メタボ、特定保健指導で一定の改善
特定保健指導を受けたことにより、メタボリックシンドロームの「基準該当」者が、全体では2008年度の29.0%から2009年度の21.3%に減少、特に3カ月以上継続的に生活改善等の支援を行う「積極的支援」を受けた男性で改善度合いは高い……。
厚生労働省の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」の2月24日の会議で、こんなデータが公表され、特定保健指導がメタボリックシンドロームの改善に一定の効果があることが示されました(資料は、厚労省のホームページに掲載)。構成員の一人、あいち健康の森健康科学総合センターのセンター長の津下一代氏は、「従来から、これまでサンプル調査はあったが、ナショナルデータベースを使った分析はなかったので、この分析には意義がある」と指摘。
厚労省は、特定健診・特定保健指導の効果を検証するため、レセプトのデータベースを活用した検討を進めており、今回公表されたのはその第一弾の結果。対象は、2008年度に特定保健指導を受けたうち、2008年度と2009年度の特定健診情報がある人で、男性約16.9万人、女性約6.4万人の計約23.3万人。主な結果は以下の通りです。
◆2008年度特定保健指導(積極的支援)の終了者 赤字が減少、青字が増加
・男性:「基準該当」50.7%⇒29.9%、「予備群該当」41.9%⇒32.0%、「非該当」6.2%⇒37.7%
・女性:「基準該当」54.1%⇒25.0%、「予備群該当」35.5%⇒25.4%、「非該当」9.9%⇒49.4%
◆2008年度特定保健指導(動機付け支援)の終了者 赤字が減少、青字が増加
・男性:「基準該当」18.3%⇒19.3%、「予備群該当」59.5%⇒35.7%、「非該当」20.8%⇒44.6%
・女性:「基準該当」14.1%⇒12.7%、「予備群該当」42.3%⇒23.9%、「非該当」42.8%⇒63.1%
「動機付け支援」の男性で、「基準該当」がやや増えている点については、「そもそも指導しなければ、基準該当が増えていくことが予想されるので、支援をしない群との比較が必要」との指摘も。
さらに、2009年度に特定健診を受けた人について「基準該当」、「予備群該当」、「非該当」の群別、男性・女性別に、40歳から74歳まで5歳刻みで2010年度の一人当たりの平均医療費との関係も調べていますが、いずれも「基準該当」群の医療費が他の2群よりも高いという結果です。
例えば、「40-44歳男性」では、「基準該当」の年間医療費は2万1958点。これに対して、「予備群該当」は1万6549点、「非該当」は1万2149点でした。
もっとも、医療費のうち、メタボリックシンドローム関係に起因する受診分がどの程度あるかが不明なので、「メタボだから、医療費が高い」とはこの結果だけからは言えません。膨大な手間とコストをかけている特定健診・特定保健指導を行い、メタボが改善することにより、どの程度、医療費が軽減するか、さらなる分析が期待されます。
なお、2012年4月から、HbA1cの測定値表記が変わり、「日常臨床では、国際標準のNGSP値を用い、当面の間、JDS値も併記する」ことになりました。ただし、「特定健診・特定保健指導については、2012年4月1日から2013年3月31日の期間は、受診者への結果通知および保険者への結果報告のいずれも従来通り、JDS値のみを用いる」とされています。24日の会議では、特定健診・特定保健指導における取り扱いに関する「事務連絡」とQ&Aの案が提示されました。近日中に関係者に送付されるとのこと。
特定保健指導を受けたことにより、メタボリックシンドロームの「基準該当」者が、全体では2008年度の29.0%から2009年度の21.3%に減少、特に3カ月以上継続的に生活改善等の支援を行う「積極的支援」を受けた男性で改善度合いは高い……。
厚生労働省の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」の2月24日の会議で、こんなデータが公表され、特定保健指導がメタボリックシンドロームの改善に一定の効果があることが示されました(資料は、厚労省のホームページに掲載)。構成員の一人、あいち健康の森健康科学総合センターのセンター長の津下一代氏は、「従来から、これまでサンプル調査はあったが、ナショナルデータベースを使った分析はなかったので、この分析には意義がある」と指摘。
厚労省は、特定健診・特定保健指導の効果を検証するため、レセプトのデータベースを活用した検討を進めており、今回公表されたのはその第一弾の結果。対象は、2008年度に特定保健指導を受けたうち、2008年度と2009年度の特定健診情報がある人で、男性約16.9万人、女性約6.4万人の計約23.3万人。主な結果は以下の通りです。
◆2008年度特定保健指導(積極的支援)の終了者 赤字が減少、青字が増加
・男性:「基準該当」50.7%⇒29.9%、「予備群該当」41.9%⇒32.0%、「非該当」6.2%⇒37.7%
・女性:「基準該当」54.1%⇒25.0%、「予備群該当」35.5%⇒25.4%、「非該当」9.9%⇒49.4%
◆2008年度特定保健指導(動機付け支援)の終了者 赤字が減少、青字が増加
・男性:「基準該当」18.3%⇒19.3%、「予備群該当」59.5%⇒35.7%、「非該当」20.8%⇒44.6%
・女性:「基準該当」14.1%⇒12.7%、「予備群該当」42.3%⇒23.9%、「非該当」42.8%⇒63.1%
「動機付け支援」の男性で、「基準該当」がやや増えている点については、「そもそも指導しなければ、基準該当が増えていくことが予想されるので、支援をしない群との比較が必要」との指摘も。
さらに、2009年度に特定健診を受けた人について「基準該当」、「予備群該当」、「非該当」の群別、男性・女性別に、40歳から74歳まで5歳刻みで2010年度の一人当たりの平均医療費との関係も調べていますが、いずれも「基準該当」群の医療費が他の2群よりも高いという結果です。
例えば、「40-44歳男性」では、「基準該当」の年間医療費は2万1958点。これに対して、「予備群該当」は1万6549点、「非該当」は1万2149点でした。
もっとも、医療費のうち、メタボリックシンドローム関係に起因する受診分がどの程度あるかが不明なので、「メタボだから、医療費が高い」とはこの結果だけからは言えません。膨大な手間とコストをかけている特定健診・特定保健指導を行い、メタボが改善することにより、どの程度、医療費が軽減するか、さらなる分析が期待されます。
なお、2012年4月から、HbA1cの測定値表記が変わり、「日常臨床では、国際標準のNGSP値を用い、当面の間、JDS値も併記する」ことになりました。ただし、「特定健診・特定保健指導については、2012年4月1日から2013年3月31日の期間は、受診者への結果通知および保険者への結果報告のいずれも従来通り、JDS値のみを用いる」とされています。24日の会議では、特定健診・特定保健指導における取り扱いに関する「事務連絡」とQ&Aの案が提示されました。近日中に関係者に送付されるとのこと。