


オブサン古墳は、チブサン古墳の近傍にある円墳である。
発掘調査の結果、直径22メートルで、
幅4メートル前後の周溝がめぐることが判明した。
葺石や埴輪は認められない。
石室開口部にはハの字にやや開く前庭部を設けているが、
墳丘内側だけでおさめるのでなく、
円形の墳丘から2つの矩形の突出部を張り出させることにより、
間口4.5メートルで羨門まで奥行8メートルの前庭部を確保している。
南に開く横穴式石室は複室構造で、
奥室には石材は残っていないが石屋形があったことが判明した。
石室の全長は、羨門から奥壁までで約8.5メートル、
前庭部の8メートルを加えると16.5メートルとなる。
奥室屍床を画する仕切り石に赤彩の連続三角文が、
奥壁にもかろうじて赤彩の小型の靭もしくは盾が認められたが、
痕跡程度になり肉眼では判読できない。
本来は奥室には装飾豊かな壁画が描かれていた可能性が高い。
鉄地金銅張りの馬具等が出土している。
所在地 / 熊本県山鹿市城字西福寺1785