米、がん克服「国家目標」 超党派で打ち勝つと大統領
その他 2022年9月13日 (火)配信共同通信社
【ワシントン共同】バイデン米大統領は12日、東部ボストンで演説し、がん克服を「国家的目標」と位置付けた。「がんに関しては民主党も共和党もない。一緒に打ち勝つことができる」と述べ、国民の融和を訴えた。政権は2月、がんによる死亡率を今後25年で半減させる目標を掲げた。
バイデン氏はオバマ政権で副大統領だった2015年に長男を脳のがんで亡くしている。米国は16年に大規模な研究事業を始め、がん克服へ日本や韓国とも連携している。
バイデン氏は「がんを死に至る病から共生できる疾患に変える」と強調。研究加速へ設置した医療高等研究計画局(ARPA―H)の初代局長にルネ・ウェガージン氏を充てる考えを示した。国防総省で生物学の研究を率いた経験を評価した。
体への負担が軽い採血でできる効果的な検診方法を開発するため、国立がん研究所が大規模な臨床試験を始めたことも紹介した。中高年2万4千人の参加でスタートし、22万5千人規模に発展させる考えだ。
若い研究者の育成に向け、最大5年間の研究費支給を来年から始める。これまでは論文誌に料金を払わないと見られないこともあった公費での研究成果を、無料で誰でも閲覧できるようにする方針も強調した。年20万本以上の論文が一般公開となる見通し。
ボストンにあるケネディ大統領図書館で演説したバイデン氏は、60年前の同じ日に「私たちは月へ行く」と宣言したケネディ氏が「国民が団結できる国家的目的を示した」と指摘。月面着陸を実現させたのと同様に、がん克服も国民が一丸となれば可能だと訴えた。
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