「 九州 ・ 沖縄 ぐるっと探訪 」

九州・沖縄・山口を中心としたグスク(城)、灯台、石橋、文化財および近代土木遺産をめぐる。

沖縄県那覇市  「ナイクブ古墓群 」 埋蔵文化財発掘調査 

2013-09-08 00:10:00 | 沖縄の王墓、按司墓、拝所



発掘調査中のナイクブ古墓群







残念ながら、目の前にある墓の中が見えそうで見えなかった







写真の左のムイ ( 森 ) にナイクブ古墓群がある





那覇市の国際通りを挟んで右と左にそれぞれ丘状になったムイ ( 森 ) がある。
東の 「 希望ヶ丘公園 」 に対して、西にあるのが 「 緑ヶ丘公園 」 である。
その 「 緑ヶ丘公園 」 は、国際通りから一本裏道に入ったニューパラダイス通りにある。
そこに 「 ナイクブ古墓群 」 と呼ばれる墓地があり、
緑ヶ丘公園整備事業として埋蔵文化財発掘調査が行われていた。

墓地を覆っていた木々が伐採されて古墓全体が目の前に露わになり、
きれいに古墓が見える状態になっていた。
発掘作業をしている人に 「 ちょっとでヨカけん墓ん中に入ってヨカですか? 」 って訊くと、
「 那覇市の教育委員会の許可がないと中に入ったらダメさ~ 」 という。


沖縄の墓は、亀甲墓と呼ばれるものが有名であるが、これは子宮をイメージしていると言われている。
だが、今回発掘調査をしている墓は亀甲墓よりも、もっと古い時代のもののようである。
破風墓から亀甲に移行する前のものか?
それより以前の横穴式の墓 ( 浦添ようどれ風 ) の時代のものであると思われる。

沖縄で一番古い亀甲墓は、中城にある護佐丸の墓だといわれているから、
それ以前の琉球王朝初期~中期のものではないかと思われる。
その構造から石灰岩を切り出し積み上げ漆喰で固めている様子がよく解かる。
墓の前庭、入り口の様子も見て取れる貴重なものである。

この一帯には亀甲墓もあり、王朝系の貴族や高官の墓がたくさんあるので、
発掘調査の結果で新しい発見があるかも知れないと思っている。
ただ、発掘作業をしている人によると、「 墓の中には人骨は無かった 」 ということである。
そういえば、 玉城にある尚 泰久や安次富金橋の墓にも遺骨は入ってなかったから、
こういうこともあるだろう。

ダメ元で再度 「 目の前の墓でヨカけん墓穴の中に入れてくれ! 」 と頼んだが、やはり断られた。

今度、機会があれば墓を調べてみたいものである。



熊本県山鹿市 「 金剛乗寺石門 」

2013-09-08 00:06:46 |  滝 ・ 名所 ・ 神社仏閣





















護國山金剛乗寺石門は、月輪門である。
文化元年(1804)に石工・甚吉によって造られたもので、
凝灰岩の切石を使った円形の門である。
門の輪石に刻まれている梵字のアと、バンは、
サンスクリット語でそれぞれ胎蔵界と金剛界の大日如来を意味している。
この門より如来の心中に入ることを示している。

この石門は、昭和50年2月に山鹿市の 「 特別文化財工芸品 」 に指定され、
異国を思わせるようなデザインは町の人々に親しまれている。

護國山金剛乗寺 ( ごこくざんこんごうじょうじ ) は、
天長年間 ( 824~834 ) に空海によって開かれ、
かつては建物が大きく西の高野山といわれていた。
一時は途絶えたが後鳥羽天皇の勅願で再建され、
宝徳年間 ( 1449~1452 ) に宥明法印住職によって復興された。

宥明法印住職は、文明5年 ( 1473 ) 3月温泉が突然枯れてしまったとき、
薬師堂を建て祈願をして温泉を復活させた山鹿温泉の大恩人といわれている。
その後、宥明法印が遷化したとき、紙細工の名人・山口兵衛が数百の紙灯籠を作り、
霊前に供えたのが山鹿灯籠の起こりとも言われている。

ご本尊は薬師如来。本堂には大日如来、宥明法印像、聖天・不動明王が祀られている。
また、境内には修復された如意輪観音堂があり、見事な仏像を見ることができる。


・九州四十九院薬師霊場第三十二番札所


大分県院内の石橋 74 「 中鍋橋 」

2013-09-08 00:04:41 | 大分の石橋



均整の取れた中鍋橋の全景








今も中鍋地区の生活道路として活躍している







中鍋集落がある上から見た中鍋橋







左岸側の親柱にはひらかなで彫られている







「 中鍋橋 」 と彫られた親柱






欄干も当時もままの姿で残っている







きれいに切り揃えられた輪石と整列された壁石







目の詰まった輪石はまるでコンクリート造のようである





所在地 /  大分県宇佐市院内町中鍋 : 温見川
架橋  /  昭和12年7月
石工  /  不明
長さ   /   16.6m   幅   /  4.0m
拱矢  /    3.8m   径間  / 12.0m
環厚  /   45㎝   
単一アーチ


中鍋橋は中鍋集落の中を流れる温見川に架かる橋で、
コンクリートで造られているのかと思うほど目の詰まった輪石と
きれいに整列した壁石が端正な姿を醸し出していた。
左右上下の親柱には何れも橋名と川名がひらかなと漢字で刻まれている。


中鍋橋へのアクセス
中鍋橋へは、国道387号線を玖珠方面に分寺橋から1.2キロほど行くと
左側に中鍋集落へ入って行く道がある。その集落の入り口に架かる橋が野地橋で、
集落の中に架かる橋が中鍋橋である。
駐車は橋の横に広くなった空き地がある。