








久留米競輪場の正門や陸軍橋には行かず、
変則三叉路を左に入って
正源寺の神道墓地の左を歩くと野外講堂が見えてくる。
直径22メートルの約500人を収容できる規模で、
ステージとベンチが円形に配置され、
全体が土塁で囲まれており、
ステージは円形で球面状の壁が付けられている。
ステージの袖にはアーチ状の門があり、
その裏手には楽屋があったと言われている。
ベンチはステージを扇の要にして3列に配置され、
ベンチ平面も脚部もアーチ状に弧を描いている。
昭和初期のこのような施設は全国的にも極めて珍しく、貴重な遺構である。
この施設はブリヂストンタイヤの石橋正二郎氏がここで
軍従事者を慰問するためのコンサートなどを開くために建設したもので、
この施設は石橋文化センターにかつて存在した野外ステージに似ていると言われている。
ちなみにステージ中央の額文字の 「 養其神 」 の書は、
陸軍中将であった渡辺正夫氏の書だそうである。
※ 養其神 ( そのしんをやしなう ) は、
「 自己の精神の長い修養に努めなさい 」 という意味らしい。
【 法天生會 ・ 漢魏六朝 】