■2018年7月、息子の裏口入学と引き換えに便宜を図った容疑で逮捕起訴された元文科省幹部・佐野太。エリート官僚による文科行政私物化の呆れた実態を浮き彫りにしたそのニュースは、衝撃とともに日本を駆け巡りました。天下り文科官僚によって引き起こされた群馬高専の悲劇を追及する当会としてもそれは注目の事件であり、当時大きく本ブログにて取り上げました。
○2018年7月5日:補助金と天下りで教育行政を歪める文科省の官僚とそれに順応して教育の本質を見失った学校組織のトップ↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2686.html
ところが話はそれで済まず、当会が別途追及し続けている長野高専の石原祐志天下り前校長が、実は佐野太と極めて繋がりの深い同門同期であり、その強力な後ろ盾によって校長の椅子を得ていたという衝撃の経緯が明らかになりました。
○2019年12月31日:【スクープ】長野高専石原祐志前校長就任・退任の裏事情…実はあの日本中激震の大事件と連動していた!?↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3102.html
【6月6日追記】
この度、東京地裁に確認したところ、新型コロナの影響で審理が止まっていた事件の再日程が組まれていて、佐野太事件についても、「7月6日(月)10:00~」に初公判が行われる予定である事が判明しました。この事件は社会的に大きな物議を醸したことから、「傍聴券の対象になる可能性があるので、東京地方裁判所のHPをこまめにご確認ください」とのことです。ちなみに通例、有名事件の傍聴抽選券配布は開廷の1時間半以上前に締め切られますが、具体的な時刻は事件によってまちまちなので、都度事前に確認する必要があります。
※東京地裁HP:URL ⇒ https://www.courts.go.jp/tokyo/index.html
※傍聴券交付情報: URL ⇒ https://www.courts.go.jp/app/botyokoufu_jp/list?id=15,18,19,20,21,22,23,24,25
【追記終】
↑日本中を騒がせた有名人からこんな「友情の校長プレゼント」がなされていたかもしれない?↑
■並んで気にかかっていたのは、佐野太のその後の処遇でした。18年7月に逮捕起訴され、同年12月には保釈されていたものの、20年1月になっても初公判が開かれる兆しすらなかったのです。国民がすっかり事件を忘れた裏で、不思議な後日談が進んでいたのです。
前回記事で報告したのはここまででしたが、その後の報道によると、今年(2020年)3月末をもって、休職中だった佐野太は正式に文科省を定年退職した扱いになったようです。
**********日経2020年3月31日5:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57406920Q0A330C2CC1000/
文科省元局長が定年退職 息子合格に便宜で起訴
文部科学省の私大支援事業で便宜を図る見返りに自分の息子を東京医科大に合格させてもらったとして、受託収賄罪で起訴された同省元科学技術・学術政策局長、佐野太被告(60)が定年退職することが30日、文科省への取材で分かった。2018年7月に起訴され、休職中だった。退職は今月31日付。
国家公務員退職手当法などの規定に基づき、退職金の支払いは差し止められ、有罪が確定すれば払われない。佐野被告らの初公判は4月20日、東京地裁で開かれる予定。
〔共同〕
**********
■上記記事のとおり、待たせに待たせてようやく4月20日に初公判の日程が決められていたのがわかります。ところがこの記事が載った3月31日からたった1週間後の4月7日、歴史的な新型コロナ緊急事態宣言が発令され、対象地域で4月中に予定されていた裁判の大半が中止に追い込まれてしまいました。それはやっとのことで開かれようとしていた佐野太の初公判も例外ではありませんでした。
○2020年4月7日:【お知らせ】新型コロナ緊急事態宣言のため高専過剰不開示体質是正訴訟の審理が一時中断↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3144.html
そこで、当会関係者から5月21日に東京地裁刑事16部に電話してその後の進捗を確認しました。すると回答は次のとおりでした。
・新型コロナウイルスの関係で佐野太被告の初公判は取り止めになり、再日程はまだ決まっていない。
・4月20日に問題なく初公判が行われていたなら、傍聴は抽選になっただろう。
・新型コロナウイルスに関する状況は時々刻々変化しているので、初公判の日程などは電話や東京地裁のHPで都度確認してほしい。
■5月23日現在、東京でも緊急事態宣言が緩やかに解除される見通しが出てきており、佐野太の初公判の再日程が決まる日もそう遠くはないと推察されます。
東京地検特捜部が起訴から初公判まで2年近くもかけた事情とはいったいなんだったのでしょうか。それだけの時間の対価として、より鮮明に事件の真相が明かされることになるのでしょうか。佐野太の口からはいったい何が語られ、あるいは語られないのでしょうか。
かつて佐野太がむりやり石原を校長として送り込んでしまったせいで理不尽に振り回され続けた長野高専の関係者らと共に、本件推移も注視していきたいと思います。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報「佐野太親子の東京医科大裏口入学事件」
この破廉恥事件の2年前の発覚当時の報道記事をあらためて集めてみました。
**********日刊ゲンダイ2018年7月5日14:50
血税使い我が子を裏口入学 “収賄逮捕”文科省局長の素性
↑右が“裏口”局長(C)共同通信社↑
これで「道徳」の教科化とは噴飯モノだ。4日、文科省の科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)が受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。
昨年5月、東京医科大の関係者が、同省の官房長だった佐野容疑者に、私立大などを対象とする支援事業に選ばれるよう便宜を図って欲しいと依頼。その見返りに今年2月、佐野容疑者は同大を受験した自分の子供の点数を加算させて合格させてもらった疑いだ。
■もはや教育を司る資格なし
許し難いのは、“裏口入学”に、国民の血税が使われたことである。同大医学部医学科は倍率16倍の狭き門。佐野容疑者はわが子をねじ込むために自分の懐を痛めず、特色ある研究を支援する「私立大学研究ブランディング事業」で便宜を図ったのだ。
この事業の予算規模は年間約55億円で、選ばれた大学は3~5年にわたり、事業内容に応じて年額2000万~3000万円程度の補助金をもらえる。昨年度、応募した188校中、60校が選ばれた。
「私大と文科省はズブズブですよ。人口減少で学生数が減っても、大学側は従来通り助成を受けたい。官僚に口を利いてもらう代わりに、大学側は教授のイスなど“天下り先”を用意する。官僚側から何らかのポストを要求することも珍しくなく、見返りに応じない大学の風当たりは厳しい」(私大関係者)
そんな癒着の“権化”ともいえる佐野容疑者は、早大大学院理工学研究科を修了後、1985年、旧科学技術庁に入庁。01年の省庁再編後は、高等教育局私学部参事官や大臣官房審議官を歴任した。
「官房長だった昨年、天下りあっせん問題で厳重注意を受け、同年7月に現在のポストに就任。省内では『将来の次官候補』と目されていました」(文科省関係者)
しかも、文相経験のある自民党の元代議士の娘婿との情報もあり、「本人も政界進出に色気があって、結婚したのではないか」(文科省関係者)と囁かれている。
今回の事件で、出世も政界進出の思惑も全てパー。林文科相は佐野容疑者の逮捕を受け、「何らかの措置を速やかに取りたい」と語ったが、部下の処分だけで収まる話じゃない。監督責任を負って辞任がスジだ。
それにしても、教育を司る省庁トップ候補が裏口入学とは……。天下りや加計問題、局長逮捕で汚れた“三流官庁”に、もはや教育を語る資格はない。
倫理観ゼロの政権下で、この国のモラルは地に落ちるばかりだ。
**********日刊ゲンダイ2018年7月7日06:00
文科省の収賄局長が失った 麻布の“億ション”セレブライフ
↑佐野太容疑者(右)の麻布“億ション”(C)共同通信社↑
この国の教育行政は、どこまで腐敗しているのか――。文科省前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)が、受託収賄容疑で逮捕された事件。国の私大支援事業で東京医科大に便宜を図った見返りに、自分の息子を同大医学部に“裏口入学”させ、とんだ「親バカ」ぶりを見せた。しかも、血税を使って不正を働きつつ、“億ション”ライフを満喫していたのだから許しがたい。
■不正の裏でリッチな生活
現役局長の汚職事件を巡って、5日、東京医科大トップの臼井正彦理事長(77)と鈴木衛学長(69)が不正に関与した疑いが浮上。臼井理事長が昨年5月、佐野容疑者に便宜を図るよう依頼し、鈴木学長が口利きの見返りに、同大医学部を受験した佐野容疑者の息子を不正に合格させるよう学内で指示したとみられる。
加計学園や日大に続いて、また怪しい理事長が登場し、疑惑は拡大。文科省職員が「信じられない」と唖然とするのも当然だ。佐野容疑者は省内で「科学技術畑のエース」の誉れ高く、「将来の次官候補」と目されていたからだ。
