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付き添い入院 病児を抱える親の負担軽減を

2023年09月28日 22時22分36秒 | 行政

付き添い入院 病児を抱える親の負担軽減を

 2023年9月26日 (火)配信読売新聞
 

 入院中の患者のケアは看護師の仕事だが、子どもについては例外として家族が泊まり込みで世話をする「付き添い入院」が認められている。

 しかし、家族の負担が大きく、様々な問題が生じている。子どもの療養に安心して向き合える環境づくりが必要だ。

 付き添い入院は、乳幼児が重い病気で療養する際などに行われ、主に母親が担っている。子どもと同じベッドで寝起きし、食事も売店で済ませるなど、過酷な状況で体調を崩すことも少なくない。

 無理なく付き添えるよう、病院側の配慮が欠かせない。付き添い用にソファベッドを用意し、有料で食事を提供している病院もある。こうした事例を参考に、他の病院も改善に努めてほしい。

 国の規定では、付き添い看護は禁止されているが、患者が子どもの場合には、家族の希望があって医師が許可していれば付き添うことは可能だ。ただし、その場合でも、家族に看護業務を担わせてはならないとしている。

 しかし、現実には、付き添い入院をする家族が、食事や排泄の介助のほか、点滴の管理まで行う例もあるのが実情だ。

 また、家族が付き添い入院を希望していなくても、病院側から求められる場合さえある。

 民間団体の調査では、付き添い入院をした人の7割が「付き添いが必須だった」と答えている。その中には、実際は病院から「付き添い願い書」を提出させられた人が多かった。家族の意向が無視されているとしたら問題だ。

 背景には、看護人材の不足があるという。医療現場の人手不足を補うために、看護業務の一部を親任せにしているのであれば、改める必要がある。看護師の配置を手厚くする対策を講じるべきだ。

 そもそもこの問題は、20年以上前から指摘されながら、解消されてこなかった経緯がある。

 こども家庭庁は今年度中に実態調査をするという。現状をしっかり把握して、具体的な改善策を検討してもらいたい。

 闘病中の子どもにとって、家族がそばにいる安心感は、病気の回復にもかかわる。その家族が、子どもの付き添いで健康を損なうような事態は避けねばならない。

 付き添いによって長く仕事を休まざるを得なくなり、経済的な不安を抱える親も多い。

 家族が、自らの健康を維持し、仕事をしながらでも子どもが闘病生活を送れるよう、国は支援体制を整えることが大切だ。

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