『昭和40年男』第77号の特集は「テレビまんがまつり」だ。
ちょっと立ち読みしてすぐに買ってしまった。
もうこれはイカン。完全に子供の頃に持っていかれるではないか
声優・神谷明の「叫び」はいまでも聞くことができる。『ドカベン』で里中君をやっていたのが意外だったけど,自分は「岩鬼」にはまっていた方だったからかな。
実際,『ゲッターロボ』での流竜馬の叫びなど,元祖「叫び系ロボットアニメ」である『マジンガーZ』をはるかにしのぐ。
「ゲッタービィィィィィィィィンムッツ!」という感じなのだ。回を追うごとに強化されていき,「少年でもわかるゲッター3の変形についての違和感」は消え去っていった。
1970年代,実に子供がテレビの主役だったことが,雑誌収載の「新聞TV欄」を見てもわかる。フジテレビの1975年は,日曜日なら18-20時まで2時間テレビまんがである。
僕の記憶でも明確で,「火曜日が一番テレビマンガのつまらない日」だった。たしか『サザエさん』の再放送だけがTVまんがで,他はドラマやらなにやら,子供には難解だったのだ。
神谷明は,いまみたいに顔が出始めたのはたぶん『バビル2世』『ライディーン』放送よりずっと後。富山敬とともに「声との差」にガックリしたものだが,それは少年の浅はかさである。申し訳ない。
月曜日だけでも,19時から『釣りキチ三平』か『ルパン三世』かでチャンネル争いがあったもの。当時は,夕食を一体何時に食べていたのだろう 共働きだったから18時ということはなく,おそらく20時過ぎだったのではないかとボンヤリ浮かんでくるが...。
「テレビまんが」が「アニメ」になって久しい。いまでは「COOL JAPAN」ということだが,すでにその土台はこの1970年代に確立されていた
そして,出崎統・長浜忠夫といった名演出家が語られている。僕はリアルに見ていたし,後に姉が購入した『アニメージュ』によって,「こうした意図で作られた」ことを知ったのだが,やはり天才は天才なのだ。タツノコプロの吉田竜夫なんて奇跡だ
そんなわけで,「テレビまんが」夢中世代に激推の一冊である。