そんな期待を裏切って、“三流官庁”の看板をドブに叩き落とした佐野容疑者は、港区麻布狸穴町の超高級マンション暮らし。東京メトロ南北線六本木一丁目駅から徒歩6分という好立地で、周囲にはロシア大使館や外国人御用達の会員制クラブが並ぶ。不動産情報サイトによると、1室の売値は中古でも、およそ1億3000万~1億5000万円。敷地面積4600平方メートルの上に立つ瀟洒な建物は、地上8階地下2階で、2013年に新築されたばかりだ。
「狸穴町は、高級住宅地といわれる麻布の中でもさらにワンランク高い地域。政治家や要人に馴染み深いところです。テレビによく出演する弁護士が、同マンションの1室を所有しています」(不動産関係者)
登記簿によると、佐野容疑者は14年、5500万円のローンを組んでマンションを購入している。近隣住民は、佐野容疑者について「感じの良い人。すてきなご夫婦です」と言っていた。
裏口入学した佐野容疑者の息子とみられるツイッターアカウントは、昨年2月から12月にかけて、<今日からセブ島で一人暮らしすることにした><センター試験16日前なのに俺セブ島で何してんだっていうね>などと投稿。家族揃ってセレブライフを満喫していたのだろう。
■共犯者は六本木タワマン居住
佐野容疑者に負けず劣らずの贅沢な生活を送っていたのが、不正の片棒を担いで逮捕された都内の医療コンサルティング会社元役員の谷口浩司容疑者(47)。佐野容疑者と臼井理事長を仲介した人物で、受託収賄幇助容疑で捕まった。
「大学の経営が傾くと、仲介ビジネスで儲けようとするブローカーが現れる。省庁や銀行、企業に人脈があるなどと言って、大学側にすり寄るのです。実際、関西のとある私大から、大学ビジネスで儲けようとするブローカーの存在を聞いたことがあります」(元文科官僚で京都造形芸術大教授の寺脇研氏)
谷口容疑者の自宅は、六本木にある25階建てのタワーマンション。賃料100万円を超す部屋もあり、庶民が簡単に住めるところじゃない。フロントコンシェルジュやプール付きスパ、朝食サービスなど、セレブ感満載である。
佐野容疑者といい、谷口容疑者といい、贅を極めると、血「税」をふんだくっても良心は痛まなくなるようだ。
**********ZakZak by 夕刊フジ 2018年7月16日
東京医科大「裏口入学」、佐野容疑者とのやりとり録音「息子が一番行きたい大学です」
↑佐野容疑者↑
私大支援事業をめぐって受託収賄容疑で文部科学省の前科学技術・学術政策局長、佐野太容疑者(58)が逮捕された事件で、東京医科大の臼井正彦前理事長(77)が、入試を受ける佐野容疑者の息子の扱いについて「正規合格がいいか、補欠合格がいいか」と尋ねていたことが13日、関係者への取材で分かった。佐野容疑者は「(東京医科大は)息子が一番行きたい大学です」「よろしく」などと応じたという。
東京地検特捜部は、両者の詳細なやりとりを記録した音声データを入手し、不正合格に至った経緯を調べている。
佐野容疑者は官房長だった昨年5月、臼井氏から文科省の「私立大学研究ブランディング事業」の対象校にするよう取り計らってほしいと頼まれ、その謝礼と知りながら医学部医学科の入試で息子を合格させてもらった疑いがある。
関係者によると「官房長に事業の対象校選定の職務権限はなく、得点の加点を頼んだこともない」と容疑を否認している。
佐野容疑者と臼井氏は同じころ、元医療コンサルティング会社役員、谷口浩司容疑者(47)=受託収賄幇助(ほうじょ)容疑で逮捕=も交えて複数回会食。臼井氏はこの場で息子を不正に合格させることを前提に、正規合格か補欠合格かの選択肢を示した。臼井氏は佐野容疑者の言動から正規合格を希望したと判断し、担当者に加点を指示したとみられる。
**********日経2018年7月24日 14:32
文科省汚職で前局長ら起訴 不正入試疑惑、調査へ
私立大支援事業を巡る文部科学省汚職事件で、東京地検特捜部は24日、同事業の申請で東京医科大に便宜を図る見返りに息子を同大に不正合格させたとして、同省の前科学技術・学術政策局長、佐野太容疑者(59)=東京都港区=を受託収賄罪で起訴した。同大の臼井正彦前理事長(77)と鈴木衛前学長(69)=いずれも6日付で辞職=も贈賄罪で在宅起訴した。
↑佐野被告が局長を務めていた文部科学省↑
特捜部は佐野被告と臼井被告の仲介役となったとして、当時医療コンサルタント会社役員だった谷口浩司容疑者(47)も受託収賄ほう助の罪で起訴した。特捜部は4被告の認否を明らかにしていない。
一方、林芳正文科相は24日、東京医大で以前から入試不正をしていた疑いが出ていることについて、担当部局に事実関係の調査を指示したことを明らかにした。事件が一つの区切りを迎えたことで、省として調べる必要があると判断した。前幹部の起訴について、林氏は「厳粛に受け止める。国民に深くおわびし、信頼回復に向けて全力を挙げる」と語った。
起訴状によると、佐野被告は文科省官房長だった2017年5月、東京都内の飲食店で臼井被告から私立大支援事業の対象校選定で便宜を図るよう依頼され、見返りとして18年2月の入試で息子の点数を加算して合格させてもらったとされる。
関係者によると、会食で佐野被告は息子が同大を志望していると告げた上で「よろしく」などと依頼。同大が同省の「私立大学研究ブランディング事業」で提出する事業計画書の書き方について、「字を大きくしたほうがいい」「図表を入れたほうがいい」などと助言した。その後も、谷口被告を通じて指導や添削を続けていたという。
関係者によると、佐野被告は特捜部の調べに対し事業計画書への助言を認めた上で、「当時は官房長で、事業選定の職務権限はなかった」と主張していた。ただ特捜部は官房長が同省の幅広い事務や総合調整に権限が及ぶことから、収賄罪に問えると判断した。
臼井、鈴木両被告は佐野被告の息子の1次試験の点数を加点するよう入試担当者に指示。息子は本来合格水準に達していなかったが、不正に合格させていた。
**********週刊現代2018年7月30日
公務員史上最大の事件「東京医大への裏口入学」はなぜ起こったか
一番のバカは誰か
★次官候補のエリート
「佐野さんは、汚れ仕事を嫌がるタイプで、ややこしい仕事は自分ではやらずに、さばいて部下にやらせるような人でした。でも、自分を慕う人は可愛がる一面もあった。佐野さんに付いたほうが得策だと考えて、従っていた人も多かった。
一方で、上の人に取り入るのは上手かった。着々と次官ルートに乗って出世していましたし、そういう意味では『ずる賢い人』なんだと思っていましたが……」(文科省関係者)
7月4日、文科省の私立大学支援事業を巡る汚職事件で、受託収賄容疑で逮捕された前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58歳)。
佐野は、自分の息子を東京医科大学に入学させることを条件に、同校の「私立大学研究ブランディング事業」への選定を斡旋したとみられる。
次官候補のエリートは、順調な官僚人生のゴール直前に、なぜこのような事件を起こしてしまったのか。
早稲田大学大学院理工学研究科を修了した佐野は、旧科学技術庁を経て、文科省の官房長など、要職を歴任してきた。将来の次官候補として名前を挙げられていたという。
「天下り問題で辞任した前川(喜平・前文科事務次官)さんとは、かつて上司と部下の関係でした。前川さんの次官時代に、官房長を務めていたのが佐野さんだったんです。
前川さんは、今回の件を聞いて驚いていたようです。『なんで佐野が……』と、今もショックを受けています」(同)
佐野はエリートであると同時に、「野心的な人物」としても知られていた。自分が「次官候補」であることを意識しており、「省内では、常に上の立場の人間の顔色を窺い、出世のために誰にすり寄ればいいのかを考えながら生きているような人だった」(文科省キャリア)という。
さらに佐野は、国会議員との折衝に長けており、政治への転出が噂されることもあった。
佐野の妻は、元文科大臣の小杉隆氏の娘だ。小杉氏と言えば、'10年、妻と私設秘書が架空の投資話で約1億8000万円をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕され、追われるように政界を引退したことで知られる。
佐野が政界とのパイプを持ちながらキャリアを重ねてきたのは事実だ。実際、地元の'15年の山梨県知事選では、自民党山梨県連から擁立の動きもあったというほどだ。
官界から政界に食指を伸ばさんとするやり手だった佐野。そんな男だけに、息子にもエリートたれ、と思っていたのだろう。
その願いがいびつな形で現れたのが、今回の「裏口入学」収賄だったと言える。実際、佐野のように、子どもを医学部に入学させるため、手を尽くすエリート層の親は多い。ある有名大学医学部の元教授が話す。
「私自身も、受験生の氏名と受験番号を入試担当者に渡し、点数をかさ増ししたことがあります。
一点数十万円で、百万円単位、親によっては1億円前後の『裏金』を出す人もいた。それほど、『子どもが医学部』というブランドは、親にとってかけがえのない誇りになるのです」
今回、佐野に「私立大学研究ブランディング事業」への選定を依頼していたとされるのが、東京医大のトップである臼井正彦理事長だ。
臼井氏は同大学の学長を務めていた'09年、約50人の医局員が博士号を取得する際に「謝礼」として、総額およそ500万円を受け取っていたと報じられたことがある。
だが、臼井氏は厳重注意処分を受けたのみで、その座を離れることはなかった。前出の元教授は、こうして続いていった臼井氏の「支配」こそが今回の事件を招いたのだと指摘する。
