ワクチン非接種「クビに」 同調圧力も、日弁連まとめ
2021年6月10日 (木)配信共同通信社
新型コロナウイルスワクチンを巡り、接種を迷う人に対する強制や、不利益を生じさせるような対応が複数起きていることが9日、日弁連のまとめで分かった。医療従事者が「打たなければクビ」と告げられたとの事例のほか、同調圧力への悩みも寄せられ、接種推進の影に隠れた差別問題の実態が浮かんだ。
まとめは、日弁連が5月14日、15日に行ったコロナワクチンに関する「人権・差別問題ホットライン」の概要。当事者や親族、同僚らから計208件の相談が寄せられた。政府はワクチンを推奨する一方、接種はあくまで自己判断との立場で、差別や強制をしないよう求めている。
日弁連によると、看護学生については実習を受けさせてもらえず、単位が取れなくなるという相談が7件。医学生が寮からの退寮や病棟実習を受けさせないと言われたとの相談もあった。
看護師については、接種後の感染は給与補償があるが「受けずに罹患(りかん)したら自己責任」と言われた事例も。介護施設では部署替えを求められ、退職したという人がいた。
医療現場でのプライバシー侵害に関連する事例もあった。職場に「受ける」「受けない」チェック表が張り出されたり、名札に接種有無を表示されたり。「センシティブ情報の表示は不当で、差別だ」との声があった。
基礎疾患があり医師から接種を止められている自営業者が、近所の人に責められているという相談も。「近所の目が心配」と言い、同調圧力の高まりがうかがえる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます