
第5条 乙は、少なくとも別紙1に定める供給量の木質パイオマス燃料を、甲に対して供給期間に亘り継続的に供給することに最大限の努力を払う。なお、乙は、甲が必要とする数量の本質バイオマス燃料を甲に供給できない限り、第三者に対して木質バイオマス燃料又は木質バイオマス燃料を製造するための木材等の原料を供給しないことを約束する。
2 乙は、甲に供給する木質バイオマス燃料を、群馬県において発生したものに限定することを保証する。
3 乙は、別途甲と協議のうえ、乙の間伐材等の木材及び製材端材受入時の放射線測定方法及び受入基準を定め、当該測定方法により当該受入基準を満たした木質バイオマス燃料のみを甲に供給することを保証する。
4 乙は、前二項の規定に該当しない木質バイオマス燃料を甲に供給しようとする場合は、事前に甲と協議のうえ、甲の書面による承認を得なければならないものとする。
(木質バイオマス燃料の引渡し場所、引渡し手順及び計量等)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<P3>
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
(木質バイオマス燃料にかかる損害の負担)
第7条 木質バイオマス燃料の引渡し前に生じた、当核燃料の滅失、減量、変質その他一切の損害は、甲の責めに帰すべきものを除き乙の負担とする。
2 木質バイオマス燃料の引渡し後に生じた、当核燃料の滅失、減量、変質その他一切の損害のうち、乙の責めに帰すべきものは、乙の負担とする。
(分別管理)
第8条 間伐材等由来燃料と製材端材由来燃料の分別管跨が適切に実施されていなかったことに起因しで、甲が国、電力会社等から充電料金の全部又は一部の返還命令等を受けた場合、乙は、甲に対して当該返還金額全額の補償を行うものとする。
(木質バイオマス燃料の性状等分祈)
第9条 甲は、自らの負担と責任により、別紙1に定める木質バイオマス燃料の区分(以下「木質バイオマス燃料の区分」という。)ごとに、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則第4条の2第2項第8号イに規定されるバイオマス比率を算定するため、含水率(水分率)、低位発熱量等に関する木質バイオマス燃料の性状等の分析(以下「性状分析」という。)を実施するものとする。
2 甲が性状分析を実施するために必要となる木質バイオマス燃料の区分ごとの試料を取得するにあたって、乙は、甲への木質パイオマス燃料の引渡し前に、甲の要請に応じて試料を提供するものとする。
(本発電所の計画運転時間)
第10条 甲は、毎四半期の開始月の前々月10日までにも当該四半期に属する各月ごとの運転計画を作成し、各月ごとの計画運転時間を、乙に報告するものとする。ただし、甲は、本発電所の営業運転開始日から平成30年3月31日までの期間に属する各月ごとの運転計画及び当該各月ごとの計画運転時間については、平成29年12月初日までに乙に報告す
<P4>
るものとする。
2 前項の規定にかかわらず、発電設備の計画外の運転停止が発生した場合又は提出済みの運転計画及び計画運転時間を変更する必要が生じた場合は、甲は速やかに前項により報告済の運転計画及び計画運転時間を修正し、乙に報告するものとする。
(木質パイオマス燃料料金)
第11条 本契約に係る各月ごとの本質バイオマス燃料料金は、木質バイオマス燃料の区分ごとの乙から本発電所への当該月の引渡し量に、第2項に定める木質バイオマス燃料の区分ごとの取引単価を乗じて得た値の合計額とする。なお、木質バイオマス燃料料金の単位は1円とし、その端数は切り捨てるものとする。
2 甲及び乙は、別途協議のうえ、木質バイオマス燃料の区分ごとの取引単価及び当該単価の適用期間を定め、別紙3に定める様式による覚書を締結するものとする。
3 前項に定める覚書において合意された適用期間の満了日の翌日以降の木質バイオマス燃料の区分ごとの取引単価及び当該単価の適用期間の合意が得られない場合は、直前の取引単価を用いて木質バイオマス燃料料金を算定することとし、当該単価の合意が得られた後、遅滞なく、当該単価により計算した木質バイオマス燃料料金と支払済み額との差額を精算するものとする。
4 第1項及び第2項の規定にかかわらず、第2条第2項に規定する本発電所の試運転に必要な木質バイオマス燃料の料金については、甲乙別途協議のうえ決定するものとする。
5 第1項の規定にかかわらず、乙が甲に供給する木質バイオマス燃料の品質が、別紙1に定める品質基準を著しく逸脱した場合は、甲乙協議のうえ、木質バイオマス料金の決定方法を変更することができるものとする。