「臼井さんは、'08年に学長に就任し、そのまま'13年には理事長になっている。つまり、およそ10年間にもわたってトップの地位に座り続けているのです。何か問題が起きても、臼井さんに直接指摘できる人は周囲に誰もいません」
★国民の税金で入学させた
東京医大の「裏口入学」という贈賄も、この長期体制が生んだ悪弊だったという。
ただ、ここで一つの疑問が湧く。そもそも佐野の息子が実力で東京医大の医学科に入学することができていれば、贈収賄は起こっていなかったのではないか。
佐野の息子は、医系大学受験を得意とする予備校の出身だという。だが、優秀な周囲の受験生と比較して、勉強を重ねても、あまり成績は向上しなかったようだ。
つまり、佐野はデキの良くない息子を心配して、端から「援護射撃」の準備をしていた――。そういうシナリオも浮かんでくるのだ。
だが、仮にどれほど息子を思いやったが故の行動であれ、教育を司る文科省のエリートが私欲のために便宜をはかるなど、言語道断であることに変わりはない。元文科省官僚で、京都造形芸術大学客員教授の寺脇研氏が語気を強めて言う。
「今回の件で恐ろしいのは、100年以上も歴史のある東京医大で、贈賄が行われていた、ということです。ここがやっているなら他の私立医大でも同様のことが行われているのでは、と思われかねない。
佐野容疑者は高等教育局で2回も働いていて、入試を担当していた。素人ではなく、プロの官僚が国民の税金を自分の息子の裏口入学のために使っていたことには、倫理観を疑います。
これが発覚しなければ、こんな人物が文科省のトップになってしまったかもしれないと考えただけで怒りが湧いてきます。これは、公務員史上最悪の事件ですよ」
現時点で佐野の息子が合格を自分の「実力」だと信じていたのか、それとも父の「援護」のおかげだと知っていたのかは判然としない。いずれにせよ、息子はもう東京医大には通えないだろう。
結果的に佐野は自分だけでなく、息子の将来をも滅茶苦茶にしてしまった。「デキの悪い子ほど可愛い」というが、この事件でもっともバカだったのが「親父」の佐野だったことは言うまでもない。
(文中一部敬称略)<「週刊現代」2018年7月21日・28日合併号より>
**********Business Journal 2018年8月2日
東京医科大学、裏口入学が常態化か…その驚愕の実態:大学医学部の裏口入学の闇
↑文部科学省科学技術・学術政策局長だった佐野太容疑者(写真:読売新聞/アフロ)↑
東京医科大学の裏口入学の問題で7月24日、収賄側として、息子を入学させた文部科学省の前科学技術・学術政策局長の佐野太被告(59)と、仲介役を果たした医療コンサルティング会社の元役員、谷口浩司被告(47)が起訴された。また贈賄側として、東京医科大の臼井正彦前理事長(77)と鈴木衛前学長(69)が在宅起訴された。
東京医科大における裏口入学は今回が初めてではなく、恒常的に行われていたという報道もある。他の医科大学でも同様なことが行われているということはないのか。『勝つ大学・伸びる大学』(エール出版社)など大学に関する著書も多い評論家の島野清志氏に話を聞いた。
「1980年代から90年代の前半くらいまでは、寄附金をもらって点数を水増しするという情実型の入学は、医大に限らず名のある私立大学でも多く聞かれました。今はもう、特に医大などはお金があるんです。第2次ベビーブーマーの受験期があって、その後も今みたいに18歳人口が悲惨なほど少ない状況ではなかったので、内部留保が大きいんですよ。だから、わざわざ評判を落とすようなことをする必要はなくなりました。
今回驚いたのは、ブローカーがいたことです。もし医大の内部関係者が学長に直接言えば簡単に話がついて内々で終わってしまうので、外部に露見することはない。以前もブローカーが介在して裏口入学がバレてしまうことがあったので、そういう手法は消えたと思ってました。ブローカーはフリーハンドで、失敗しても別の仕事をやればいいから、第三者にペラペラ話して情報が広まってしまう。仲立ちしているだけなので、大した罪にもならないですから。ブローカーではなくて、医学専門の予備校が仲介するという話は聞いたことがあります。そういうところは受験がビジネスですから、口が堅いので露見しないですよね」
今回の裏口入学に関しては、東京医科大の体質が関係しているのだろうか。
「私立大学というのは設立の時の経緯が、現在に至る校風に大きく影響してると思います。たとえば早稲田大学は、政治家とジャーナリストを育てるためにつくられた大学です。慶應義塾大学は財界に行く人材を育てるためにつくられた大学。明治大学や法政大学、中央大学は法律家を育てるための大学。そのカラーは今でもありますよ。
東京医科大は、日本医科大学から分裂するかたちで設立されました。日本医大に不満を持った先生や学生が集団で辞めて、それでつくった大学です。日本医大は、慶應や慈恵医大とともに“私立医御三家”と言われる名門です。そこから脱退したところなので、反主流であるとともに独立心が旺盛、唯我独尊でもある。
医学の世界は保守的なので、慶應閥とかいろいろな閥がありますが、東京医大というのは孤立しているわけですよ。それで新宿に高層の病院を建てるなど大胆な行動に出たり、ちょっとがんばりすぎてしまう傾向があるんですね。どこかの閥に入っていれば、バックボーンがあって安心ですが、それがないので無理してしまう。そのため他の医大に比べて“常にお金が欲しい状態”で、それが今回の事件の背景にある気がします」
★他の医大でも裏口入学が行われている可能性
医大に入っても、医師国家試験に受からなければ医師にはなれない。裏口入学させた後、そのハードルをいかにして越えさせるのだろうか。
「国家試験の壁がありますから、そんなに多くは裏口入学させてはいないでしょう。東京医科大は入学者の出身高校別人数を公表していますが、今年は1位が海城高校、2位が浅野高校、3位が慶應高校で、東大や京大にもたくさん生徒を送り出している進学校ばかり。医学部に入るのが不自然だなという高校の出身者はいません。昨年度の東京医科大の医師国家試験の合格率は97.1%で全国平均より高いです。ボーダー線上の受験者であれば小論文や面接でいかようにもできますけど、今回の場合、失礼ながら相当にできない子を入れてしまったということが、露見の原因の一つかもしれません。
報道を見ると、彼の高校時代の評定値が5段階の3.9だといわれています。これでは、医大に限らず有名な私立大学にはどこも入れません。4.2以上じゃないと厳しい。入れてしまえば国家試験に受かるかどうかは自己責任と考えていたのか、6年間のうちに引き上げようとしていたのか、そのあたりはわかりませんけど」
法学部に入って司法試験を受けない学生はいくらでもいるが、医科大学で国家試験に合格できずに医師になれなかった場合、どうなるのだろうか。
「いやあ、そうとうに悲惨じゃないですか。専門の勉強しかしてないですから、他に道がありません。専門的な世界で、一般的な世界との接点も少ないですから。過去に調べようとしたことがあるのですが、例が少ないし、そういう人は隠そうとするから見つからないんですね」
東京医大以外でも、裏口入学というのはあるのだろうか。
「東京医大というのは、難易度の高い大学です。それでも裏口入学があるんだから、難易度の低い大学でもあるかもしれません。1つの目安が、成績開示申請ができるかどうかです。今ほとんどの大学でこの制度を設けていて、不合格者が申請すると試験の成績を教えてくれます。この制度を設けていないのは、医科大学だと東京医大を含めて十数校しかありません。ただ単に不親切なのかもしれませんけど、開示するとまずいことになるという懸念があるのかもしれませんね」
教育を司る文部科学省の幹部が裏口入学に手を染めていたのだから、推して知るべしというべきか。
(文=深笛義也/ライター)
**********日経2019年1月17日 20:28
文科省汚職事件、元コンサル役員の保釈決定
文部科学省元幹部を巡る2つの汚職事件で、東京地裁は17日、受託収賄ほう助と贈賄の罪で起訴された元医療コンサルタント会社役員、谷口浩司被告(47)の保釈を認める決定をした。保釈保証金は1千万円で、即日納付された。
弁護人が11日に保釈請求し、地裁は16日にいったん請求を却下。弁護人が不服として17日に準抗告したところ、地裁は保釈を認めた。
起訴状によると、谷口被告は2017年5~6月、文科省の元科学技術・学術政策局長、佐野太被告(59)と東京医科大側を仲介し、私立大支援事業で同大に便宜を図る見返りに佐野被告の息子を合格させる手助けをしたとされる。
また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事だった同省元国際統括官、川端和明被告(57)に対し、15年8月~17年3月、自社の事業への助言などへの見返りとして21回の接待やタクシーチケットの提供をしたとされる。
**********本が好き2019年7月5日
「東京医大不正入試事件」の後、女性合格者が明らかに増えた!
2018年7月――東京医大の入試不正事件をきっかけに明るみに出た、女性の医学部受験者への減点操作。フリーランス麻酔科医として政治家・プロスポーツ選手・AV女優など様々な患者の手術を行い、ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)など医療ドラマの制作協力にも携わる著者筒井冨美が、今まで誰も公言できなかった女医問題の真実を語る光文社新書『女医問題ぶった斬り!~女性減点入試の真犯人~』が刊行!これを記念して、本書の一部を公開します。東京医大事件は何を世に問うたのか?
