戦国時代、五島を支配した宇久純定がキリスト教布教を認め、
一時は2,000人の信者がいたとされる。
しかし、幕府の禁教令で、キリシタンは途絶えた。
江戸時代後期の1797年、五島藩が大村藩に荒地開墾要員の移住を要請したことをきっかけに、
外海から潜伏キリシタンが海を渡り、五島各地には再びキリシタン集落ができる。
上五島に属する頭ヶ島は、1859年頃から入植が始まり、
役人の目もあまり届かないことから、潜伏キリシタンが増えた。
1867年以降、上五島には長崎から密かに外国人神父が訪れるようになるが、
翌年にはキリシタン弾圧 「 五島崩れ 」 が起きる。
頭ヶ島でも主だった信者が拷問を受け、島民全員が島を一時脱出した。
1887年には木造教会が建てられ、1919年に現在の石造り教会が完成する。
鉄川与助の設計施工で、近くの島から切り出した石を、信者らが船で運び組み立てた。
内部は船底のような折上天井で、随所にツバキをモチーフにした花柄文様があしらわれ、
「 花の御堂 」 の愛称もある。
珍しい石造で重厚な外観を持ち、華やいだ内部が特徴的な教会として、
2001年に国の重要文化財に指定された。
所在地 / 長崎県南松浦郡新上五島町友住郷頭ヶ島638
建物 / 石造平屋131㎡
竣工 / 大正8 ( 1919 ) 年
設計・施工 / 鉄川与助
教会の保護者 / 聖ヨゼフ
※ 頭ヶ島天主堂の見学は原則として
長崎の教会群インフォメーションセンターへの事前許可が必要です。
[TEL]095 - 823 - 7650