(支払)
第12条 乙は、各月の木質バイオマス燃料料金に消費税及び地方消持税相当額を加えた額を翌月■日までに請求し、甲は、同月■日(■日が金融機関の休業日の場合は、その翌営業日)までに、乙の指定する口座に支払うものとする。ただし、請求書の受領が■日以降の場合は、誇求書受領後■日以内に支払うものとする。振込手数料は、甲の負担とする。なお、甲は、支払日時点において乙から甲に対する未払金があるときは、その車買を木質バイオマス燃料料金から控除した金額に消費税及び地方消費税相当額を加えた額を支払うことができる。
2 甲は、前項に規定する支払期限までに木質バイオマス燃料料金を支払わなかった場合は、当該料金のほか、支払期限の翌日から支払日まで、当該料金について年率■%(1年を365日とする日割計算)の割合で算出した額(以下「延滞利息」という。)を、当該料金と併せて乙に支払うものとする。なお、延滞利息の単位は1円とし、その端数は切り捨てるものとする。
<P5>
(契約解除)
第13条 甲及び乙は、相手方につき以下のいずれかの事由が生じた場合には、相手方に対する通知により、本契約又はこれに関連して締結された協定等(以下「本契約等」という。)を解除することができるものとする。
(1) 破産手続、民事再生手続、会社更生手続、特別清算若しくはその他の倒産関違法規に基づく手続開始の申立てがなされ、又は解散の決議を行ったとき。
(2) 本契約等に定める債務の履行を60日以上遅滞したとき。
(3) 上記のほか、本契約等若しくは本契約等に基づく取引又はこれらに関する自らに係る適用法令の規定に違反し、相手方から相当の期聞を定めて催告されたにもかかわらず、当該違反行為を改めず、又は止めないとき。
(4) 以下の事由その他その信用が容観的に明らかに低下したと認められる事由が生じたとき。
① 自らが発行し又は引受けた手形又は小切手が不渡りとなったこと。
② 銀行取引停止処分を受けたこと。
③ 国税徴収法による滞納処分を受けたこと。
③ 強制執行を受け、又は競売の申立てを受けたこと。
(5) 反社会的勢力(①暴力団(暴力団員による不当な行為の防止に関する法律(平成3年法律第77号、その後の改正を含み、以下「暴力団員による不当な行為の防止に関する法律」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)、②暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止に関する法律第2条第6号に定める暴力団員をいう。以下同じ。)又は暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、③暴力団準構成員、④暴力団関係企業、⑤総会屋等、⑤社会運動等標傍ゴロ、⑦特殊知能暴力集団等、⑧その他①から⑦までに準じる者、⑨①から③までのいずれかに該当する者(以下「暴力団長等」という。)が経営を支配していると認められる関係を有する者、⑩暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有する者、⑪自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有する者、⑫暴力団員等に対して資金等を提供し、又は便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有する者、及び⑬役員又は経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有する者をいう。以下同じ。)となったとき。
(6) 自ら又は第三者を利用して反社会的行為(①暴力的な要求行為、②法的な責任を越えた不当な要求行為、③取引に関して、脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為、③風説を流布し、偽計若しくは威力を用いて取引の相手の信用を段損し、又はその業務を妨害する行為、及び③その他上記①から③までに準ずる行為をいう。以下同じ。)を行ったとき。
<P6>
2 前項に基づき甲又は乙が本契約等を解除した場合、その相手方は、自ら制御できず且つ取引上通常要求される措置によっては予防・回避できない天災・事変等の不可抗力に起因する場合を除き、当該解除により解除者たる甲又は乙に生じた損害を賠償するものとする。