◆ツイッターで合格宣言
2018年7月、文部科学省の前局長である佐野太(ふとし)氏が、私立大学支援事業の対象校選定に便宜を図った見返りに、東京医科大学の入試で息子を不正に合格させてもらっていたとして、受託収賄容疑で逮捕された。
学長や理事長も絡む大規模な不正だったようで、新聞テレビともにトップニュースとして扱った。高級官僚の贈収賄が、現金・株・土地などで行われる事件は昭和時代から存在していたが、「医大入試で加点」というのは目新しい。
この事件、さらに目新しいのは、インターネット上に佐野元局長の息子とおぼしきツイッターアカウントが存在し、事件に関するツイートが複数存在したことである。
ツイッターによると、2017年5月に「浪人して良かったー!!!!!!」という歓喜の書き込み(パパに裏口合格を教えてもらった日?)があり、2017年12月28日には大学入試センター試験の16日前にもかかわらず「セブ島で年を越す」という浪人生とは思えない海外バカンスの報告がある。
さらに、医大受験が終わった直後の2018年3月3日には「受験おわったー!!!!(中略)たぶん東京医科大行きます」と、すでに合格宣言をしている。
事件発覚後、元のアカウントは閲覧不可能になったが、スクリーンショットなどに残された情報はSNSで拡散され炎上した。
2015年の電通新人女性社員過労自殺事件では、会社側が「私生活における恋愛関係のもつれによる自殺」として処理しようとしたのを、女子社員がSNSに残した長時間労働やパワハラ・セクハラに苦しむツイートが発見されて、世論を動かしたが、この事件もSNSが世論を動かした事件とも言える。
◆ニュースがもたらした驚き
そもそも、東京医科大学とは東京都新宿区にある私立医大の一つであるが、一般人に広く知られている有名校とは言い難い。
本件に関しても、案の定、TBSやニューズウィーク誌など複数のメディアが東京医科歯科大学の写真を誤使用してしまい、東京医科歯科大学が公式ホームページで異例の抗議文を掲載した。
東京医大卒業生としては、先にも紹介した、日本人初の国際機関トップとなった元世界保健機関事務局長の中嶋宏氏や、人気テレビドラマシリーズ『医龍』の原案を担当した内科医兼医療ジャーナリストの永井明氏、精神科医の香山リカ氏などが挙げられる。
新宿駅から徒歩圏内の都心部に立地しており、その雰囲気は永井明氏の自伝的小説『新宿医科大学』に詳しい。
このニュースに、私を含む50代医師の多くは驚いた。
1980年代の受験常識では、東京医大を含む中堅私立医大の入試偏差値は50~55程度、学力的には東大京大はおろか早慶にも及ばないイメージだった。
「開業医の跡継ぎ向けの特殊な学校」「面接試験では寄付金の交渉をする」「加点1点ごとに100万円」などと、当時の週刊誌ではまことしやかに報道されていた。
医師国家試験の合格率も高くはなかったので、新宿区には同校や同様の私立医大を対象にした、医大生や医師国家試験浪人生向けの予備校が存在し、年数百万円という学費にもかかわらず繁盛していた。
つまり、当時の常識では「一般家庭では高額学費(+寄付金+国家試験予備校学費)を捻出できないし、卒業しても国家試験合格率は低いし、それを突破して医者になっても勤務医じゃ学費の元を取れない」とされていたので、同校に入学希望者が殺到することはなかったのである。
しかし、NHKの報道によると、2018年の東京医大の一般受験枠は75名、受験者約2600名、一次合格者451名、最終合格者171名、進学者85名だそうである。
そして、佐野ジュニアは「一次試験が合格ラインに達していなかったので、学長・理事長の指示で大幅加点」したそうである。
◆変わる私立医大入試の裏事情
ここからは私の推測だが、2018年頃の私立医大入試では、コネによる加点と言っても「小論文・面接」でごまかせる範囲のレベルが主流で、一次の学力試験は基本的には自力突破が要求された(らしい)。
1980~1990年代、私立医大では寄付金と引き換えに学力イマイチ学生を入学させたが、「学力不足で留年や国家試験浪人を繰り返した挙句、30代無職」のような悲惨な事例が相次いだ。
医師国家試験はマークシート方式の純粋な学力試験でカネ・コネの効かない世界なので、本人の基礎学力や意欲が乏しい場合には結局のところ突破できないのである。
そして、医師免許取得を諦めてキャリアチェンジを検討する年頃になると、新卒や若さが重視される日本社会では、人生の選択肢が限りなく少なくなっている。
こうした元ベテラン医大生たちは高い確率でメンタルを病み、中には性犯罪で逮捕されるなど、保護者も医大側も事後処理に苦慮させられたので、近年の医学部人気もあって学力試験の大幅加点は下火になった(らしい)。
佐野パパは、文科省の中でも旧科学技術庁の出身であり、このような私立医大入試の裏常識(?)に疎く、よくある一般私立大のAO入試のように解釈してしまったのではないか。
また、医大理事長側も「有名高校の学生だし、面接でチョロッと加点すれば大丈夫だろう」と忖度して、合格を安請け合いしてしまったのではないだろうか。
そして、佐野パパはAO入試やら就活内定の感覚で息子に医大合格の内定を告げてしまい、息子もそれをSNSで全世界に発信してしまった。
親子で医大入試をナメて、直前に海外リゾートでバカンスを楽しむなどした挙句、勉強に身が入らなくなって一次試験の自力合格も果たせなかった。
その結果、医大理事長は「一次試験の大幅加点」という悪目立ちする行為に手を出さざるを得なかった。
また、SNSでの息子のはしゃぎっぷりから推測するに、現実社会でも周囲に「オレのオヤジは文科省局長だから、コネで医大入学決まったぜ!」のような自慢話を繰り返していたのではないだろうか。
やがて周囲の受験生から疑問視されるようになり、しかるべき筋へ告発する者が出現したのではないだろうか。あくまでも私の想像だが。
医学部人気は知っていたが、「文科省高官がイリーガルな手段を使ってまで、息子を私立医大に入学させたがる時代なのか」と、私は驚かされた。
そして、「文科省高等教育局」やら「国立大学副学長」を経験して、日本の高等教育を知り尽くした人材が、不正手段を講じてまで息子に与えたかった学歴が、慶応義塾大学や早稲田大学のような既存名門校ではなく、中堅私立医大というライセンススクールという事実に、現代日本の大学教育や科学研究の行き詰まりをヒシヒシと思い知らされたのだった。
**********日経2019年12月4日 11:25 (2019年12月4日 13:02 更新)
文科省元統括官に有罪 JAXA巡る飲食接待で
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務を巡る汚職事件で、飲食接待を受けたとして収賄罪に問われた元JAXA理事で文部科学省元国際統括官、川端和明被告(58)=起訴休職中=の判決公判が4日、東京地裁であった。西野吾一裁判長は懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金約150万円(求刑懲役1年6月、追徴金約150万円)を言い渡した。
川端被告は飲食を賄賂と認識していなかったとして無罪を主張していた。西野裁判長は判決で、同被告が医療コンサルタント会社元役員、谷口浩司被告(48)=贈賄罪などで起訴=に「失脚したくないので、会食していることはご内密に」とのメッセージを送っていたことなどから、賄賂と認識していたと判断した。
その上で川端被告がコンプライアンス担当の理事でありながら業者から接待を受け、便宜を図っていたなどとして、「幹部官僚という地位に関する自覚を著しく欠き、職務の公正さに対する国民の信頼を大きく損なった」と批判した。
判決によると、川端被告はJAXA理事だった2015年8月~17年3月、東京医科大への宇宙飛行士の講師派遣などで便宜を図った見返りに、谷口被告らから21回の飲食店接待とタクシーチケットの提供を受け、計約150万円相当の賄賂を受け取った。
文科省を巡っては、私立大支援事業を巡る汚職事件で同省元科学技術・学術政策局長、佐野太被告(60)や東京医科大の元理事長らが起訴されている。
**********
○2018年7月5日:補助金と天下りで教育行政を歪める文科省の官僚とそれに順応して教育の本質を見失った学校組織のトップ↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2686.html
ところが話はそれで済まず、当会が別途追及し続けている長野高専の石原祐志天下り前校長が、実は佐野太と極めて繋がりの深い同門同期であり、その強力な後ろ盾によって校長の椅子を得ていたという衝撃の経緯が明らかになりました。
○2019年12月31日:【スクープ】長野高専石原祐志前校長就任・退任の裏事情…実はあの日本中激震の大事件と連動していた!?↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3102.html
【6月6日追記】
この度、東京地裁に確認したところ、新型コロナの影響で審理が止まっていた事件の再日程が組まれていて、佐野太事件についても、「7月6日(月)10:00~」に初公判が行われる予定である事が判明しました。この事件は社会的に大きな物議を醸したことから、「傍聴券の対象になる可能性があるので、東京地方裁判所のHPをこまめにご確認ください」とのことです。ちなみに通例、有名事件の傍聴抽選券配布は開廷の1時間半以上前に締め切られますが、具体的な時刻は事件によってまちまちなので、都度事前に確認する必要があります。
※東京地裁HP:URL ⇒ https://www.courts.go.jp/tokyo/index.html
※傍聴券交付情報: URL ⇒ https://www.courts.go.jp/app/botyokoufu_jp/list?id=15,18,19,20,21,22,23,24,25
【追記終】
↑日本中を騒がせた有名人からこんな「友情の校長プレゼント」がなされていたかもしれない?↑
