オズマがバス釣りを始めたのは1988年G.W.の河口湖だった。
当時,すでにC.C.ベイトでしか釣れないといわれていて(さらにまともに信じて),バス釣り初心者であるオズマは,先輩のいうとおりにジグヘッドによるグラブのスイミングで7匹釣った記憶がある。
しかし,そこからがいけなかった。どんな釣り場にいってもグラブしか投げられないのだ。ルアーに自信がないのである。したがって,釣果もイマイチだし,なによりルアーの根掛かりが激しくて(アシにジグヘッド,それもガードなしを入れていたのだからアタリマエだろう),1989年ぐらいにはもういやになっていた。
だが,そこで出会ったのが,『まちがいだらけのバッシング』(村田基著)である。
1987年初版発行。本体980円だった。
いまでも読み返すと新鮮なことも多い。
この本が何より革新的に思えたのは,既成概念にとらわれない村田氏の説得力ある言葉だった。
p.60「人が攻めたポイントは釣れないのウソ」より。
まずはこれにビックリだった。
釣りを教えてくれた先輩は,「ワレサキキャスト」がすべてだ,といっていた。しかし,本書は違った
引用しよう。
「同じポイントについているバスでもアピールに反応するものとナチュラルに反応するものとがあるため,活性の上がったバスをナチュラルで釣り,その後同じポイントをアピールで釣るというやり方だってある」。
オズマも,実際これはよく経験している。
ワームのバサーが去った後,クランクで攻めると釣れたりする。また,スピナベを投げていたバサーの後にクランクを投げるとこれまた釣れる,ということは実に多い。「オズマとして」先行者バンザイ,そう思えるのは,とくに冬から春先に多く経験している。冬は,もう思い切り後から入ってもいいぐらい,そういうときを多く経験している。
2009年はマグレで50UPを2本釣っているが,ともに結構普段から叩かれているポイントだ。いや,水郷全域でシークレットスポットなどないだろう。それでもマグレは起こったのだ。マグレでも50UPが釣れたのは,神様のおかげと思うことにしているが。
また,ルアーセレクトに対しても実に興味深い記事がある。
p.30「ヒットルアー+グッドポイントなら釣れるのウソ」より。
引用しよう。
「ある程度のルアーなら,その釣り場ではやらせちまえばヒットルアーになっちまうってことだ。100人のうち90人がバイブレーションプラグがすごくいいといわれ,ラトルトラップを使ったとする。そのうち45人がこれでヒットさせ,残りの45人があぶれてしまう。しかし,違うルアーを使ったほかの10人が全員ヒットさせたとしても,その差は45対10となってしまうんだ。」
“ある程度”がミソだが,これもよく経験した。
オズマの学生時代は10人ぐらいで北浦に行ったものだが,そこで,「これがいいんだ」とギドバグばかり使うと,全員ギドバグで釣れる。そして,「ギドバグ神話」が作られる。
だが,オズマが行き始めた頃の北浦(1990年)は,その後数度訪れた八郎潟さえ比較にならないほど釣れた場所だった。事実,当時の日記を見ると
「30匹しか釣れない」
「“やっと”70匹の大台に突入だ」
などと書いてある。しかし,後半はギドバクで釣ったものではない。拾ったルアーRNR-5「ラトリンララップ」が最強だ,などと書いてある。
まとめよう。
要は,ポイントに先に入られたからって悲観的にならないことだろう。また,ヒットルアーなんて結局その人の思い入れが一番だから,ある程度はどうにでもなるということだろう。
と書いているオズマも,「ポイントが先に潰された」と悲観することがある。しかし,その数時間後に40UPを釣ったことは1度や2度ではない。
また,オズマが好きなハードルアーが正しいというのでもない。要は,先行者が居たら攻め方を観察するぐらいの余裕で楽しまないと疲れちゃうよ,という話なのではないだろうか。
まあ,こんな話は,オズマのこの記事より「潮来釣具センター」で村田氏本人から訊くといいと思う。オズマも以前はよく質問したものだ。
聞くは一時の恥,聞かぬは一生の恥,ともいうじゃないですか,ネ。