3 甲は、本条第1項に定める場合のほか、乙に対する30日前までの通知により、任意に本契約等を解除することができる。ただし、甲は、乙に対し、自ら制御できず且つ取引上通常要求される措置によっては予防・回避できない天災・事変等の不可抗力に起因する場合を除き、当該解除により乙に生じた損害を賠償するものとする。
(損害賠償)
第11条 甲及び乙は、相手方が本契約に違反したことにより損害を被った場合は、当該績害に係る賠償を相手方に対して請求することができる。ただし、当該違反が不可抗力によるものが明らかな場合は、甲乙別途協議のうえ、その扱いを定めるものとする。
(秘密保持義務)
第15条 甲及び乙は、本契約に関連して知り得た情報について秘密保持義務を負い、相手方の事前の書面による同意がないかぎり(当該同意は不合理に差し控えられないものとする。)、これらの情報を開示し、又は目的外に使用しないものとする。ただし、下記の場合には、この限りでない。
(1) 官公庁、裁判所等の公的機関当該情報についての開示命令を受けた場合
(2) 法令等により開示が必要な場合
(3) 甲及び乙の役員、監査役、従業員、弁護士、公認会計上、税理士等に上記契約を履行する上で必築となる限度にて開示する場合
(4) 公知情報(当該情報受領者の責めに帰すべき事由により公知になった場合を除く。)を開示する場合
(5) 情報受領時に当該情報受領者が秘密保持義務に服することなく悦に入手していた情報を開示する場合
(6) 秘密保持義務に拘束されることのない者から、秘密保持義務を負うことなく適法に入手した情報を開示する場合
(権利義務の譲渡)
第16条 甲及び乙は、相手方の事前の書面による同意がない限り、本契約に規定する自己の権利義務又は契約上の地位を、第三者に対して談渡し、又は担保の用に供することができないものとする。
(完全合意)
第17条 本契約は、本契約に含まれる事項に関する甲乙間の完全な合意を構成し、口頭又
<P7>
は書面を問わず、甲乙間の本契約に規定する事頃に関する事前の合意、表明及び了解に優先するものとする。
(合意管轄)
第18条 本契約に関する訴訟については、東京地方裁判所をもって第一審の専属管轄裁判所とする。
(誠実協議)
第19条 本契約に定めのない事項が発生したとき及び本契約の解釈に疑義が生じたときは、甲乙間の協議により解決するものとする。
(本頁以下余白)
<P8>
以上、本契約締結の証として、本書2通を作成し、甲乙記名捺印の上、各1通を保有する。
平成29年12月13日
甲 群馬県前橋市古市町215番地
前橋バイオマス発電株式会社
代表取締役 野本 健司
乙 群馬県前橋市苗ケ島町2550番2
前橋バイオマス燃料株式会社
代表取締役社長 東泉 清寿
=====別紙1=====
木皆バイオマス燃料の品管基準等
1.木質バイオマス燃料の品質基準
●木質バイオマス燃料:間伐材等由来燃料(プレス脱水処理未実施分)
○含水率(湿量基準含水率):平均45%(40%~50%)
○形状:長辺30~50㎜(最長70㎜未満) 厚さ5㎜(最厚10㎜未満)
○その他:・本事業の実施を阻害する虞のある異物等の混入がないこと。
・木質バイオマス燃料を燃焼した際、有害なガスが箔生する物質の混入がないこと。
●木質バイオマス燃料:間伐材等由来燃料(プレス脱水処理実施分)
○含水率(湿量基準含水率):平均40%
○形状:長辺30~50㎜(最長70㎜未満) 厚さ5㎜(最厚10㎜未満)
○その他:・本事業の実施を阻害する虞のある異物等の混入がないこと。
・木質バイオマス燃料を燃焼した際、有害なガスが箔生する物質の混入がないこと。
●木質バイオマス燃料:製材端材等由来燃料(プレス脱水処理実施分)
○含水率(湿量基準含水率):40%
○形状:長辺30~50㎜(最長70㎜未満) 厚さ5㎜(最厚10㎜未満)
○その他:・本事業の実施を阻害する虞のある異物等の混入がないこと。
・木質バイオマス燃料を燃焼した際、有害なガスが箔生する物質の混入がないこと。
=====別紙2=====
木質バイオマス燃料の引渡し場所等
■■■■■■■■■■(1ページ全面黒塗り地図)■■■■■■■■■■
=====別紙3=====
木質バイオマス燃料の取引単価に関する覚書
前橋バイオマス発電株式会社(以下「甲」という。)と前橋バイオマス燃料株式会社(以下「乙」という。)は、甲乙聞の平成●年●月●付「前僑バイオマス発電所燃料供給契約」第11条第2項の規定に基づき、以下の湿り木質バイオマス燃料の区分ごとの取引単価及び適用期間を定める。
1.木質バイオマス燃料の区分ごとの取引単価
●木質バイオマス燃料:間伐材等由来燃料(プレス脱水処理未実施分)
○取引単価:1トン当たり●●●●円
●木質バイオマス燃料:間伐材等由来燃料(プレス脱水処理実施分)
○取引単価:1トン当たり●●●●円