■並んで気にかかっていたのは、佐野太のその後の処遇でした。18年7月に逮捕起訴され、同年12月には保釈されていたものの、20年1月になっても初公判が開かれる兆しすらなかったのです。国民がすっかり事件を忘れた裏で、不思議な後日談が進んでいたのです。
前回記事で報告したのはここまででしたが、その後の報道によると、今年(2020年)3月末をもって、休職中だった佐野太は正式に文科省を定年退職した扱いになったようです。
**********日経2020年3月31日5:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57406920Q0A330C2CC1000/
文科省元局長が定年退職 息子合格に便宜で起訴
文部科学省の私大支援事業で便宜を図る見返りに自分の息子を東京医科大に合格させてもらったとして、受託収賄罪で起訴された同省元科学技術・学術政策局長、佐野太被告(60)が定年退職することが30日、文科省への取材で分かった。2018年7月に起訴され、休職中だった。退職は今月31日付。
国家公務員退職手当法などの規定に基づき、退職金の支払いは差し止められ、有罪が確定すれば払われない。佐野被告らの初公判は4月20日、東京地裁で開かれる予定。
〔共同〕
**********
■上記記事のとおり、待たせに待たせてようやく4月20日に初公判の日程が決められていたのがわかります。ところがこの記事が載った3月31日からたった1週間後の4月7日、歴史的な新型コロナ緊急事態宣言が発令され、対象地域で4月中に予定されていた裁判の大半が中止に追い込まれてしまいました。それはやっとのことで開かれようとしていた佐野太の初公判も例外ではありませんでした。
○2020年4月7日:【お知らせ】新型コロナ緊急事態宣言のため高専過剰不開示体質是正訴訟の審理が一時中断↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3144.html
そこで、当会関係者から5月21日に東京地裁刑事16部に電話してその後の進捗を確認しました。すると回答は次のとおりでした。
・新型コロナウイルスの関係で佐野太被告の初公判は取り止めになり、再日程はまだ決まっていない。
・4月20日に問題なく初公判が行われていたなら、傍聴は抽選になっただろう。
・新型コロナウイルスに関する状況は時々刻々変化しているので、初公判の日程などは電話や東京地裁のHPで都度確認してほしい。
■5月23日現在、東京でも緊急事態宣言が緩やかに解除される見通しが出てきており、佐野太の初公判の再日程が決まる日もそう遠くはないと推察されます。
東京地検特捜部が起訴から初公判まで2年近くもかけた事情とはいったいなんだったのでしょうか。それだけの時間の対価として、より鮮明に事件の真相が明かされることになるのでしょうか。佐野太の口からはいったい何が語られ、あるいは語られないのでしょうか。
かつて佐野太がむりやり石原を校長として送り込んでしまったせいで理不尽に振り回され続けた長野高専の関係者らと共に、本件推移も注視していきたいと思います。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報「佐野太親子の東京医科大裏口入学事件」
この破廉恥事件の2年前の発覚当時の報道記事をあらためて集めてみました。
**********日刊ゲンダイ2018年7月5日14:50
血税使い我が子を裏口入学 “収賄逮捕”文科省局長の素性
↑右が“裏口”局長(C)共同通信社↑
これで「道徳」の教科化とは噴飯モノだ。4日、文科省の科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)が受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。
昨年5月、東京医科大の関係者が、同省の官房長だった佐野容疑者に、私立大などを対象とする支援事業に選ばれるよう便宜を図って欲しいと依頼。その見返りに今年2月、佐野容疑者は同大を受験した自分の子供の点数を加算させて合格させてもらった疑いだ。
■もはや教育を司る資格なし
許し難いのは、“裏口入学”に、国民の血税が使われたことである。同大医学部医学科は倍率16倍の狭き門。佐野容疑者はわが子をねじ込むために自分の懐を痛めず、特色ある研究を支援する「私立大学研究ブランディング事業」で便宜を図ったのだ。
この事業の予算規模は年間約55億円で、選ばれた大学は3~5年にわたり、事業内容に応じて年額2000万~3000万円程度の補助金をもらえる。昨年度、応募した188校中、60校が選ばれた。
「私大と文科省はズブズブですよ。人口減少で学生数が減っても、大学側は従来通り助成を受けたい。官僚に口を利いてもらう代わりに、大学側は教授のイスなど“天下り先”を用意する。官僚側から何らかのポストを要求することも珍しくなく、見返りに応じない大学の風当たりは厳しい」(私大関係者)
そんな癒着の“権化”ともいえる佐野容疑者は、早大大学院理工学研究科を修了後、1985年、旧科学技術庁に入庁。01年の省庁再編後は、高等教育局私学部参事官や大臣官房審議官を歴任した。
「官房長だった昨年、天下りあっせん問題で厳重注意を受け、同年7月に現在のポストに就任。省内では『将来の次官候補』と目されていました」(文科省関係者)
しかも、文相経験のある自民党の元代議士の娘婿との情報もあり、「本人も政界進出に色気があって、結婚したのではないか」(文科省関係者)と囁かれている。
今回の事件で、出世も政界進出の思惑も全てパー。林文科相は佐野容疑者の逮捕を受け、「何らかの措置を速やかに取りたい」と語ったが、部下の処分だけで収まる話じゃない。監督責任を負って辞任がスジだ。
それにしても、教育を司る省庁トップ候補が裏口入学とは……。天下りや加計問題、局長逮捕で汚れた“三流官庁”に、もはや教育を語る資格はない。
倫理観ゼロの政権下で、この国のモラルは地に落ちるばかりだ。
**********日刊ゲンダイ2018年7月7日06:00
文科省の収賄局長が失った 麻布の“億ション”セレブライフ
↑佐野太容疑者(右)の麻布“億ション”(C)共同通信社↑
この国の教育行政は、どこまで腐敗しているのか――。文科省前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)が、受託収賄容疑で逮捕された事件。国の私大支援事業で東京医科大に便宜を図った見返りに、自分の息子を同大医学部に“裏口入学”させ、とんだ「親バカ」ぶりを見せた。しかも、血税を使って不正を働きつつ、“億ション”ライフを満喫していたのだから許しがたい。
■不正の裏でリッチな生活
現役局長の汚職事件を巡って、5日、東京医科大トップの臼井正彦理事長(77)と鈴木衛学長(69)が不正に関与した疑いが浮上。臼井理事長が昨年5月、佐野容疑者に便宜を図るよう依頼し、鈴木学長が口利きの見返りに、同大医学部を受験した佐野容疑者の息子を不正に合格させるよう学内で指示したとみられる。
加計学園や日大に続いて、また怪しい理事長が登場し、疑惑は拡大。文科省職員が「信じられない」と唖然とするのも当然だ。佐野容疑者は省内で「科学技術畑のエース」の誉れ高く、「将来の次官候補」と目されていたからだ。
そんな期待を裏切って、“三流官庁”の看板をドブに叩き落とした佐野容疑者は、港区麻布狸穴町の超高級マンション暮らし。東京メトロ南北線六本木一丁目駅から徒歩6分という好立地で、周囲にはロシア大使館や外国人御用達の会員制クラブが並ぶ。不動産情報サイトによると、1室の売値は中古でも、およそ1億3000万~1億5000万円。敷地面積4600平方メートルの上に立つ瀟洒な建物は、地上8階地下2階で、2013年に新築されたばかりだ。
「狸穴町は、高級住宅地といわれる麻布の中でもさらにワンランク高い地域。政治家や要人に馴染み深いところです。テレビによく出演する弁護士が、同マンションの1室を所有しています」(不動産関係者)
登記簿によると、佐野容疑者は14年、5500万円のローンを組んでマンションを購入している。近隣住民は、佐野容疑者について「感じの良い人。すてきなご夫婦です」と言っていた。
裏口入学した佐野容疑者の息子とみられるツイッターアカウントは、昨年2月から12月にかけて、<今日からセブ島で一人暮らしすることにした><センター試験16日前なのに俺セブ島で何してんだっていうね>などと投稿。家族揃ってセレブライフを満喫していたのだろう。
■共犯者は六本木タワマン居住
佐野容疑者に負けず劣らずの贅沢な生活を送っていたのが、不正の片棒を担いで逮捕された都内の医療コンサルティング会社元役員の谷口浩司容疑者(47)。佐野容疑者と臼井理事長を仲介した人物で、受託収賄幇助容疑で捕まった。
「大学の経営が傾くと、仲介ビジネスで儲けようとするブローカーが現れる。省庁や銀行、企業に人脈があるなどと言って、大学側にすり寄るのです。実際、関西のとある私大から、大学ビジネスで儲けようとするブローカーの存在を聞いたことがあります」(元文科官僚で京都造形芸術大教授の寺脇研氏)
谷口容疑者の自宅は、六本木にある25階建てのタワーマンション。賃料100万円を超す部屋もあり、庶民が簡単に住めるところじゃない。フロントコンシェルジュやプール付きスパ、朝食サービスなど、セレブ感満載である。
佐野容疑者といい、谷口容疑者といい、贅を極めると、血「税」をふんだくっても良心は痛まなくなるようだ。
**********ZakZak by 夕刊フジ 2018年7月16日
東京医科大「裏口入学」、佐野容疑者とのやりとり録音「息子が一番行きたい大学です」
↑佐野容疑者↑
私大支援事業をめぐって受託収賄容疑で文部科学省の前科学技術・学術政策局長、佐野太容疑者(58)が逮捕された事件で、東京医科大の臼井正彦前理事長(77)が、入試を受ける佐野容疑者の息子の扱いについて「正規合格がいいか、補欠合格がいいか」と尋ねていたことが13日、関係者への取材で分かった。佐野容疑者は「(東京医科大は)息子が一番行きたい大学です」「よろしく」などと応じたという。
