コロナ禍で救急搬送照会増 21年、病床逼迫し調整難航
2023年2月2日 (木)配信共同通信社
新型コロナウイルス禍で、出動した救急車から医療機関に搬送者の受け入れ可否を問い合わせる回数が増えている。総務省消防庁のまとめでは、2021年に搬送先が決まるまで11回以上照会したのは1万2842人で、20年の4958人から2・6倍に増加。感染拡大による病床逼迫(ひっぱく)の影響とみられ、コロナ禍前の19年比では4・2倍となった。
搬送先が決まらず救急車が現場に長時間とどまる「救急搬送困難事案」の件数は22年以降も増加傾向にあり、現状ではさらに照会回数が増えている可能性が高い。
消防庁によると、21年に搬送した総数は549万1744人で、20年から3・7%増。これに対し搬送まで9~10回照会した人数は、21年は20年の1・8倍、6~8回も1・5倍だった。119番を受けてから医療機関に引き渡すまでの平均時間も21年は42・8分と過去最長だった。
救急隊は現場で傷病者の容体を確認し、医療機関に受け入れ可否を電話などで照会。断られると次の候補を探すため、回数が増えるほど搬送が遅れ、症状悪化のリスクが高まる。
消防庁幹部は「コロナ後は明らかに照会回数が増えている。救急患者の受け入れ人数を減らしたり、既にコロナ患者で病床が埋まっていたりする病院も多い」と分析している。
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