集団免疫「誤った考え」 専門家80人、書簡で警告
2020年10月15日 (木)配信共同通信社
【ワシントン共同】重症化しにくい若者が新型コロナウイルス感染で抗体を獲得し、社会全体の抵抗力を強めるといった「集団免疫」について「科学的根拠のない危険な誤った考えだ」と警告する書簡を、欧米の専門家80人が14日、英医学誌ランセットに発表した。
一方で米英の専門家らが今月、学校や経済活動を進めながら集団免疫を形成するべきだとの「グレートバーリントン宣言」を提唱。トランプ米政権が関心を寄せているとの報道もある。
書簡は、免疫がどれくらい持続するかは不明で「自然感染の免疫に頼る戦略には欠点がある」と指摘。流行を制御して感染拡大を抑えた国として日本とベトナム、ニュージーランドを挙げて「安全で効果的なワクチンが広まるまでは、地域での流行を抑えることが社会や経済にとって最良の手段だ」と訴えた。
集団免疫を巡っては、厳しい都市封鎖を避けるスウェーデンがそれを前提とした政策を推進している。英国も流行当初に進めたが、死者の急増で方針を転換した。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長も12日、ワクチン接種によらない、野放図な感染拡大による集団免疫は「科学的にも、倫理的にも問題がある」と呼び掛けていた。
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