Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

スパイシーな相互感応

2008-05-26 | ワイン
五月の試飲を終えた。木曜日から日曜日までで六箇所の醸造所を巡った。各々非常に勉強になる試飲であった。最終日は予定していた一家族が子供の不調故に参加を見合わせて、もう一家族もお母さんと子供だけの参加で、一日代理お父さんのような按配となった。

自宅から歩いての試飲会は健康的で優に一時間半以上は歩いた。途上、ホールンダーの白い花などを指摘され、なるほど一人で歩いているのとは情報の収集能力が異なり情報量も遥かに多いだろうと、これまた植物や地質などに見識のある人物と散策すればさぞ学ぶことも多いだろうと、それを希求するのである。

それにしても、この数日間の出会いや学びの多かったことは試飲行者行としては特筆すべきである。最終日にはザールのシュロース・ザールシュタインが、ゲオルク・モスバッハーで試飲会開催しており、これまた大変学ばして貰った。

ワイン発注の返事を待つ緑家さんの「奥さんに直訴してくれ」との指令を受けて、そのワインともども奥さんにも迫ることが出来て最初からかなり踏み込むことが出来た。ワインの果実風味がここ地元にあるものとはことなり、その1966年と1943年の古い葡萄から醸し出されるものは意外にも新鮮なヴァイタリティーに満ちたものであり、その葡萄のクローンを感じさせる。これまた、全面的に奥さんの予想や緑家さんの評価を信じて成り行きを試すことにした。こうした機会を素直に受け入れることも学びや出会いには肝要であろう。

肝心のモスバッハーのワインは、2007年産は明らかに上を目指しているリースリングであり、ロープライズ狙いではそれを見逃してしまう可能性がある。例えば、ヘアゴットザッカーなどは秀逸で、そのスパイシーな味わいは絶賛できるフォン・ブールのものと比べても十分に対抗できるのである。そして価格は1ユーロ30セント廉いが、こちらの方が長持ちするに違いない。

一連の試飲において、交じあった協会役員や醸造所の面々、さらに熱心な顧客達との交流は、当方が受けたのと同じだけ先方にもなんらかの感嘆や情報を与えている訳で、こうした相互間の刺激合いは、本年が記念年であったと言うだけでなく、ドイツワインの大きな活力となって必ずや大きな力となって収斂してくるものと確信している。
コメント (2)
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