東京地検特捜部は、両者の詳細なやりとりを記録した音声データを入手し、不正合格に至った経緯を調べている。
佐野容疑者は官房長だった昨年5月、臼井氏から文科省の「私立大学研究ブランディング事業」の対象校にするよう取り計らってほしいと頼まれ、その謝礼と知りながら医学部医学科の入試で息子を合格させてもらった疑いがある。
関係者によると「官房長に事業の対象校選定の職務権限はなく、得点の加点を頼んだこともない」と容疑を否認している。
佐野容疑者と臼井氏は同じころ、元医療コンサルティング会社役員、谷口浩司容疑者(47)=受託収賄幇助(ほうじょ)容疑で逮捕=も交えて複数回会食。臼井氏はこの場で息子を不正に合格させることを前提に、正規合格か補欠合格かの選択肢を示した。臼井氏は佐野容疑者の言動から正規合格を希望したと判断し、担当者に加点を指示したとみられる。
**********日経2018年7月24日 14:32
文科省汚職で前局長ら起訴 不正入試疑惑、調査へ
私立大支援事業を巡る文部科学省汚職事件で、東京地検特捜部は24日、同事業の申請で東京医科大に便宜を図る見返りに息子を同大に不正合格させたとして、同省の前科学技術・学術政策局長、佐野太容疑者(59)=東京都港区=を受託収賄罪で起訴した。同大の臼井正彦前理事長(77)と鈴木衛前学長(69)=いずれも6日付で辞職=も贈賄罪で在宅起訴した。
↑佐野被告が局長を務めていた文部科学省↑
特捜部は佐野被告と臼井被告の仲介役となったとして、当時医療コンサルタント会社役員だった谷口浩司容疑者(47)も受託収賄ほう助の罪で起訴した。特捜部は4被告の認否を明らかにしていない。
一方、林芳正文科相は24日、東京医大で以前から入試不正をしていた疑いが出ていることについて、担当部局に事実関係の調査を指示したことを明らかにした。事件が一つの区切りを迎えたことで、省として調べる必要があると判断した。前幹部の起訴について、林氏は「厳粛に受け止める。国民に深くおわびし、信頼回復に向けて全力を挙げる」と語った。
起訴状によると、佐野被告は文科省官房長だった2017年5月、東京都内の飲食店で臼井被告から私立大支援事業の対象校選定で便宜を図るよう依頼され、見返りとして18年2月の入試で息子の点数を加算して合格させてもらったとされる。
関係者によると、会食で佐野被告は息子が同大を志望していると告げた上で「よろしく」などと依頼。同大が同省の「私立大学研究ブランディング事業」で提出する事業計画書の書き方について、「字を大きくしたほうがいい」「図表を入れたほうがいい」などと助言した。その後も、谷口被告を通じて指導や添削を続けていたという。
関係者によると、佐野被告は特捜部の調べに対し事業計画書への助言を認めた上で、「当時は官房長で、事業選定の職務権限はなかった」と主張していた。ただ特捜部は官房長が同省の幅広い事務や総合調整に権限が及ぶことから、収賄罪に問えると判断した。
臼井、鈴木両被告は佐野被告の息子の1次試験の点数を加点するよう入試担当者に指示。息子は本来合格水準に達していなかったが、不正に合格させていた。
**********週刊現代2018年7月30日
公務員史上最大の事件「東京医大への裏口入学」はなぜ起こったか
一番のバカは誰か
★次官候補のエリート
「佐野さんは、汚れ仕事を嫌がるタイプで、ややこしい仕事は自分ではやらずに、さばいて部下にやらせるような人でした。でも、自分を慕う人は可愛がる一面もあった。佐野さんに付いたほうが得策だと考えて、従っていた人も多かった。
一方で、上の人に取り入るのは上手かった。着々と次官ルートに乗って出世していましたし、そういう意味では『ずる賢い人』なんだと思っていましたが……」(文科省関係者)
7月4日、文科省の私立大学支援事業を巡る汚職事件で、受託収賄容疑で逮捕された前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58歳)。
佐野は、自分の息子を東京医科大学に入学させることを条件に、同校の「私立大学研究ブランディング事業」への選定を斡旋したとみられる。
次官候補のエリートは、順調な官僚人生のゴール直前に、なぜこのような事件を起こしてしまったのか。
早稲田大学大学院理工学研究科を修了した佐野は、旧科学技術庁を経て、文科省の官房長など、要職を歴任してきた。将来の次官候補として名前を挙げられていたという。
「天下り問題で辞任した前川(喜平・前文科事務次官)さんとは、かつて上司と部下の関係でした。前川さんの次官時代に、官房長を務めていたのが佐野さんだったんです。
前川さんは、今回の件を聞いて驚いていたようです。『なんで佐野が……』と、今もショックを受けています」(同)
佐野はエリートであると同時に、「野心的な人物」としても知られていた。自分が「次官候補」であることを意識しており、「省内では、常に上の立場の人間の顔色を窺い、出世のために誰にすり寄ればいいのかを考えながら生きているような人だった」(文科省キャリア)という。
さらに佐野は、国会議員との折衝に長けており、政治への転出が噂されることもあった。
佐野の妻は、元文科大臣の小杉隆氏の娘だ。小杉氏と言えば、'10年、妻と私設秘書が架空の投資話で約1億8000万円をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕され、追われるように政界を引退したことで知られる。
佐野が政界とのパイプを持ちながらキャリアを重ねてきたのは事実だ。実際、地元の'15年の山梨県知事選では、自民党山梨県連から擁立の動きもあったというほどだ。
官界から政界に食指を伸ばさんとするやり手だった佐野。そんな男だけに、息子にもエリートたれ、と思っていたのだろう。
その願いがいびつな形で現れたのが、今回の「裏口入学」収賄だったと言える。実際、佐野のように、子どもを医学部に入学させるため、手を尽くすエリート層の親は多い。ある有名大学医学部の元教授が話す。
「私自身も、受験生の氏名と受験番号を入試担当者に渡し、点数をかさ増ししたことがあります。
一点数十万円で、百万円単位、親によっては1億円前後の『裏金』を出す人もいた。それほど、『子どもが医学部』というブランドは、親にとってかけがえのない誇りになるのです」
今回、佐野に「私立大学研究ブランディング事業」への選定を依頼していたとされるのが、東京医大のトップである臼井正彦理事長だ。
臼井氏は同大学の学長を務めていた'09年、約50人の医局員が博士号を取得する際に「謝礼」として、総額およそ500万円を受け取っていたと報じられたことがある。
だが、臼井氏は厳重注意処分を受けたのみで、その座を離れることはなかった。前出の元教授は、こうして続いていった臼井氏の「支配」こそが今回の事件を招いたのだと指摘する。
「臼井さんは、'08年に学長に就任し、そのまま'13年には理事長になっている。つまり、およそ10年間にもわたってトップの地位に座り続けているのです。何か問題が起きても、臼井さんに直接指摘できる人は周囲に誰もいません」
★国民の税金で入学させた
東京医大の「裏口入学」という贈賄も、この長期体制が生んだ悪弊だったという。
ただ、ここで一つの疑問が湧く。そもそも佐野の息子が実力で東京医大の医学科に入学することができていれば、贈収賄は起こっていなかったのではないか。
佐野の息子は、医系大学受験を得意とする予備校の出身だという。だが、優秀な周囲の受験生と比較して、勉強を重ねても、あまり成績は向上しなかったようだ。
つまり、佐野はデキの良くない息子を心配して、端から「援護射撃」の準備をしていた――。そういうシナリオも浮かんでくるのだ。
だが、仮にどれほど息子を思いやったが故の行動であれ、教育を司る文科省のエリートが私欲のために便宜をはかるなど、言語道断であることに変わりはない。元文科省官僚で、京都造形芸術大学客員教授の寺脇研氏が語気を強めて言う。
「今回の件で恐ろしいのは、100年以上も歴史のある東京医大で、贈賄が行われていた、ということです。ここがやっているなら他の私立医大でも同様のことが行われているのでは、と思われかねない。
佐野容疑者は高等教育局で2回も働いていて、入試を担当していた。素人ではなく、プロの官僚が国民の税金を自分の息子の裏口入学のために使っていたことには、倫理観を疑います。
これが発覚しなければ、こんな人物が文科省のトップになってしまったかもしれないと考えただけで怒りが湧いてきます。これは、公務員史上最悪の事件ですよ」
現時点で佐野の息子が合格を自分の「実力」だと信じていたのか、それとも父の「援護」のおかげだと知っていたのかは判然としない。いずれにせよ、息子はもう東京医大には通えないだろう。
結果的に佐野は自分だけでなく、息子の将来をも滅茶苦茶にしてしまった。「デキの悪い子ほど可愛い」というが、この事件でもっともバカだったのが「親父」の佐野だったことは言うまでもない。
(文中一部敬称略)<「週刊現代」2018年7月21日・28日合併号より>
**********Business Journal 2018年8月2日
東京医科大学、裏口入学が常態化か…その驚愕の実態:大学医学部の裏口入学の闇
↑文部科学省科学技術・学術政策局長だった佐野太容疑者(写真:読売新聞/アフロ)↑
東京医科大学の裏口入学の問題で7月24日、収賄側として、息子を入学させた文部科学省の前科学技術・学術政策局長の佐野太被告(59)と、仲介役を果たした医療コンサルティング会社の元役員、谷口浩司被告(47)が起訴された。また贈賄側として、東京医科大の臼井正彦前理事長(77)と鈴木衛前学長(69)が在宅起訴された。
東京医科大における裏口入学は今回が初めてではなく、恒常的に行われていたという報道もある。他の医科大学でも同様なことが行われているということはないのか。『勝つ大学・伸びる大学』(エール出版社)など大学に関する著書も多い評論家の島野清志氏に話を聞いた。
