Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

選りすぐった特産品に舌鼓

2009-11-11 | マスメディア批評
今日も気温が下がり、一日中雨空である。熱っぽい。それが分かっていたので昨日買い溜めしておいた。芽キャベツでも焚いて温まりたいところだ。

先週はポーイヤックからサンテミリオンへと二本の赤ワインを開けた。こうした寒い時期となるとピノノワールとかシュペートブルグンダーなどよりもボルドーとかのコッテリした赤い葡萄のワインの方が温まる。週末にはフィレを出してきた肉屋のお母さんに、それよりは遥かに安い焼肉用の肉を二百グラム切って貰った。流石にステーキとして食するには硬く腹を壊したが、なかなか噛み応えもあり、赤ワインソースも旨く行った。せめてもう少し叩いて延ばしておけば良かった。

マルゴーの醸造所で貰った名門シャトー百五十選を見ていると、以前には気がつかなかった栽培や醸造上の情報が載っていてなかなか面白い。現在飲んでいる1998年産は、94年や95年に比べると澱が少なく、これならば飲む前に暫らく立てて置けば敢えてペーパーフィルターに通す必要もないと分かってきた。十分に飲む準備をするだけの熟成に至ったのが少し驚きである。1996年が良いのは分かっていたのだが、南欧のワインとしてはあれだけ酸がたっていたワインがなかなか飲み頃になって来ている。チョコレートケーキにも素晴らしく、今頃になって次回の買い付けまでの十分な在庫を喜んでいる。しかし次ぎは、先ずはブルゴーニュに行ってからだから何年後になるだろうか。あまり飲む機会も少ないと思っていた赤ワインであるが、現金なもので美味いとなるとどうしても手が出るので、今度は在庫が気になるのである。

そのような健康上の理由でTVシリーズ「ヴァインラント」の最終回は、途中トイレに駆け込んだりしてあまり集中して観れなかったが、掻い摘んで記録しておく。最初に何よりも、バッハラッハのトニー・ヨスト醸造所が紹介されて、ミッテルラインの高級ワイン醸造所はこれで決まりだと直感した。親仁さんの態度やコンセプトなどにズレの無さが感じられた。その後にカウプからコブレンツを過ぎてボンの近くまで河を下る。

バート・ヘニンゲンでは、観光行政でのワイン栽培が既に歴史を刻んでジュースと同じように造られている。そして最後に行きつくウンケルでは地質学者が孤立しながら崖でその土壌を活かしながら葡萄を育てる。ミッテルラインのワイン栽培はジリ貧であるようで、産業としての将来性はない。しかし、嘗ては効率のために歴史的なテラスが均されて急斜面に葡萄が植えられるようになった。その急斜面での労働も世界的な競争力を失わせているのはモーゼルを先行している。特別な味のスパイの土壌でワイン作りを営むヴァイガルト醸造所のように高糖比重で高価に海外で捌くというモーゼル式のワイン農業経営となってしまっている。要するに、おかしなワインを生業としている。

そうしたなかで将来に希望がもてるのはプロデューサーが言うようにローテンブルクと同じように日本人を吸い寄せるその谷の光景であり環境である ― その点ではナーへより有利だ。その一つとして昔ながらのテラス栽培が復興してそれなりの地元の特産ぶどう酒が振舞われるようなブドウ栽培こそが将来への可能性であるに違いない。



参照:
Weinland (SWR/MAINZ)
指定されたラインの名物 2007-07-04 | ワイン
ユネスコ文化の土壌 2008-06-03 | アウトドーア・環境
中之島に永く根を生やす 2009-06-28 | ワイン
逢瀬の地、中ノ島へと渡る 2009-06-26 | アウトドーア・環境
コメント
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