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終末期医療、初の実態調査 がん患者ら遺族5千人対象 人生の最期、質向上図る

2018年01月28日 17時25分44秒 | ガン
終末期医療、初の実態調査 がん患者ら遺族5千人対象 人生の最期、質向上図る
2018年1月26日 (金)配信共同通信社

 厚生労働省と国立がん研究センター(東京)は25日、がんや心疾患で死亡した患者の遺族約5千人を対象に、亡くなる直前までに受けた終末期医療や介護サービスについて初の実態調査に乗り出すと決めた。患者本人の希望に沿って、必要な医療やケアを受けられたかを中心に検証する。
 高齢化が進み、年間死者が130万人を超す「多死社会」を迎える中、人生の最期をどこでどう過ごすかは重要な課題だ。遺族を通じて患者ごとの体験や意見を把握することで、終末期医療や在宅療養の質の向上につなげる狙い。
 実態調査は、2016年に(1)がん(2)心疾患(3)肺炎(4)脳血管疾患(5)腎不全―で亡くなった全国の患者から約4800人を抽出。厚労省の委託を受けたがん研究センターが月内にも、調査票を遺族に郵送する。
 診断から死亡までの期間や、終末期を過ごした場所は自宅か病院かなど約40問で、患者を主に介護していた遺族に回答を依頼。痛みや吐き気、体重減少といった苦痛の症状や程度、苦痛を和らげるよう医師や看護師、介護職員がどのように努めていたかを尋ねる。
 「心臓や呼吸が停止した場合に備え、心臓マッサージなどの蘇生処置を行うか、主治医と十分に話し合いができましたか」「意思決定ができなくなったときに備えて、どのような医療を受けたいか記載した書面を作成していましたか」といった質問もあり、本人の希望がかなえられなかった場合は、その理由も答えてもらう。
 必要な時に十分な訪問診療や訪問看護・介護のサービスを受けられたかも検証するほか、遺族自身の精神的な負担感や心の傷についても尋ねる。死亡前の1カ月間にかかった医療・介護の総費用も調べて集約する。
 ※終末期医療
 病気や事故、老衰などで回復が見込めない患者への医療。心身の苦痛を和らげ、人生の残りの時間を穏やかに過ごせるように配慮する。厚生労働省は2007年に「患者本人の意思決定を基本に、医療行為の不開始や中止は医療・ケアチームが慎重に判断するべきだ」との指針を策定。今年に入って、在宅でのみとりにも活用できるよう指針の改定案をまとめた。厚労省は近年、「終末期医療」との表現を使わず「人生の最終段階における医療」と言い換えている。

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