「1980年代から90年代の前半くらいまでは、寄附金をもらって点数を水増しするという情実型の入学は、医大に限らず名のある私立大学でも多く聞かれました。今はもう、特に医大などはお金があるんです。第2次ベビーブーマーの受験期があって、その後も今みたいに18歳人口が悲惨なほど少ない状況ではなかったので、内部留保が大きいんですよ。だから、わざわざ評判を落とすようなことをする必要はなくなりました。
今回驚いたのは、ブローカーがいたことです。もし医大の内部関係者が学長に直接言えば簡単に話がついて内々で終わってしまうので、外部に露見することはない。以前もブローカーが介在して裏口入学がバレてしまうことがあったので、そういう手法は消えたと思ってました。ブローカーはフリーハンドで、失敗しても別の仕事をやればいいから、第三者にペラペラ話して情報が広まってしまう。仲立ちしているだけなので、大した罪にもならないですから。ブローカーではなくて、医学専門の予備校が仲介するという話は聞いたことがあります。そういうところは受験がビジネスですから、口が堅いので露見しないですよね」
今回の裏口入学に関しては、東京医科大の体質が関係しているのだろうか。
「私立大学というのは設立の時の経緯が、現在に至る校風に大きく影響してると思います。たとえば早稲田大学は、政治家とジャーナリストを育てるためにつくられた大学です。慶應義塾大学は財界に行く人材を育てるためにつくられた大学。明治大学や法政大学、中央大学は法律家を育てるための大学。そのカラーは今でもありますよ。
東京医科大は、日本医科大学から分裂するかたちで設立されました。日本医大に不満を持った先生や学生が集団で辞めて、それでつくった大学です。日本医大は、慶應や慈恵医大とともに“私立医御三家”と言われる名門です。そこから脱退したところなので、反主流であるとともに独立心が旺盛、唯我独尊でもある。
医学の世界は保守的なので、慶應閥とかいろいろな閥がありますが、東京医大というのは孤立しているわけですよ。それで新宿に高層の病院を建てるなど大胆な行動に出たり、ちょっとがんばりすぎてしまう傾向があるんですね。どこかの閥に入っていれば、バックボーンがあって安心ですが、それがないので無理してしまう。そのため他の医大に比べて“常にお金が欲しい状態”で、それが今回の事件の背景にある気がします」
★他の医大でも裏口入学が行われている可能性
医大に入っても、医師国家試験に受からなければ医師にはなれない。裏口入学させた後、そのハードルをいかにして越えさせるのだろうか。
「国家試験の壁がありますから、そんなに多くは裏口入学させてはいないでしょう。東京医科大は入学者の出身高校別人数を公表していますが、今年は1位が海城高校、2位が浅野高校、3位が慶應高校で、東大や京大にもたくさん生徒を送り出している進学校ばかり。医学部に入るのが不自然だなという高校の出身者はいません。昨年度の東京医科大の医師国家試験の合格率は97.1%で全国平均より高いです。ボーダー線上の受験者であれば小論文や面接でいかようにもできますけど、今回の場合、失礼ながら相当にできない子を入れてしまったということが、露見の原因の一つかもしれません。
報道を見ると、彼の高校時代の評定値が5段階の3.9だといわれています。これでは、医大に限らず有名な私立大学にはどこも入れません。4.2以上じゃないと厳しい。入れてしまえば国家試験に受かるかどうかは自己責任と考えていたのか、6年間のうちに引き上げようとしていたのか、そのあたりはわかりませんけど」
法学部に入って司法試験を受けない学生はいくらでもいるが、医科大学で国家試験に合格できずに医師になれなかった場合、どうなるのだろうか。
「いやあ、そうとうに悲惨じゃないですか。専門の勉強しかしてないですから、他に道がありません。専門的な世界で、一般的な世界との接点も少ないですから。過去に調べようとしたことがあるのですが、例が少ないし、そういう人は隠そうとするから見つからないんですね」
東京医大以外でも、裏口入学というのはあるのだろうか。
「東京医大というのは、難易度の高い大学です。それでも裏口入学があるんだから、難易度の低い大学でもあるかもしれません。1つの目安が、成績開示申請ができるかどうかです。今ほとんどの大学でこの制度を設けていて、不合格者が申請すると試験の成績を教えてくれます。この制度を設けていないのは、医科大学だと東京医大を含めて十数校しかありません。ただ単に不親切なのかもしれませんけど、開示するとまずいことになるという懸念があるのかもしれませんね」
教育を司る文部科学省の幹部が裏口入学に手を染めていたのだから、推して知るべしというべきか。
(文=深笛義也/ライター)
**********日経2019年1月17日 20:28
文科省汚職事件、元コンサル役員の保釈決定
文部科学省元幹部を巡る2つの汚職事件で、東京地裁は17日、受託収賄ほう助と贈賄の罪で起訴された元医療コンサルタント会社役員、谷口浩司被告(47)の保釈を認める決定をした。保釈保証金は1千万円で、即日納付された。
弁護人が11日に保釈請求し、地裁は16日にいったん請求を却下。弁護人が不服として17日に準抗告したところ、地裁は保釈を認めた。
起訴状によると、谷口被告は2017年5~6月、文科省の元科学技術・学術政策局長、佐野太被告(59)と東京医科大側を仲介し、私立大支援事業で同大に便宜を図る見返りに佐野被告の息子を合格させる手助けをしたとされる。
また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事だった同省元国際統括官、川端和明被告(57)に対し、15年8月~17年3月、自社の事業への助言などへの見返りとして21回の接待やタクシーチケットの提供をしたとされる。
**********本が好き2019年7月5日
「東京医大不正入試事件」の後、女性合格者が明らかに増えた!
2018年7月――東京医大の入試不正事件をきっかけに明るみに出た、女性の医学部受験者への減点操作。フリーランス麻酔科医として政治家・プロスポーツ選手・AV女優など様々な患者の手術を行い、ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)など医療ドラマの制作協力にも携わる著者筒井冨美が、今まで誰も公言できなかった女医問題の真実を語る光文社新書『女医問題ぶった斬り!~女性減点入試の真犯人~』が刊行!これを記念して、本書の一部を公開します。東京医大事件は何を世に問うたのか?
◆ツイッターで合格宣言
2018年7月、文部科学省の前局長である佐野太(ふとし)氏が、私立大学支援事業の対象校選定に便宜を図った見返りに、東京医科大学の入試で息子を不正に合格させてもらっていたとして、受託収賄容疑で逮捕された。
学長や理事長も絡む大規模な不正だったようで、新聞テレビともにトップニュースとして扱った。高級官僚の贈収賄が、現金・株・土地などで行われる事件は昭和時代から存在していたが、「医大入試で加点」というのは目新しい。
この事件、さらに目新しいのは、インターネット上に佐野元局長の息子とおぼしきツイッターアカウントが存在し、事件に関するツイートが複数存在したことである。
ツイッターによると、2017年5月に「浪人して良かったー!!!!!!」という歓喜の書き込み(パパに裏口合格を教えてもらった日?)があり、2017年12月28日には大学入試センター試験の16日前にもかかわらず「セブ島で年を越す」という浪人生とは思えない海外バカンスの報告がある。
さらに、医大受験が終わった直後の2018年3月3日には「受験おわったー!!!!(中略)たぶん東京医科大行きます」と、すでに合格宣言をしている。
事件発覚後、元のアカウントは閲覧不可能になったが、スクリーンショットなどに残された情報はSNSで拡散され炎上した。
2015年の電通新人女性社員過労自殺事件では、会社側が「私生活における恋愛関係のもつれによる自殺」として処理しようとしたのを、女子社員がSNSに残した長時間労働やパワハラ・セクハラに苦しむツイートが発見されて、世論を動かしたが、この事件もSNSが世論を動かした事件とも言える。
◆ニュースがもたらした驚き
そもそも、東京医科大学とは東京都新宿区にある私立医大の一つであるが、一般人に広く知られている有名校とは言い難い。
本件に関しても、案の定、TBSやニューズウィーク誌など複数のメディアが東京医科歯科大学の写真を誤使用してしまい、東京医科歯科大学が公式ホームページで異例の抗議文を掲載した。
東京医大卒業生としては、先にも紹介した、日本人初の国際機関トップとなった元世界保健機関事務局長の中嶋宏氏や、人気テレビドラマシリーズ『医龍』の原案を担当した内科医兼医療ジャーナリストの永井明氏、精神科医の香山リカ氏などが挙げられる。
新宿駅から徒歩圏内の都心部に立地しており、その雰囲気は永井明氏の自伝的小説『新宿医科大学』に詳しい。
このニュースに、私を含む50代医師の多くは驚いた。
1980年代の受験常識では、東京医大を含む中堅私立医大の入試偏差値は50~55程度、学力的には東大京大はおろか早慶にも及ばないイメージだった。
「開業医の跡継ぎ向けの特殊な学校」「面接試験では寄付金の交渉をする」「加点1点ごとに100万円」などと、当時の週刊誌ではまことしやかに報道されていた。
医師国家試験の合格率も高くはなかったので、新宿区には同校や同様の私立医大を対象にした、医大生や医師国家試験浪人生向けの予備校が存在し、年数百万円という学費にもかかわらず繁盛していた。
つまり、当時の常識では「一般家庭では高額学費(+寄付金+国家試験予備校学費)を捻出できないし、卒業しても国家試験合格率は低いし、それを突破して医者になっても勤務医じゃ学費の元を取れない」とされていたので、同校に入学希望者が殺到することはなかったのである。
しかし、NHKの報道によると、2018年の東京医大の一般受験枠は75名、受験者約2600名、一次合格者451名、最終合格者171名、進学者85名だそうである。
