Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

只管上へ上へと攀じる日々

2011-09-25 | アウトドーア・環境
ティチーノの陽射しは強かった。長さ十七キロほどのゴッタルダトンネルを抜けた。南欧の山の上にも先日の新雪が残っていた。それが日に日に融けていった。

活動三日目に再びゴッタルダトンネルの手前まで車で戻ってきた。今回の旅行のメインイヴェントであるティチーノで最も容易で最も長いルートを登攀した。そして足が焼け付いてしまった。過酷ではなかったが、24ピッチ、九時間以上岩壁を只管攀じ登った。クレッターシューのゴムに強く射す太陽光が足を引き締めて、喘ぎとなった。

一度そのようになると靴を脱いでも、履き直して爪先で登るのがとても苦痛で億劫になるのであった。爪先で登れなければ十分に容易な岩壁でも階段がある訳ではなく、辛いのである。本来ならば最後まで使いたくない上体を駆使するなどして、足に負担を掛けないようにするしかないのである。

当日は暗闇のテントの中から起き出して、アスコーナのキャンプ場からゴッタールダ峠を目指した。そして九時前には沢へ落ちる乾いた滝つぼのようなところから登り始めて、再びキャンプ場に戻ったときには日が暮れた八時前であったのだ。

木曜日に挙行日を定めて、火曜日、水曜日と十分に難しい摩擦登攀で感覚を掴んでいたので、技術的には十分に容易であり、十二分に早く登れたのであるが、それでも途中の休みや、登攀路の間違い、ザイルのサラダとの戦いなどで、それだけの時間を費やした。

上へ上へと只管登れば、大分の高度を稼げる筈なのだが、一日中掛けて僅か500Mほど高度を上げただけだった。その意味では、日本の谷から突きあがる黒部渓谷や谷川岳などよりも効率が悪い。反面、樹林帯に岩壁があるので、比較的日本のそれに似ているが、手掛かりが無いどころか、そうした場所では、手を岩場に置くだけでも何処からか積もっている針葉樹のとげが指に刺さるので、無闇に手を掛けることが出来ないところも部分的に存在した。また確保場所でも蟻が足を這い上がって来ることも少なくなかった。また拳大の水晶の塊などもあって見事であった。

一年前から目安としていた体力技術的な成果は達成できた。その反面、前日に摩擦登攀で登った難易度5cでも一気に50M以上登るとなると可也の限界域に近づく。ザイルの長さは60Mどころか70Mもしくは80Mと長くなってきていて、益々それに対応できるような体力が必要とされるようになってきている。その意味からは、難易度6もしくは5.10あるいは七級を60M連続して登れなければスポーツクライマーとしては駄目である。その為にはやはり先ず下肢の鍛錬と適切なクレッターシューが必要である。



参照:
横腹の脂肪の切り落とし 2011-09-01 | 生活
制御出来ないからこその環境 2011-08-28 | アウトドーア・環境
腰痛に、その原因を想いながら 2011-03-06 | 雑感
コメント
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