●木質バイオマス燃料:製材端材等由来燃料(プレス脱水処理実施分)
○取引単価:1トン当たり●●●●円
2.適用期間
平成●年●月●日 から 平成●年●月●日
以上、合意の証として、本書2通を作成し、甲乙記名捺印の上、各1通を保有する。
平成●年●月●日
甲 前橋バイオマス発電株式会社
代表取締役 ●● ●●
乙 前橋バイオマス燃料株式会社
代表取締役社長 ●● ●●
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■このうち求釈明について、原告当会の質問(青色)と被告群馬県の回答(赤色)の対比させて並べてみました。
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平成30年6月6日付の被告第6準備書面および乙12号証と乙13号証に関して、原告らは次のとおり反論する。
はじめに排ガス量に関する被告の主張およびその裏付けとしている関電工作成の算定式(乙12)に示されている排ガス量に関する不整合性について指摘するとともに、求釈明を行い、次に被告の第6準備書面への反論を述べる。
第1 求釈明
乙12号証の排ガス量の計算式等について、明らかに整合性が欠けているため、原告らは次の求釈明を行う。
1 含水率の前提条件の疑義
関電工が作成した環境配慮計画には、使用燃料として、低位発熱量9,278kJ/㎏、2,216kcal/㎏との説明がある。しかし、全国木材チップ工業連合会が示している方程式に基づき、今回の乙12号証で示された含水率43.125%を用いて再計算してみると、低位発熱量7,669kJ/㎏、1,833kcal/㎏となり、メガジュール値もカロリー値も、含水率を計算すると36%となる。このことにより、関電工は、排ガス量の計算の際に、含水率を数%上乗せし、燃料となる木材の重量を減少させ、環境アセスメントの実施基準である、40,000㎥/h以下になるように偽装した疑いがある。
(参考)低位発熱量の方程式(全国木材チップ工業連合会報告資料より)
低位発熱量(Q)の計算式(カロリー値:kcal/kg)
Q = -55.75M + 4238 = -55.75*43.125+4238 = 1,833 kcal/kg
M : 湿量基準含水率(%):43.125%【乙12号証より】
低位発熱量(Q)の計算式(メガジュール値:MJ/kg)
Q = -0.2326M + 17.7 = -0.2326*43.125+17.7 = 7,669 kJ/kg
M : 湿量基準含水率(%):43.125%【乙12号証より】
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上記の方程式から関電工がいう含水率を再計算すると、
① カロリー値計算 2,216=-55.75*X+4238
X=(2,216-4238)/55.75=36.3%(含水率)
② メガジュール値計算9,278=-232.6*X+17.7
X=(9,278-17,700)/232.6=36.2%(含水率)
したがって、関電工の環境配慮計画書に書かれている使用燃料は、低位発熱量をカロリー値及びメガジュール値で分析すると、木質バイオマス発電に使用する木質バイオマスチップの含水率は、両者ともほぼ36%未満を示すことから、排ガス量の計算値で使用した含水率43.125%は、明らかに排ガス量を40,000㎥/h以下にするために偽装した数値の疑いがある。
求釈明1:上記の計算結果が示す含水率の相違による低位発熱量の矛盾について、被告の見解を求めたい。
⇒1 求釈明1について
木質チップを天然乾燥した場合の(湿量)含水率は45%程度であり,人工乾燥した場合の(湿量)含水率は40%程度である(甲64。乙15-別紙1)。そして,前橋バイオマス発電では,天然乾燥した木質チップと人工乾燥した木質チップを併用して燃料として使用するため,平均すると(湿量)含水率は43.125%程度となると想定されている。したがって,(湿量)含水率が36%まで下がることはない。
2 使用燃料の使用量の疑義
(参考:前橋バイオマス 環境配慮計画より)
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上記の関電工作成の環境配慮計画書によると、使用燃料の資料量は9,770㎏/hとある。一方、排ガス量の計算値(乙12)で使用した燃料使用量は9,300㎏/hとある。これは排ガス量を減らそうとした偽装値である疑いが濃厚である。
求釈明2:上記の使用燃料の使用量の矛盾について、被告の見解を求めたい。
