マスクなし乗車拒否OK 都内タクシー申請、国認可 感染対策、今後拡大も
2020年11月5日 (木)配信共同通信社
国土交通省は4日、マスクを着用していない客の乗車を拒否できると定めたタクシー事業者の運送約款を認可した。4日から運用が可能。新型コロナウイルス感染症対策として、東京都内の10事業者が約款の変更を申請していた。今後、対策強化の動きが全国的に広がる可能性がある。
運転手は、客が乗車の際、マスクを着けない理由を聞き取り、病気などのやむを得ない事情がないかどうかを確認。正当な理由なくマスクの着用を拒む場合、乗車を断れるようになる。
国交省は認可理由について「運転手だけでなく、次に乗車する利用者の感染防止対策にもなる」と説明している。
事業者には、病気で着用できない客やハンカチで口元を覆うなどマスクに代わる対策を講じる客への配慮を求め「マスク未着用者を一律に断るものではない」(担当者)とも指摘した。
道路運送法は、泥酔したり、運転手に暴力を振るったりする場合などを除き、客の乗車を拒否してはならないと規定。これに基づき、事業者ごとに運行ルールを約款で定めている。今回の認可は、乗車拒否を禁じる規定の例外との位置付けになる。
事業者側は、飲酒後にマスクを着けず大声で話すなどの行為が感染リスクを高める恐れがあるとして、乗車を断れるよう求めていた。
※タクシーの感染症対策
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、事業者団体は感染防止策の指針を策定、事業者も独自の対応を定めている。指針は、ドアノブや座席のアルコール消毒や、車内ごみのこまめな回収、運転席と後部座席の間仕切り設置を例示。現金のやりとりが不要なキャッシュレス決済の導入検討のほか、運転手にはマスクの着用や体温測定を求めている。間仕切りの設置などにかかる費用を補助している自治体もある。
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