【島根】県内医師充足率77%
2018年1月12日 (金)配信読売新聞
◇昨年1.5ポイント改善も不足続く
県内で2017年に医療機関が必要とする勤務医数1260人に対して、実数は969・7人(前年比29・5人増)で、充足率が77%だったことが県のまとめでわかった。調査を始めた2006年以降で最低だった前年より1・5ポイント上昇しわずかに改善したものの、医師不足が続いている。(中筋夏樹)
県が島根大付属病院を除く県内の50病院と40診療所の17年10月時点の医師の必要数と実数を調べた。
県内を7地域に分けた2次医療圏別では、73・7%(前年比4・1ポイント減)の益田以外は前年を上回った。前年比4・5人増の隠岐が最も高い92・4%(前年比1・1ポイント増)。雲南は70・1%で2・5ポイント改善したが、最も低かった。
16の診療科別では、眼科(53・9%)、リハビリテーション科(58・7%)、救急(60・1%)、耳鼻咽喉科(68%)、泌尿器科(68・3%)が70%に満たなかった。
診療科を2次医療圏別にみると、松江の救急が17・5%と6年連続で著しく低い。松江市医療政策課は救急医療の激務が背景にあるとして「軽症の場合は救急を利用しないよう呼び掛けたり、休日診療所を設けたりしている」と話す。
常勤医師数は前年比26人増の1138人で、06年以降で最多となったが、病院機能の充実や医療の専門化などで必要数も増加傾向にあり、充足率は07年に8割を超えた以外は70%台が続いている。
県は19年での充足率80%を目指しており、今年度は不足している産婦人科と小児科の専門医などを目指す医師らに研修資金を貸与する制度を2年ぶりに復活させた。県内で勤務すれば年240万円の貸与金は返済不要で、現在3人が利用している。県内での勤務に関心を持つ全国の医師を登録する「赤ひげバンク」の登録者のうち、16年度までの15年間に149人が県内での医療に携わった。
県医療政策課は充足率の微増について「取り組みの成果が表れた」と話す。一方、産婦人科や小児科など診療科別の偏在が解消されないのは、厳しい勤務実態や訴訟リスクが高くて医師が集まらないためとみられ、同課は「医学部のある山陰の大学や医療機関、市町村と連携して医師の養成と確保に努めたい」としている。
◇看護職員は96・4%
県は県内全51病院の看護師や助産師、保健師ら看護職員の2017年10月時点の調査結果もまとめた。必要な看護職員6513人に対して充足率は96・4%で、10年の調査開始以降、最低だった前年より1・2ポイント増だった。
2次医療圏ごとでは、松江以外で前年を上回った。前年最低だった隠岐は2・4ポイント改善して92・3%になった。
県は19年に97%を達成するため、院内保育所の運営費として16年度は12医療機関に計約4800万円を補助したほか、過疎地域や離島に5年間就職すれば返済を免除する看護学生向け修学資金の貸与制度を開始。16年度は20人、今年度は19人が利用した。
2018年1月12日 (金)配信読売新聞
◇昨年1.5ポイント改善も不足続く
県内で2017年に医療機関が必要とする勤務医数1260人に対して、実数は969・7人(前年比29・5人増)で、充足率が77%だったことが県のまとめでわかった。調査を始めた2006年以降で最低だった前年より1・5ポイント上昇しわずかに改善したものの、医師不足が続いている。(中筋夏樹)
県が島根大付属病院を除く県内の50病院と40診療所の17年10月時点の医師の必要数と実数を調べた。
県内を7地域に分けた2次医療圏別では、73・7%(前年比4・1ポイント減)の益田以外は前年を上回った。前年比4・5人増の隠岐が最も高い92・4%(前年比1・1ポイント増)。雲南は70・1%で2・5ポイント改善したが、最も低かった。
16の診療科別では、眼科(53・9%)、リハビリテーション科(58・7%)、救急(60・1%)、耳鼻咽喉科(68%)、泌尿器科(68・3%)が70%に満たなかった。
診療科を2次医療圏別にみると、松江の救急が17・5%と6年連続で著しく低い。松江市医療政策課は救急医療の激務が背景にあるとして「軽症の場合は救急を利用しないよう呼び掛けたり、休日診療所を設けたりしている」と話す。
常勤医師数は前年比26人増の1138人で、06年以降で最多となったが、病院機能の充実や医療の専門化などで必要数も増加傾向にあり、充足率は07年に8割を超えた以外は70%台が続いている。
県は19年での充足率80%を目指しており、今年度は不足している産婦人科と小児科の専門医などを目指す医師らに研修資金を貸与する制度を2年ぶりに復活させた。県内で勤務すれば年240万円の貸与金は返済不要で、現在3人が利用している。県内での勤務に関心を持つ全国の医師を登録する「赤ひげバンク」の登録者のうち、16年度までの15年間に149人が県内での医療に携わった。
県医療政策課は充足率の微増について「取り組みの成果が表れた」と話す。一方、産婦人科や小児科など診療科別の偏在が解消されないのは、厳しい勤務実態や訴訟リスクが高くて医師が集まらないためとみられ、同課は「医学部のある山陰の大学や医療機関、市町村と連携して医師の養成と確保に努めたい」としている。
◇看護職員は96・4%
県は県内全51病院の看護師や助産師、保健師ら看護職員の2017年10月時点の調査結果もまとめた。必要な看護職員6513人に対して充足率は96・4%で、10年の調査開始以降、最低だった前年より1・2ポイント増だった。
2次医療圏ごとでは、松江以外で前年を上回った。前年最低だった隠岐は2・4ポイント改善して92・3%になった。
県は19年に97%を達成するため、院内保育所の運営費として16年度は12医療機関に計約4800万円を補助したほか、過疎地域や離島に5年間就職すれば返済を免除する看護学生向け修学資金の貸与制度を開始。16年度は20人、今年度は19人が利用した。
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