⇒2 求釈明2について
一般に,燃料の含水率が高いほど,当該燃料の発熱量は低くなるから,燃料使用量は増えることになる。逆に,燃料の含水率が低いほど,当該燃料の発熱量は高くなるから,使用燃料は相対的に減ることになる。
環境配慮計画では,天然乾燥した木質チップの(湿量)含水率を45%と見積もり,他方,排ガス量の計算(乙12)では,天然乾燥による燃料と人工乾燥による燃料を併用した場合における全体の(湿量)含水率として43.125%と見積もったのである。燃料使用量9,770kg/hと9,300kg/hとの差は,この仮定した含水率の差により生じたものである。
また,条例アセスメント実施要件該当性判断においては,本件運用により(乾量)含水率を20%*1)(湿量)含水率は16.667%となる(乙12参照)。として計算できる。そして,仮に(湿量)含水率を45%として排ガス量の計算式(乙12)に当てはめた場合,結局,本件運用により排ガス量は39,200Nm3/h程度となり,40,000Nm3/hを下回り条例アセスメントの対象とならないため,関電工が含水率を偽装する理由はない。
3 前橋バイオマス燃料の木質燃料製造施設で取り扱う木質燃料の使用量と性状の疑義
前記(2)の疑義に関連して、前橋バイオマス燃料が隣接の前橋バイオマス発電に供給する木質燃料について、被告に提出された木質燃料供給計画(仕入れ)及び同(販売)(次ページ参照)(甲25-1)を見ると、次のことが分かる。


被告が原告に開示した表は黒塗りだらけのため、分かりやすく表にまとめてみる。
なお、含水率は湿量基準である。また、数字の下線部は黒塗り箇所を原告が連立方程式等を使って得た推定値である。
<購入>
含水率 取扱量(トン) 乾燥重量(トン)
未利用材原木 50% 18,000 ⇒↓ 9,000
未利用材チップ 50% 45,100 ⇒63,100 22,550
製材チップ 60% 21,000 ⇒21,000 8,400
合計 84,100 =84,100 39,950
<販売>
含水率 取扱量(トン) 乾燥重量(トン)
未利用材原木 45% 15,000 ⇒↓ 9,000
未利用材チップ 40% 41,000 ⇒56,000 22,550
製材チップ 40% 14,000 ⇒14,000 8,400
合計 70,000 =70,000 39,950
求釈明3:上記の表、とくに原告の推定値に誤りはないか、被告の確認を求めたい。
求釈明4:関電工は乙12号証で「使用する木質バイオマス燃料の中の全水分量(43.125%:計画値)」であるとしているが、上記の<販売>表では、
湿量基準含水率=(取扱量合計-乾燥重量合計)/取扱量合計
=(70,000-39,950)/70,000
=42.928%
となり、関電工の示す計画値と異なる。この理由について被告の見解を求めたい。
求釈明5:関電工は乙12号証で「燃料消費量(kg/h)」について、「9,300(kg/h)」をベースとして排ガス量を計算している。一方、前橋バイオマス燃料が前橋バイオマス発電に販売する木質燃料は湿量基準含水率平均が42.938%の場合、70,000トンであると計画している。
70,000トンの木質燃料を毎時9,300㎏(=9.3トン)した場合、
70,000/9.3=約7,527時間
約7,527時間/24時間=約314日
約314日/30日=約10.45カ月
となり、年間稼働日数からすると、ほぼ平均週6日稼働という計算になる。一方で、関電工は地元住民説明会において、発電設備は24時間運転を行うとしている。
毎年の定期点検のため1か月の運転休止期間を見込んでも、さらに半月間のアイドル期間が生じる。この矛盾について、被告の見解を求めたい。
求釈明6:仮に、関電工のいう「使用する木質バイオマス燃料の中の全水分量(43.125%:計画値)」が正しい場合、前橋バイオマス燃料の計画する木質燃料供給計画(仕入れ)及び同(販売)との整合性が問われるが、被告の見解を求めたい。
⇒3 求釈明3乃至6について
原告らは,関電工の排ガス量計算における(湿量)含水率(43.125%)と,前橋バイオマス燃料の燃料供給計画から計算される(湿量)含水率(42.938%)との整合性を問題としている。
しかし,上記各含水率は異なる算出方法による計算上の含水率であり,完全に一致することまで要求される性質のものではない。