そして、佐野ジュニアは「一次試験が合格ラインに達していなかったので、学長・理事長の指示で大幅加点」したそうである。
◆変わる私立医大入試の裏事情
ここからは私の推測だが、2018年頃の私立医大入試では、コネによる加点と言っても「小論文・面接」でごまかせる範囲のレベルが主流で、一次の学力試験は基本的には自力突破が要求された(らしい)。
1980~1990年代、私立医大では寄付金と引き換えに学力イマイチ学生を入学させたが、「学力不足で留年や国家試験浪人を繰り返した挙句、30代無職」のような悲惨な事例が相次いだ。
医師国家試験はマークシート方式の純粋な学力試験でカネ・コネの効かない世界なので、本人の基礎学力や意欲が乏しい場合には結局のところ突破できないのである。
そして、医師免許取得を諦めてキャリアチェンジを検討する年頃になると、新卒や若さが重視される日本社会では、人生の選択肢が限りなく少なくなっている。
こうした元ベテラン医大生たちは高い確率でメンタルを病み、中には性犯罪で逮捕されるなど、保護者も医大側も事後処理に苦慮させられたので、近年の医学部人気もあって学力試験の大幅加点は下火になった(らしい)。
佐野パパは、文科省の中でも旧科学技術庁の出身であり、このような私立医大入試の裏常識(?)に疎く、よくある一般私立大のAO入試のように解釈してしまったのではないか。
また、医大理事長側も「有名高校の学生だし、面接でチョロッと加点すれば大丈夫だろう」と忖度して、合格を安請け合いしてしまったのではないだろうか。
そして、佐野パパはAO入試やら就活内定の感覚で息子に医大合格の内定を告げてしまい、息子もそれをSNSで全世界に発信してしまった。
親子で医大入試をナメて、直前に海外リゾートでバカンスを楽しむなどした挙句、勉強に身が入らなくなって一次試験の自力合格も果たせなかった。
その結果、医大理事長は「一次試験の大幅加点」という悪目立ちする行為に手を出さざるを得なかった。
また、SNSでの息子のはしゃぎっぷりから推測するに、現実社会でも周囲に「オレのオヤジは文科省局長だから、コネで医大入学決まったぜ!」のような自慢話を繰り返していたのではないだろうか。
やがて周囲の受験生から疑問視されるようになり、しかるべき筋へ告発する者が出現したのではないだろうか。あくまでも私の想像だが。
医学部人気は知っていたが、「文科省高官がイリーガルな手段を使ってまで、息子を私立医大に入学させたがる時代なのか」と、私は驚かされた。
そして、「文科省高等教育局」やら「国立大学副学長」を経験して、日本の高等教育を知り尽くした人材が、不正手段を講じてまで息子に与えたかった学歴が、慶応義塾大学や早稲田大学のような既存名門校ではなく、中堅私立医大というライセンススクールという事実に、現代日本の大学教育や科学研究の行き詰まりをヒシヒシと思い知らされたのだった。
**********日経2019年12月4日 11:25 (2019年12月4日 13:02 更新)
文科省元統括官に有罪 JAXA巡る飲食接待で
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の業務を巡る汚職事件で、飲食接待を受けたとして収賄罪に問われた元JAXA理事で文部科学省元国際統括官、川端和明被告(58)=起訴休職中=の判決公判が4日、東京地裁であった。西野吾一裁判長は懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金約150万円(求刑懲役1年6月、追徴金約150万円)を言い渡した。
川端被告は飲食を賄賂と認識していなかったとして無罪を主張していた。西野裁判長は判決で、同被告が医療コンサルタント会社元役員、谷口浩司被告(48)=贈賄罪などで起訴=に「失脚したくないので、会食していることはご内密に」とのメッセージを送っていたことなどから、賄賂と認識していたと判断した。
その上で川端被告がコンプライアンス担当の理事でありながら業者から接待を受け、便宜を図っていたなどとして、「幹部官僚という地位に関する自覚を著しく欠き、職務の公正さに対する国民の信頼を大きく損なった」と批判した。
判決によると、川端被告はJAXA理事だった2015年8月~17年3月、東京医科大への宇宙飛行士の講師派遣などで便宜を図った見返りに、谷口被告らから21回の飲食店接待とタクシーチケットの提供を受け、計約150万円相当の賄賂を受け取った。
文科省を巡っては、私立大支援事業を巡る汚職事件で同省元科学技術・学術政策局長、佐野太被告(60)や東京医科大の元理事長らが起訴されている。
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こんな輩には刑務所に行って欲しい。
ずっと学校も行けなくて、部活も出来ないのでイライラしてます。
石原も一緒に道連れにして欲しいです。
こんなのは撲滅しないとしないといけません。
現土居氏からもいい話は聞こえてきませんが、石原氏には長野高専を破壊し尽くした禊ぎをして欲しいです。
コメントをお寄せくださりありがとうございます。
石原前校長に振り回され続けたご心中のほどお察し申し上げます。
佐野太としては幾多手を染めてきた悪事のたったひとつであり、自分が石原を長野高専に送り込んだことなど、毛ほどにも思っていないかもしれません。まして、我が身のことで精いっぱいとなった今は、半ば忘れてすらいるかもしれません。
しかし石原に学生生活や職場を踏みにじられ続けた長野高専の関係者からすれば、まさに土下座しても償えないほどの罪です。
文科省も高専機構も佐野本人も、石原を長野高専校長に捻じ込んだ経緯については墓場まで持っていくつもりなのかもしれませんが、すでに佐野には守るべき名誉も大して残ってないのですから、この際余罪をすべて洗い出し、しっかりと経緯が明らかにされてほしいものです。
市民オンブズマン群馬事務局より
石原退任時の話はこれくらいにして、校長就任の頃の話に戻してみたい。佐野太が官房審議官(高等教育局担当)の頃の高専機構には、天下り理事の上月という輩がいてかなり幅を利かせていていた。高専関係者の中で上月の話題が出る事があったが、いい評判を全く聞いたことがない。理事長と上月で校長を選んでいるという噂すらあった。佐野太が無理やり石原を捻じ込むため、高専機構の上月に声をかけ校長内定取消までさせて校長の椅子をこじ開けた話も妙に納得、話がスッキリする。
本名の上月正博で調べたら、図々しくも名古屋大学の理事になっているようだ。
名古屋大学の理事就任の時期から、上月は佐野太の逮捕の渦から間一髪逃げ切ったようだ。
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/objectives/public-subject/details/20181016_jimu.html
逮捕前の佐野太に石原校長ねじ込みのお礼で、名古屋大学の理事にしてもらったと考えるのは考えすぎだろうか。
上月氏が理事の頃、やりたい放題で全国の高専が振り回さられて大変でした。
高専機構で幅を利かせてた上月氏と文科省本体で幅を効かせてた佐野氏がタッグを組めば、石原氏を校長にすることなんて訳もないことでしょう。
高専地区大会で長野高専の人と話したら、校長がゴ○でやりたい放題で困っているとボヤいてました。
それにしても、上月氏が名大理事とは仰天しました。
石原氏も上月氏みたいに、天下りしないことを願っています。
石原氏を校長にした論功行賞で上月氏が名大の理事就任だとすれば、腹立たしい限りだ。
うちも天下り校長が来ることがあったが、話に聞いた限り、石原氏よりはましだったと思う。
うちに石原氏みたいのが飛ばされてこないことを願うばかりです。
上月氏のことについては当会にもたびたび(情報提供に付随して)悪評が聞こえ伝わっております。
高専機構在籍時の2017年には、「教員の人数を各学科3人減らす」などあまりに現実離れした「改革」スローガンを出したこともあるそうですね。
自分が率先して「減る」べきだろうと高専関係者の誰もが思うでしょうが、その思いに従って2017年10月に高専機構理事を離れていったのはまさに範を示す態度と言えるでしょう。傷跡だけ残して去っていくのであれば、そもそも上月氏が来ないのが一番の「改革」だったかもしれません。しかし、今度は中部地方に冠たる名大の理事として根を張っていたのは遺憾です。
佐野太による石原への校長プレゼントに上月が噛んでいたか、実はその可能性も前々から指摘されており、状況証拠からいってほぼ間違いなく噛んでいたのでしょう。当時何が起こっていたのか明らかにしたいのですが、文科省の証拠隠滅に阻まれてなかなか決定的なところに踏み込めません。よって、上月の関与の実態を調査するところにまで手が回っていないのが実情です。
当会としても今後本件調査に邁進してまいりますが、佐野・石原・上月の悪徳文科官僚トリオが当時何をしていたかについて、「これは」と思う情報を握ることができましたら、ぜひ当会にタレコミください。
市民オンブズマン群馬事務局より
おっしゃる通り、上月氏の関与や、「名大理事プレゼント」の真相も明らかにしたいところです。
佐野太による東京医大裏口入学と石原への長野高専校長プレゼントはまったく別の事件ですが、今回の裁判によって、佐野太がどのような文科省エリート官僚生活を送ってきたか、その内実が詳らかにされるかもしれません。それがひいては本件へのヒントになり得るかもしれません。検察や佐野太の口から果たして何が語られるか、注目が集まります。
当会としても、本件の全容解明に関する突破口を縷々探索してまいります。
市民オンブズマン群馬事務局より
岩佐氏の素性に関する情報提供感謝申し上げます。
とはいえ私利私欲で好き勝手やった結果、ご主人様に火の粉を飛ばすようでは「取り巻き」も失格かと思います。特権貴族扱いをほしいままにする岩佐達也が、長野高専に今後どのような旋風を巻き起こしていくかご刮目ください。
市民オンブズマン群馬事務局より