1961年産ラトール、1945年産モートン、1947年産シュヴァール・ブラン、1811年産イケームとか1921年、1947年に1953年産のオーブリオンとかの方が、ラウエンターラー・バイケン1943年産の甘かったり酸っぱかったりするワインよりも重要だと思うワインのヴェテランばかりなのである。
そこで供されたのが1934年産シュタインハーフェンつまり現在のバイケンをはじめ31種類のラインガウのワインで、宴席は四時間続いた。ホッホハイマーの1976年産デムデカナイのアウスレーゼがコルクでやられていて、その代わりがなかったので当夜のセンセーショナルであった1986年産バイケンのアウスレーゼが差し替えられたようで、誰も全く問題にはしない。
千四百人のゲストには、特に好奇心旺盛なご婦人方は残糖値を質問したと言うことだが、それ以外のワイン通には、〆に供された八種のトロッケンベーレンアウスレーゼはただの白いデザートワインでしかない。
それでも機会があれば、1900年冒頭以降のカビネットから選び放題で、古くは1846年産のシュタインベルガー・カビネットまでに手をつけることが出来る。ヘッセン州の財政援助を受けていた州立醸造所を1998年に民営化してそこの会長に収まり、合理化から2004年には再び黒字へと転換させたその功績があるからだ。
プロイセンの王室の所有であった耕地面積二百ヘクタールに及ぶドイツ最大の醸造所の長に収まるのはローラント・コッホ州知事である。もちろん昨年の左派党と社会主義者の連立政権が成立していたなら、そこにこの保守政治家はいない。だから新聞は書く。ベルリンで政治活動をしていても、葡萄を高く垂らし、酸っぱいワインしか収穫出来ないのであり、一体どこの州の知事がこれほどの幸せを享受出来るだろうかと。
そして、そのようなワインの典型として2005年には1937年以来はじめて、ドムデカナイ、ネロベルク、ゲールン、バイケン、マルコブロン、シュタインベルガー、ロットラント、ベルクシュロースベルクの地所で八種類ものトロッケンベーレンアウスレーゼを収穫したという。七月の三日間の霧で収穫量が落ちて、さらに貴腐に必要な黴を確認していたという。
この記事題して、「ラインガウの貴腐」。
参照:
Edelfaul im Rheingau, Andreas Plathaus, FAZ vom 11.2.2010
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千四百人のゲストには、特に好奇心旺盛なご婦人方は残糖値を質問したと言うことだが、それ以外のワイン通には、〆に供された八種のトロッケンベーレンアウスレーゼはただの白いデザートワインでしかない。
それでも機会があれば、1900年冒頭以降のカビネットから選び放題で、古くは1846年産のシュタインベルガー・カビネットまでに手をつけることが出来る。ヘッセン州の財政援助を受けていた州立醸造所を1998年に民営化してそこの会長に収まり、合理化から2004年には再び黒字へと転換させたその功績があるからだ。
プロイセンの王室の所有であった耕地面積二百ヘクタールに及ぶドイツ最大の醸造所の長に収まるのはローラント・コッホ州知事である。もちろん昨年の左派党と社会主義者の連立政権が成立していたなら、そこにこの保守政治家はいない。だから新聞は書く。ベルリンで政治活動をしていても、葡萄を高く垂らし、酸っぱいワインしか収穫出来ないのであり、一体どこの州の知事がこれほどの幸せを享受出来るだろうかと。
そして、そのようなワインの典型として2005年には1937年以来はじめて、ドムデカナイ、ネロベルク、ゲールン、バイケン、マルコブロン、シュタインベルガー、ロットラント、ベルクシュロースベルクの地所で八種類ものトロッケンベーレンアウスレーゼを収穫したという。七月の三日間の霧で収穫量が落ちて、さらに貴腐に必要な黴を確認していたという。
この記事題して、「ラインガウの貴腐」。
参照:
Edelfaul im Rheingau, Andreas Plathaus, FAZ vom 11.2.2010
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