求釈明7:同じく、前橋バイオマス燃料の計画する木質燃料供給計画(仕入れ)及び同(販売)では、未利用材原木という分類が為されている。これは、購入の場合には、含水率50%の丸太状の状態の「未利用材原木」を指すとみられる。一方、販売の場合は、「未利用材原木」とは、どのような形態をしめすのか、理解に苦しむ。なぜなら、関電工が導入したBFBバブリング流動層(床)ボイラーは、乙13号証48ページの表Ⅲ.2-10に記されているように「燃料形状はコンベヤにて搬送するため、サイズは最大100㎜以下程度にする必要あり」とされているからである。この観点から、全量チップでなければならないはずの<販売>木質燃料に、なぜ「未利用材原木」という記述があるのか、この矛盾について被告の見解を求めたい。
⇒4 求釈明7について
前橋バイオマス木質燃料供給計画(販売)における「未利用材由来の木質バイオマス」のうち,「原木」とは,原木「由来」という意味であり,未利用材原木をチップ化したうえで販売するということである。
求釈明8:前橋バイオマス燃料は、被告の斡旋により、群馬県議らが有権者の住民を伴い6月12日午前10時に施設見学会の開催を現地で予定していた。ところが、当日の朝になって突然キャンセルを県議団や被告に通告してきた。その理由は、前橋バイオマス燃料が、見学予定者名簿の提出を県議団に求めたところ、「提出された名簿に県議でない者がいる」ということだったという。このように住民の代表である県議らの要請に対して、平然と直前に視察を拒否するような不誠実な事業者について、多額の補助金を受け取る資格があるのかどうか、被告の見解を求めたい。
⇒5 求釈明8について
バイオマス燃料による施設見学の受入方法についての判断は,同社の補助金受給資格に影響を与えるものではない。
求釈明9:また、空気比を1.3と仮定して計算している点にも不審が募る。これほど水分量の多いチップを燃焼させるのだから、燃焼に必要な空気量は、1.5を遥かに超える可能性がある。この空気比が最大の争点の一つであり、被告や事業者は、明確な根拠と実測した空気比を示す必要がある。
⇒6 求釈明9について
既に述べたとおり,空気比の値「1.3」は,前橋バイオマス発電が燃料のサンプルをボイラーメーカーへ提供した上で,ボイラーメーカーが納入済み先行機の実績およびボイラーの性能・使用目的を考慮した上で算出した値である。この点,空気比を過大にすると排ガスとしてボイラーから持ち去られる熱量が大きくなり,ボイラー効率(熱効率)の低下を招く。また,燃料性状が安定していれば空気比を上げなくとも完全燃焼が可能である。
**********
■被告群馬県が、まともに回答していないことがよくお分かりいただけると思います。
また、今回、前橋バイオマス発電と前橋バイオマス燃料の資本構成が初めて明らかになりました。関電工は、当会の公開質問状に対して一切回答を拒否しましたが、乙14号証によれば、前橋バイオマス燃料㈱がトーセン主体、前橋バイオマス発電が関電工主体ですが、前橋バイオマス事業全体では、トーセンが65.8%+30%=95.8%、関電工が25.0%+70%=95.0%となり、ほぼ拮抗していることがわかります。
また、取締役も、トーセンが3+1=4名、関電工が1+3=4名で同数となっています。
このことから見ても、まさに関電工がトーセンの松井田バイオマスが頓挫したのを見て、共同事業を持ち掛けた経緯が伺えます。
さらに今回は、前橋バイオマス燃料と前橋バイオマス発電との間の燃料供給契約書も一部黒塗りですが、かなり明らかになりました。
これを見ると、木質バイオマス燃料の区分として、間伐材等由来燃料では①プレス脱水処理未実施分(40~50%、平均45%)、②プレス脱水処理実施分(40%)、そして製材端材等由来燃料では③プレス脱水処理実施分(40%)の3種類が明記されていますが、供給量は年間合計8万トンを基本としているだけで、①②③それぞれの供給量の詳細は「都度協議して決める」としか記載がありません。
となると、当会が懸念している排ガス量が毎時4万ノルマル㎥を超えるのか超えないのか、明白な根拠が存在しないことになります。
にもかかわらず、被告の群馬県は、関電工やトーセンを慮って、勝手に「問題ない」と主張しているため、このような根拠のないあやふやな釈明しかできなかったのだと思われます。
■やはり、きちんと関電工とトーセンに、排ガス量毎時4万立米を超えないとする根拠を示してもらわないと、本当に環境アセスメントの実施が不要なのかどうか、確かめようがありません。
次回9月5日(水)午後4時から前橋地裁で開かれる第10回弁論準備で、このことを裁判長にアピールしたいと思います。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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