雪の結晶 周辺冷却方法 試案@2022

2022-01-19 09:56:33 | タナカ君的日常

 昨日Upした試料ステージの冷却方法、 それは冷やした銅板で試料ステージの上下を挟む形に配置して、 撮影対象の雪の結晶の融解スピードを遅らせようとするものでした。

 しかし、 その部品を加工している最中、 そしてまた記事を編集している最中、 僕の頭の中は「スマートな方法じゃあ無いな!」との想いが渦巻いていた。 そして真夜中、 いつものオシッコに起きてから「うつらうつらしながら考え、そして思いついた方法」がありました。 「大きなステージを冷やすのでは無くて、 撮影したいターゲットとなる小さな雪の結晶周辺だけ、 キンキンに冷やした金属で取り囲んだらどうか?」

 起きてから早速その方法を実現するための部品作りに取り掛かりました。 出来上がった物は太めの針金をU字型に折り曲げた物です。 実際には針金は熱収縮性チューブをかぶせてから整形しました。 その理由は針金の断面エッジで試料ステージの薄いラップフィルムを切断損傷しないためです。

 このU字型した針金をキンキンに冷やす方法ですが、 以前に作ったペルチェ素子を組み込んだ冷却ユニットがそのまま使えます。

 そのユニット(Top写真)のベースはアルミ製の放熱フィン、 その上部にペルチェ素子が取り付いています。 そのペルチェ素子の上(冷却側)にはアルミ成形材(商品名 アルミ破損止 [ACT-3] )が取り付いています。 その整形材は 幅5.5mm、奥行き25mm ほどの細長いコの字状をした物です。 

 冷却すべきU字針金を幅5.5mm の空隙に挿入して冷却するのです。 写真ではU字の先端が見えていますが、 実際にはU字の全体は空隙内部に入ります。

 実際に使用する場合の説明 :



雪の結晶に見立てた朱色の紙切れのサイズは5mm ほど
草津で降る雪の結晶サイズの多くは1.5~3mm です


1. 試料ステージで降雪を受け止めます。 

2. 撮影に適した結晶を見つけます。

3. 見つけた結晶を取り囲む位置に冷却したU字針金をセット。

4. 撮影実行。

 ところで何故、冷却効果から考えたらば有利と思える円盤型の金属でなくU字にしたか? それには撮影システム固有の理由があります。

  撮影システムには「表面照射ランプ」として、 雪の結晶に対して4時方向の位置にLEDランプを設置してあります。 しかし結晶の周囲に障害物があると浅い角度で照射されるその光は結晶表面に届かなくなってしまいます。 U字型の形状はその光の通路用なのです。


 U字のこの部品、 冷却以外にも大事な役目をしてくれる事が期待できます。 広い面積の中に舞い降りた小さな結晶、 マクロレンズの下の狭い空間に挿入すると、 その場所を見つけるのに手間取るのです。 その手間が省けることでしょう
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