リック・クランが優勝した。御年72歳とのことで,つくづくバスプロというか,リック・クランは凄い。
もっとも,リック・クランが初来日した1990年初夏のとき,僕はよく知らなかった。ただし,アメリカでとんでもない成績をすでに残していたことと,チームダイワのグラスクランキンロッドという看板商品もあった。
そして思うのが,三平くんでのムツカケでの話である。
千修万練一日不能,万人一振一尾三百。
これは,「有明海のムツゴロウ」の章で,ムツカケを生業とする職業漁師が三平くんに贈った賛辞の言葉でもある。
才能のある人間が釣った1匹は常人の300匹に値する。同時に,千回練習しても釣れない人間がいる。
僕は少年時代からこの言葉が好きで,何かといえばこの話題に帰着させてしまう。
下野プロがいう;「努力はなくて,報われなくて,それでも”好き”が長続きさせるだけの”釣り”もある」というのに強く同感するのだ。
たしかに,最近の下野プロはとても往年の姿ではない。体調不良が原因だろうが,お客さんが来ないのでは話にならないだろう。ましてや「釣れない」ガイドを自称してしまっては...。反面,「ラインの知識が希薄」すぎるようなプロが人気ガイドと言われる時代である。
僕はもちろん,才能のない「釣り好き」であるとわかっている。わかっているから余計に入れ込んでしまう。たまに釣れるから,年に数回「つかめたか」と錯覚を起こしてしまうことがあるから。この錯覚が楽しくて続けている理由の一つだろう。灼熱地獄も好きなんだけどね(笑)。
さて,僕の釣り人生はどこまで続くのだろう。今年の春は人事異動があるとの内部通達もあった。海外勤務でも関西勤務でも,とにかく釣り場が近い場所がいいなあ(笑)。