5月になったら俺の好きなムツゴロウの話だ。
何度も何度も書いている話題だが,どうしても好きなシーンがあるので紹介したい病気な自分をご容赦頂きたい。
生活の中のたのしみとしての釣り,漁師としての釣り。
この「有明海のムツゴロウ」が収録された単行本第25巻は,すでにボロボロである。小遣いで買ったような記憶がぼんやりあるが,40年以上前の話である。
何が好きかといえば,この矢口先生でしか語れない「釣りの意味」の違いだ。そしてそれがまた押し付けに感じられない。魚紳さんにしろ,網元のおやっさん...違った,小次郎おじさんにしろ,みんな冷静で「人生の機微に通じた大人」なのだ。
『9で割れ!』に描写の特徴的な矢口青年の「実体験」がこうしたセリフを主人公に語らせるのだろう。『釣りバカたち』では,かなりブラックな話題もあるが,それは「釣り」の中毒性をも切実に語っている。
そんなことに気づいたのはおそらく30代になってから。もう100回以上読んでいるのに飽きない 本棚から消えない それもまた,自分が「釣りキチ」なのだということを改めて理解させてくれるのだった。
2024年も4ヶ月が過ぎてしまった。まったくもって速い。5月はもっと速い。6-8月なんて一気通貫である。諸行無常の日々である。