宿題を何度もしてしまう 感染後に記憶障害の小学生
2023年5月2日 (火)配信共同通信社
子どもが新型コロナウイルスに感染しても症状は比較的軽いことが多いと言われてきたが、後遺症に苦しんでいる人が少なからずいることが1日、日本小児科学会の調査で明らかになった。幼い子どもは症状をうまく伝えられていない可能性がある。家族や教育関係者が問題が起きていないか注意深く見守ってあげることが大切だと専門家は訴える。
千葉県の小学4年生の男児(9)は、検査で陽性が確認されてからおよそ1カ月後に記憶障害が気になり、かかりつけ医や専門病院を受診した。数カ月で症状は良くなったが心に傷は残った。
「前にできていたことができなくて忘れ物が多くて困った」と当時のことを振り返る。昨年4月に発熱や喉の症状が出て、かかりつけ医に連絡。抗原検査で陽性となりコロナと診断された。
軽症でしばらく自宅で療養した。登校を再開すると、ランドセルを置いて、手を洗うといった毎日のルーティンをうまくこなせない。頭痛も頻発。同じことを何度も話してしまう。苦労して完成した割り算の宿題を「やっていないんだった」と再び探すこともあった。
母親は大人の感染者で話題になった記憶力が低下する「ブレインフォグ(脳の霧)」を疑い、かかりつけ医に相談した。
紹介された専門病院では脳の画像診断で異常はみられなかったものの、コロナの影響の可能性を指摘された。今は症状はほとんど気にならなくなったが、当初、周囲に気付いてもらえなかった上に、受診後も学校などで忘れやすいことへの理解がなかなか得られず、男児は、症状が軽快するまでは「長い時間に感じた」という。
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