週に2~3回はヤナバの山荘に出かけて来るショージ君、 ここでの本業は薪作りりと言って良い程に冬に備えての薪割りに精を出している。 自分が所有する山荘の薪割りだけで無く、 僕の囲碁の師匠が暮らす四季山荘にも時折立ち寄り、 80過ぎて一人暮らししている独身爺さんの生活を支えてあげる意味で、 薪作りの手伝いをしてあげている。
そんな彼が昨日、 ビニール袋から透けて見える新聞紙に包まれた物を僕に手渡し 「田中さん、これなんだか判りますか、当ててみて下さい」と言う。 手にしたビニール袋、 ずしりと重みを感じました。 新聞に包まれたままの外形を手で探ると「極く小型に作ったツルハシの先端か?」 「水はけが悪くなっている山荘の敷地に排水溝を追加する目的で購入したか?」とも思ったが、 彼がやりたいことの対象としたら「薪割り道具の方だろう」そう推量して 「鉈みたいな物の先っぽ」答えたのでした。
「 かなり近いですが、クサビです 」、
「 硬くってなかなか割れない薪を割る時に使うんです。 」、
「 前から欲しくてね、 探していたんだけど・・・なかなか見つからなくて 」、
「 やっと古道具屋と言うか、骨董屋と言うか、 そんな店で見つけました 」
「 値段が幾らだったかか当ててみて下さい 」
「 使う時にクサビの頭は金属ハンマーで直に叩いちゃ駄目なんですよ!」
「 かけや(硬い木で出来た大鎚)を使うんです 」
余程、欲しかったクサビが手に入って、 嬉しくて堪らない状態で話が続きました。